青年版国民栄誉賞 選考委員長として総評
先日、JCI JAPAN TOYP(青年版国民栄誉賞)2026の選考委員長として、総評を務めさせていただきました。昨年は、私自身がグランプリを受賞させていただいた、思い入れの深い舞台です。今年は審査する側に立ち、総勢25名のファイナリストの発表に、一つひとつ耳を傾けました。

「客観視」は、誰にでもできる
25名の発表を聞きながら、私の頭にずっとあったのは「センスメイキング理論」——日本語で言えば「意味づけ」という考え方でした。
不登校は落ちこぼれ。地方は衰退。ネガティブな現状を客観的に眺めることは、誰にでもできます。「かわいそうだね」「大変だね」と言葉を重ねることも、難しくはありません。けれど、それだけでは現状は何も変わりません。
ファイナリストが見せてくれた「意味づけ」
ファイナリストの皆さんは、違いました。同じネガティブな現状を前に、自分の得意を生かし、当たり前とされる構造を疑い、仲間を巻き込んでいく。情熱と戦略の両方をもって、課題を希望へと変えていく。
これはまさに、客観的な「現状」に新しい「意味」をもたらす営みです。観察して終わるのではなく、自らの手で意味をつくり出していく。その姿に、私は強く心を動かされました。
子どもたちに見せたい、ロールモデル
情熱と戦略をもって課題を希望に変えていく皆さんの背中は、まさに子どもたちに見せたいロールモデルそのものです。
もちろん、いつも思い通りに進むわけではないと思います。悔しい夜も、やるせない瞬間もあるはずです。それでも、皆さんの活動は身の回りの人にとどまらず、社会全体に前向きな意味をもたらしています。だからこそ、これからも歩みを止めないでほしい。心からそう願っています。

この舞台を創り上げた、皆さんへ
昨年グランプリをいただいてから、私の中で責任と覚悟は、一層強くなりました。そして今年は、運営の皆さんが昨年から大きく入れ替わり、運営する側にとっても新しい挑戦の年だったと思います。
それでも、この舞台があったからこそ、新しい挑戦が生まれ、コラボレーションや共創(コ・クリエーション)が生まれ、笑顔になる人が増えていきます。この場を創り上げてくださった運営の皆様に、心からの敬意を表します。
おわりに
NIJINが掲げるのは「教育から世界を照らす」こと。目の前のネガティブな現状を、客観視で終わらせず、意味あるものへと変えていく。それは、TOYPのファイナリストの皆さんと、私たちNIJINが大切にしたい姿勢そのものです。
この日に生まれたつながりから、これからどんな共創が立ち上がっていくのか。私はいまから、楽しみで仕方ありません。


