実行に変える。
7月の事業代表会議で、何度も投げかけられた「誰を幸せにする事業なのか」という問い。 8月、その問いはもう一段、厳しくなりました。顧客を決めるだけでは足りない。 その人のために何を実行し、何が起きたのか。5回の会議を通して、事業代表たちの変化を追います。
← 2026年7月「誰を幸せにするのか」から逃げない会議の中では、
事業は育たない。
8月の事業代表会議で問われ続けたのは、きれいな事業計画でも、アイデアの多さでもありませんでした。
顧客と向き合ったのか。ピッチに立ったのか。Webを改善したのか。 一人の変化を追ったのか。そして、実際に何が起きたのか。
先生キャリアコーチ、授業てらす、NIJIN放課後プロジェクトスクール、中学校てらす。 それぞれ違う教育課題に挑む代表たちは、8月、同じ場所へ向かっていきます。 「想い」を「実行」に変え、顧客と社会にぶつけること。
「アイデアには価値がない。結果を持ってこないといけない。」 NIJIN代表取締役 星野達郎 / 2026.08.31 事業代表会議
外に出たから、
事業の弱さが見えた。
8月、最も大きく事業を動かした一人が、先生キャリアコーチ代表の森川陸でした。
月初の8月3日、森川は外部ピッチで使うプレゼンを事業代表会議に持ち込みました。 「学校と社会の壁をなくし続ける」を掲げ、自己理解のためのコーチング、教員から民間へ転職した経験者とのメンタリング、 企業での社会体験「キャリアダイブ」を組み合わせたキャリア支援です。
しかし、フィードバックで繰り返されたのは、「説明より、人が見たい」ということでした。
森川自身、教員時代に30社以上の転職活動で不採用になり、誰にも相談できず、一人で悩んだ経験があります。 その原体験が語られた瞬間、プレゼンは一気に伝わり始めました。
翌週には福岡・大阪でVCや起業家に実際にプレゼン。 そこで、NIJINの知名度ではなく、先生キャリアコーチそのものが評価される状態をつくらなければならないと感じます。
さらに外へ出たことで、企業側のメリットの弱さ、受け入れコスト、教員が企業で発揮できる価値など、 会議の中だけでは見えなかった課題が次々と現れました。 「キャリアダイブ」は企業との対話から「ジョブシャドーイング」へと仮説を変えていきます。
ただし8月17日、星野から投げられたのはさらに根本的な問いでした。 顧客や取引先に「何が欲しいですか」と答えを聞き、その通りにつくるのではない。 観察し、本人も言葉にできていないインサイトを見抜き、最後は代表自身が決める。
森川は過去のヒアリングを見直し、8月24日、教員の言語化されていない欲求を 「転職で失敗したくない」と置きました。 そこから30万円の本プログラムの前に、1万円で職業体験を提供する案が生まれます。
しかし会議では、「1万円に本当にその価値があるのか」「本商品へつなぐためだけの入口になっていないか」 「その体験だけでも顧客は幸せになるのか」と再び問い直されました。
8月31日時点。検討中は3名。
参加7名から3名が個別相談・検討へ。
BtoB設計、法的リスク、Web集客など次の課題が具体化。
動いたから、壁が見えた。壁が見えたから、次の仮説を立てられた。 8月の先生キャリアコーチは、その繰り返しでした。
「チームを動かす」前に、
目の前の一人を見る。
授業てらすが8月に向き合ったのは、マネジメントでした。 イベント集客も、講師への依頼も、SNSも、自分が動かなければ進まない。 「メンバーにやってほしいと言っても動かない」という課題から始まります。
そこで考えたのが、各教科チームが一人の先生にフォーカスし、その先生を幸せにする取り組みでした。 ただ、返ってきたのは「どう動かすか」の技術ではなく、「なぜ、それをやるのかが共有されているか」という問いです。
星野が語ったのは、ルールではなく「コンテキスト」をつくること。 SNSを投稿する。イベントをつくる。期限を守る。 それらを「決まりだから」ではなく、誰を幸せにする仕事なのかまでつないで伝える必要があります。
8月24日には、授業てらす版のWBSを作成。 SNS投稿、Web記事、プロ講師イベント、企業共創、授業動画、退会者との面談など、 誰が・いつ・何をやるのかを可視化し、「お願い」で動かす状態から仕事を仕組みに変えようとしました。
ところが、ここでも問いは続きます。 「2週間に1回なら負担が少ない」ではなく、なぜ2週間に1回なのか。 週1回発信するなら、顧客と毎週接点を持ち、自分の教育活動を内省するため——。 頻度にもWhyが必要でした。
そして月末、新しく入った2人の先生との対話が始まります。 理科を深く学びたい先生には、理科チームと授業研究の機会を。 学校で孤立し、他の先生とつながりたい人には、小さな対話の場を。
月初の問いは「どうすればチームが動くか」でした。 月末には、「この先生は、どうすれば幸せになるのか」へ変わっていました。
「たくさん動く」から、
仕組みで結果を出すへ。
NIJIN放課後プロジェクトスクール(PJ)も、8月を通して何度も事業の根本を問い直しました。
月初にはDNPとの3Dメタバース活用、仙台でのイベント、企業との共創など、多くの企画が動いていました。 しかし会議で返ってきたのは、「どんな子どもに、どうなってほしいのかが見えない」というフィードバックでした。
イベントを開催する。企業と連携する。新しいテクノロジーを使う。 それ自体が目的になれば、事業ではなく「活動」になってしまいます。
議論を重ねる中で、PJはNIJINアカデミーの教育を、学校に通いながら放課後や休日にも受けられる 「ダブルスクール」として整理していきました。
8月24日には、記事11本の公開、Threadsでの発信、NIJINアカデミー公式サイトへのPJページ掲載、 教育メディアへの掲載依頼、全国13のママコミュニティへのアプローチまで行動量を増やしました。
一方で、最も厳しく指摘されたのが「仕組み化」です。 退学者へ声をかけるなら、誰が、いつ、どんな文章で連絡するのか。 3週間後、3か月後、1年後に何を送るのか。対応済みかどうかを誰でも確認できるのか。
「思い出した時に連絡する」状態では、事業は再現できません。 営業も顧客フォローも発信も、仕組みにして初めて積み上がります。
8月24日時点で公開。検索・認知獲得を強化。
全国のママコミュニティへアプローチ。
8月31日時点で月間3名の入学を報告。
8月31日、新たに持ち込んだ「週末移住×探究」というアイデアに対して再び言われたのが、 「アイデアには価値がない。結果を持ってこないといけない」という言葉でした。
アイデアを考えることから、小さく実行し、顧客が集まったという事実を持ってくることへ。 PJにとって8月は、「考える代表」から「仕組みで実行する代表」へ変わるための月になりました。
きれいな言葉より、
「人」の物語を。
8月17日の会議では、中学校てらすのピッチも行われました。 「全国の中学校をHAPPYにする」を掲げ、学校を内側から変えていく教師コミュニティです。
「面白がる」「企む」「解き放つ」など、事業の考え方や仕組みは丁寧に整理されていました。 しかし、他の代表から返ってきたのは、「人が出てこない」「きれいだけれど心が動かない」というフィードバックでした。
たとえば、学校を辞めたい気持ちが95%あった先生が、中学校てらすへの参加によって5%まで下がったという一人の変化。 その人に何が起きたのか。その先生が変わったことで、子どもたちはどう変わったのか。
制度やコンセプトより、一人の具体的な変化から始めた方が、事業の価値は伝わります。 これは月初、先生キャリアコーチが受けたフィードバックとも重なります。
8月、何度も繰り返された
3つのこと。
一丁目一番地は、顧客を幸せにすること。
チームを育てることも、他事業に良いフィードバックをすることも大切。 しかし、その前に自分の事業で「この人がどう変わったのか」を語れなければならない。
顧客の言葉を、そのまま答えにしない。
ヒアリングは重要です。ただし「欲しい」と言われたものをそのままつくることが顧客理解ではありません。 観察し、本人も言葉にできない欲求を見抜き、仮説を決めるのは代表です。
フィードバックは、次の会議の前にやるものではない。
8月24日の最後に共有されたのは「今日もらったフィードバックは今日中にやる」という姿勢。 会議のために準備するのではなく、事業のために今すぐ実行する。その速度が結果の差になります。
7月は「誰を幸せにするのか」を問い、8月はその問いを実行へ移しました。 顧客に会う。ピッチに立つ。記事を書く。Webを直す。一人の変化を追う。仕組みをつくる。 失敗したら、仮説を変える。事業は、顧客と社会にぶつけた時に初めて次の課題が見えてきます。
9月、各事業代表が持ってくるのは、新しいアイデアなのか。 それとも、「やってみたら、こんな人が幸せになった」という結果なのか。
教育を変えるのは、
評論家ではなく、行動する実践者。
今の教育システムに違和感がある。学校の枠を越えて、子どもや先生を本気で幸せにしたい。 教育への想いだけで終わらせず、顧客と向き合い、事業として社会へ届けたい人へ。 星野起業塾では、NIJINのリソースを使いながら教育事業の代表を目指します。
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