NIJINアカデミーリアル教室長 PJ|NIJINプロジェクト塾(探究プロジェクトスクール)
NIJINアカデミーのリアル教室として、一番最初に開校した越谷校。今や、満員となってもなお問い合わせが後を絶たない人気の教室です。
そんな越谷校を率いるのは、教室長の「ひとみん」。保育士として10年間、発達支援の現場で子どもたちと向き合ってきた彼女が、わが子の不登校という経験を経て見出したのは、「学校に行けないことが不幸なのではない」という新しい視点でした。最前線で「新しい教育の可能性」を切り拓く彼女の想いに迫ります。
プロフィール
沖縄県出身。法政大学在学中にフリースクールでボランティアを経験し、「学校以外にも学びの場がある」という世界に衝撃を受ける。卒業後は一度不動産業界に就職するも、出産をきっかけに「本当にやりたかった教育の仕事」に向き合い直す。保育士を取得し発達支援の現場で10年間、子ども一人ひとりの特性に寄り添う支援を行う。その後、息子の不登校をきっかけに「学校に行けない子どもが安心して過ごせる居場所を作りたい」と決意。NIJINアカデミーの理念に出会い、越谷校を開校した。
不登校の息子が安心して過ごせる場所を、自分で作る
― NIJINへ参画しようと思ったきっかけを教えてください。

私がNIJINアカデミーと出会ったきっかけは、息子の不登校でした。
小学校3年生の頃、担任の先生との関係がうまくいかず、学校からの電話が鳴るだけで吐いてしまうほど追い詰められていました。その姿を見たとき、「ここまで無理をして学校に行く必要があるのだろうか」と強く感じました。ただ、いざ学校に行けなくなったとき、安心して過ごせる場所がほとんどないことにも気づいたんです。
「それなら、息子が安心して過ごせる場所を自分で作ろう」
そう決意したときに出会ったのが、NIJINアカデミーでした。校長である星野達郎さんの「不登校という言葉をこの世からなくしたい」という想いを知ったとき、「まさに私がやりたかったことだ」と感じたのです。
「やりたくねーし」が口癖だった子が「誰かの居場所」を語りだすまで。
― 越谷校はどんな教室ですか?
越谷校を一言で表すなら、「やりたい!」が自然と連鎖する場所です。
ここには、地域からいろんな“面白い大人”が来てくれます。パルクールの先生、ソーイングやクレヨンアートの達人、料理の先生……。誰かが面白そうなことを始めると、教えられなくても子どもたちは自然と寄ってくるんです。
大人が教え込むのではなく、大人の「好き」に子どもが巻き込まれる。そんな地域との混ざり合いを大切にしています。新しく入ってくる子も多いですが、その「変化」さえも集団が新しく生まれ変わるチャンス。人の出入りがあるからこそ、子どもたちの世界が停滞せず、常に動き続け社会とのつながりを作れているのを感じます。

― 教室での活動を通じて、印象に残っているエピソードを教えてください。
「ぶっきらぼう」がトレードマークのような子がいたんです。「やりたくねーし」が口癖で、新しい子が来ると少しちょっかいを出してしまうような。
でもある日、その子がふと「ねえひとみんさ、ここを越谷の子のたまり場にすればいいじゃん。みんなが来れるようにすればいいんじゃない?」と言ってくれたんです。自分のこと、自分の居場所のことで精一杯だった子が、いつの間にか「自分たちの外側にいる誰か」のことを語りだした。その瞬間、ああ、この子の心に新しい風が吹いたんだなと、とても嬉しく思いました。
ー 学園祭でのエピソードも、越谷校らしいドラマがあったそうですね。
パン屋さんを出店した時のことです。当初、全然乗り気じゃなかった二人のお子さんがいました。集団の中では少し孤立しがちで、周りから時々「うるさいな」と思われてしまうこともある二人です。
でも、彼らがCM作りやロゴ制作を始めたら、凄まじい才能を発揮したんです。本番では二人が誰よりも声を出し、パンを売り歩きました。結果、二人が売上のトップ。報酬も「何をしたか」で差をつけたのですが、二人が一番多くもらったことに、周りのみんなも「あいつら、やる時はやるんだよな」と心から納得していました。
一人の行動が、みんなの「見る目」を変える。普段は消極的な子が、二人の背中を見て、普段は消極的な子が自ら売り歩き始めたり、売れなかった翌日に「今日は悔しかった」と報告に来てくれる子がいたり……。子どもたちが、子ども同士の関わりから何かを受け取り、新たなことに挑戦し、自らの世界を広げていく。
そんな鮮やかな変容は、やはりリアルな「関わり合い」の中でしか生まれないのだと、私自身も教えられた出来事でした。
子どもたちが自分たちでつくっていく教室
ー NIJINの教室長には、どんな「スキル」が必要だと思いますか?
私はよく、あえて「見守る」ことを選んでいます。子ども同士で揉めても、すぐには介入しません。そうすると、不思議と他の子が仲裁に入ったり、解決策を考えたりと動き出すんです。
ここは「私の教室」ではありません。子どもたちが自分たちでつくっていく教室です。 実は私は教員免許を持っていません。私の役目は「教える」ことではなく、教室で子どもたちが”誰かの役に立ちたいと思う瞬間”をプロデュースすることだと思っています。教員免許より大切なのは、これまでの経験や、子どもを想う気持ちだと感じています。
「学校に行けない=不幸」という価値観を社会からなくしたい
― これからNIJINで挑戦したいことはなんですか?
「学校に行けない=不幸」という価値観を社会からなくしていくことです。
今の日本では、まだまだ学校に行くことが当たり前とされています。でも、NIJINアカデミーで出会う子どもたちは、学校に行っていなくてもたくさんの可能性を持って楽しんでいます。
安心できる環境があれば、子どもたちは自分の力で一歩を踏み出します。
実際に越谷校でも、最初は声を出せなかった子どもが動画制作に挑戦したり、自分から先生に相談できるようになったりと、大きな成長を見せてくれています。
そんな子どもたちの姿を社会にもっと届けていきたい。そして、どんな子どもにも自分らしく学べる場所がある社会をつくりたいと思っています。
― 読者の方へメッセージをお願いします。
かつての私のように、わが子の不登校で悩み、出口が見えないと感じているお母さん、お父さん。
その経験は、そのまま誰かの力になります。 NIJINアカデミーには、メタバースとリアル教室が手を取り合い、チームで一人ひとりを支える仕組みがあります。
「子どもたちの未来に、もう一度希望を届けたい」
その想いがあれば、誰でもその一歩を踏み出すことができます。
もしあなたが、子どもたちの未来に手を差し伸べたいと思っているなら、ぜひ一緒に新しい教育の形をつくっていきましょう。



