教育で起業したい。
でも、何を事業にすればよいのだろう。
学習塾を開く。教材をつくる。子どもの体験教室を始める。社会人の学びを支える。方向はいくつもあるからこそ、「自分は何から始めればいいのか」で止まってしまうことがあります。
先に考えたいのは、教室の物件や会社の名前ではありません。誰が、どんな場面で学びに困っているのか。その人にどんな変化を届け、その運営費を誰が負担するのか。このつながりを具体的にすることが、事業づくりの出発点です。
教育のアイデアを、事業にするために
「教えたいこと」から、
「必要とされる学び」へ。
最初から大きな仕組みをつくる必要はありません。相手を絞り、小さな企画にして、学びの変化と収支の両方を確かめる。その順番で考えてみましょう。
この記事では、教育で起業する8つの事業アイデアから、立ち上げの手順、費用、集客、安全管理までを解説します。途中では、実際の教育事業の取り組みと、架空の講座を使った試算を紹介します。
対象は、子どもや大人の学びを支える民間の教育サービスを検討している方です。学校法人・大学等の設置手続きを網羅する記事ではありません。実例と編集上の企画例は、区別して記載しています。
教育で起業するとは?学ぶ人と、支払う人を考える
教育の内容と、届け続ける仕組みを一緒に設計する。
この記事でいう教育の起業とは、人の学びや成長を支えるサービスを、自分で企画し、対価を得て継続的に届ける取り組みです。子どもに直接教えるだけでなく、教材をつくる、教える人を支える、企業の研修を設計するといった方向も含めて考えます。
利用者と契約者が、同じとは限らない
子ども向けの講座なら、学ぶのは子どもでも、申込みや支払いをするのは保護者という設計になります。企業研修なら、受講する社員と、予算を決める担当者・部署が違う場合もあります。
「楽しそうだった」だけでは、料金を払って選ばれるかは分からない。一方で、契約してもらえても、学ぶ本人にとってよい時間にならなければ、教育の目的を果たせません。それぞれの立場が確かめたいことを分けましょう。
- 学ぶ人
- 子どもやってみたいと思えるか。自分のペースで取り組めるか。
- 選ぶ人
- 子どもと保護者目的・内容・通い方が合うか。本人の気持ちも確認する。
- 費用を払う人
- 保護者料金、学びの内容、安全面について納得できるか。
探究講座を想定した整理の例です。本人が申込み・支払いをする社会人講座や、企業・自治体が費用を負担する事業では、関係者を書き換えます。
最初は「必要性・学び・継続性」の3点を確認する
アイデアを比べるときは、次の3つを問いにしてみてください。これは事業を検討するための整理であり、成功を判定するスコアではありません。
- 必要とされるかその人は何に困り、今はどんな方法で対応しているか。
- 学びにつながるか参加前と後で、どんな変化を一緒に確かめるか。
- 続けられるか料金・人員・時間・費用が、無理のない組み合わせか。
教育で起業する、8つの事業アイデア
教える・つくる・支える。どこから関わるかを選ぶ。
教育事業は、学習塾だけではありません。中小企業基盤整備機構のJ-Net21でも、学習塾、外国語教室、カルチャースクール、eラーニング事業など、業種を分けて開業ガイドを公開しています。[1]
ここでは、事業を考えるための企画例を8つ紹介します。「自分にできそう」だけでなく、誰が料金を払うか、最初に何を確かめるかまでセットで見てください。
以下の料金の受け取り方や企画は検討例です。市場規模・収益性・資格や許認可の要否を保証するものではありません。
01 / 子どもの学習を支える
学習塾・個別学習支援
「小数の計算でつまずく」「家庭で学習を始められない」など、課題を絞った指導や学習の伴走。
- 支払う相手
- 保護者
- 収入の形
- 月謝・回数制の受講料
- 先に確認
- 周辺の塾やオンライン教材では、何が解決できていないか。
02 / 学ぶ体験をつくる
探究・体験・習い事の教室
科学、ものづくり、表現などを通じ、自分で問いを立て、試し、伝える機会をつくる。
- 支払う相手
- 保護者・企画に合意した連携企業
- 収入の形
- 単発・連続講座の参加費、企画受託料
- 先に確認
- 安全な人員・場所を確保したうえで、どんな学びを提供するか。
03 / 別の学び方を支える
フリースクール・学びの居場所
学校以外で学びたい子どもの、安心して過ごせる環境と学習の選択肢を整える。
- 支払う相手
- 保護者等。事業の設計による
- 収入の形
- 月額の利用料など
- 先に確認
- 家庭ごとに違う支援ニーズと、人員・施設・学校との連携。
04 / 目的のある学びを支える
語学・資格の学習サービス
「職場で使う日本語」「特定資格の学習計画」など、使う場面や目標に合わせて支援する。
- 支払う相手
- 受講者本人・保護者・企業
- 収入の形
- 受講料・企業との研修契約
- 先に確認
- 対象者の現在地と、講師の専門性・指導体制。
05 / 学べるものをつくる
教材・動画コンテンツ
特定の単元や課題に絞った教材、解説動画、学習の振り返りシートなどを制作する。
- 支払う相手
- 保護者・学習者・学校・教育事業者
- 収入の形
- 販売代金・利用料・制作受託料
- 先に確認
- 無料教材との違い、権利処理、更新や質問対応の手間。
06 / 学びの仕組みをつくる
学習アプリ・教育業務支援
学習記録、保護者との連絡、教材管理など、学ぶ人・教える人の困りごとを減らす。
- 支払う相手
- 個人・学校・教育事業者
- 収入の形
- 利用料・導入支援料・運用契約
- 先に確認
- 既存の仕組みから替える理由と、保守・情報管理の負担。
07 / 教える人を支える
教員研修・学びのコミュニティ
授業づくりや学級経営について、実践を持ち寄って相談し、学び合う場をつくる。
- 支払う相手
- 教員個人・学校・研修主催者
- 収入の形
- 会費・イベント参加費・研修受託料
- 先に確認
- 無料の勉強会では補いきれない課題と、参加しやすい設計。
08 / 仕事で使う学びを支える
社会人講座・企業研修
仕事に必要な知識や技能を、実際の業務で使うところまで支援する。
- 支払う相手
- 受講者本人・企業
- 収入の形
- 講座受講料・法人向け研修契約
- 先に確認
- 受講する人の課題と、発注側が求める変化が一致しているか。
迷ったら、「自分が教えられるテーマ」だけで選ばず、具体的な困りごとを聞ける相手がいるかから考えてみましょう。流行している分野でも、利用者に会わないまま商品をつくると、必要とされる内容とのずれに気づきにくくなります。
実例は2026年6月29日公開のインタビューに基づきます。事業の利益や受講後の成果を示すものではありません。
教育事業の始め方|6つのステップ
完成品を売る前に、確かめるべき仮説を小さくする。
ここからは、小学校4〜6年生向けの「4回の探究講座」を架空の例に、企画を具体化していきます。実在するNIJINの講座や、実施済みの成功事例ではありません。自分の事業に合わせて、対象や内容を書き換えてください。
- 01相手と困りごとを絞る
- 02本人と支払う人に聞く
- 03学びの変化を決める
- 04小さな企画にまとめる
- 05運営・契約・安全を整える
- 06提供して、改善点を確かめる
「教育をよくしたい」を、具体的な困りごとにする
大きな目標は、そのまま持っていてかまいません。ただ、最初に届けるサービスでは、相手と場面をもう一段具体的にします。
子どもの探究心を育てたい。
自分の好きなことを調べて発表したい小学校4〜6年生に、問いの立て方と調べ方を一緒に考える場が必要ではないか。
ここまで絞ると、教科の補習なのか、自由研究の伴走なのか、探究の習慣づくりなのかを区別できます。同時に、既存の教室・無料動画・家庭での活動で十分ではない理由も考えましょう。
この時点の仮説が違っていても問題ありません。「子どもは参加したいが送迎が難しい」「調べ方よりテーマ選びに困っている」と分かれば、次の企画を変えられます。
学ぶ本人と、料金を払う人の両方に話を聞く
「こんな講座があったら参加しますか」と聞くだけでは、好意的な返事と本当の必要性を区別しにくくなります。実際に困った場面と、今している対応を尋ねてみてください。
- 最近、調べたいことがあったのはどんなときですか。
- そのとき、どこで手が止まりましたか。
- 今は、誰に相談したり、何を使ったりしていますか。
- 保護者は、送迎・時間・費用のどこを気にしていますか。
子どもの意思と、保護者の期待が同じとは限りません。本人が望んでいない活動を、保護者の要望だけで設計しないことも大切です。
まず数家庭など話を聞ける範囲から始め、意見が違う相手にも広げます。数人の賛同を、市場全体の需要と受け取らず、同じ困りごとが、どの条件で繰り返されているかを記録しましょう。
「何をするか」より先に、「どんな変化を確かめるか」を決める
「工作をする」「発表会を開く」は活動の内容です。教育の目的を考えるなら、その活動を通して、本人が何をできるようになりたいのかも言葉にします。
架空の探究講座で、確かめたい変化
自分で問いを一つ選び、調べたことと自分の考えを区別して、他の人に伝えられるようになる。
最初の問い、途中の調べ方、最後の発表、本人の振り返りを残し、どこで助けが必要だったかを確かめる。
全員が同じペースで進むことや、4回で大きな能力向上が起きることを約束する必要はありません。本人が何を面白いと感じ、どこで困ったかも見ます。
参加者の満足度、学びの記録、事業の収支は別々の情報です。小規模な実施前後の記録だけで、講座の教育効果が科学的に証明されたと宣伝しないようにしましょう。
最小限のサービスにして、企画を見てもらう
最初から年間カリキュラムや専用アプリを完成させるのではなく、対象・内容・回数・定員・価格を一枚にまとめます。探究講座なら、たとえば次のように分けられます。
- 1回目問いを選ぶ興味のあることを出し、調べたい問いを決める。
- 2回目調べる資料や観察から、必要な情報を集める。
- 3回目確かめる調べた事実と、自分の考えを整理する。
- 4回目伝える他の人に伝え、次に知りたいことを振り返る。
この段階で、想定する利用者や教育・事業運営の経験者に見てもらいます。「面白いですね」で終わらず、誰が困っているのか、今ある方法と何が違うのか、この時間と料金で提供できるのかを問い返してもらいましょう。
2026年6月30日公開の本人インタビューに基づく実例です。立ち上げ時の取り組みを紹介しており、事業の収益やプログラム参加による成果を保証するものではありません。
募集する前に、役割・契約・安全の条件をそろえる
小さく始めることと、安全管理や説明を省くことは別です。講師が休んだ場合の対応、子どもの受け渡し、緊急時の連絡、キャンセル条件などを先に決めます。
費用も、授業時間だけで計算しないようにしましょう。企画、教材準備、保護者への説明、振り返り、会場の設営まで含めて、誰が何時間使うのかを整理します。
小さく提供し、学びと事業の両面から振り返る
必要な条件をそろえたら、対応できる人数に絞って提供します。振り返るのは「好評だったか」だけではありません。
- 学ぶ本人は、どの活動で考えが進み、どこで困ったか。
- 申込みの理由と、申し込まなかった理由は何か。
- 準備・連絡・提供に、実際は何時間かかったか。
- 同じ価格と体制で、もう一度提供できるか。
無料体験と有料の本講座は、別の条件です。無料で人が集まったことだけを根拠に、売上を見込まないようにしましょう。
また、教育サービスの目的が達成されて卒業することは、必ずしも失敗ではありません。継続率だけにこだわらず、必要な期間で学びを届けられたか、次の利用者に無理なく届けられるかも考えます。
教育で起業する費用は?開業資金と収支の考え方
売上ではなく、時間と費用を含めて続けられるかを見る。
教育で起業する費用は、教室を借りるのか、オンラインで提供するのか、教材やシステムを自分でつくるのかで変わります。「教育なら一律いくら」と考えず、まずは次の3つに分けて見積もりましょう。
- 最初に必要な費用
- 設備、備品、教材制作、契約・開業手続き、必要に応じた物件取得費など。購入前に、借りる・外注する案とも比べる。
- 提供のたびに必要な費用
- 講師・運営スタッフ、会場、教材、決済、連絡対応、集客など。自分の作業時間も記録する。
- 事業と生活を支える資金
- 売上が不足する期間の事業費、返金等への備え、生活費。入金時期と支出時期を分けて確認する。
オンラインでも、教材制作や問い合わせ対応がなくなるわけではありません。自分の時間をすべて無料とみなすと、表面上は黒字でも、続けるほど生活が苦しくなる計画になりかねません。
資金・収支の項目を整理する際は、日本政策金融公庫の「創業計画の書き方」と計画書の書式も参考になります。[4]
MODEL CASE / 架空の試算
4回の探究講座。何人なら、費用をまかなえる?
1人あたり24,000円、定員8人の講座を想定します。1か月分ではなく、4回の講座を一通り提供する単位で計算します。
- 受講料1人・全4回
- 24,000 円
- 1人増えるごとの費用教材・決済費等として仮定
- 2,000 円
- 運営に使う時間の評価額合計24時間 × 3,000円
企画・準備・指導・連絡等を含む - 72,000 円
- 会場・ツール・集客等この講座に配分する費用の仮定
- 48,000 円
費用をまかなう人数の目安
人数に比例しない費用
120,000円
÷
1人あたりの受講料 − 変動費
(24,000円 − 2,000円)
= 約5.45人
端数を切り上げて6人
想定した費用と体制の範囲内での計算です。
売上 96,000円
変動費 8,000円
その他 120,000円
売上 144,000円
変動費 12,000円
その他 120,000円
売上 192,000円
変動費 16,000円
その他 120,000円
価格・人数・費用は説明用の仮定で、相場やNIJINの実績ではありません。差額は上記項目のみで計算したものです。税金、別途の開業費、借入元金返済等は含みません。自分の時間を金額に置き換えた評価額を含むため、会計・税務上の利益や手取りとは異なります。必要なスタッフ全員の時間や、安全管理・保険等の費用を、実際の見積もりに反映してください。
「満席なら大丈夫」だけで判断しない
この仮定では、8人集まる場合と4人の場合で、差額が大きく変わります。だからこそ、想定どおりに集まらなかったときの条件を、募集前に考えておきます。
実施に必要な最少人数、成立しなかったときの中止・返金の扱い、会場や外注のキャンセル期限などです。安易に定員を増やすと、スタッフや場所も追加で必要になります。8人までの費用を、そのまま16人に当てはめることはできません。
受講料を前払いで受け取っても、その後の講座提供にお金が必要です。入金額をすぐ自由に使える利益と考えず、提供費用と返金等への備えを残しましょう。
自己資金、融資、補助金等を検討する場合も、必要額と支払時期を先に整理します。制度を探す入り口として、J-Net21の資金準備・事業計画の解説を参照できます。制度を利用できることや、採択・融資が決まることを前提に進めないようにしてください。[5]
教育ビジネスの集客は、届ける相手から逆算する
知ってもらうことと、安心して申し込めることを分ける。
最初からすべてのSNSを運用する必要はありません。「この相手は、困ったときにどこで情報を探し、何が分かれば申込みを検討できるか」を考えます。以下は、集客の流れを組み立てるための例です。
保護者・個人に届ける
悩みへの答えと、参加の判断材料をそろえる
- 01対象者の困りごとに答える記事、紹介、地域の場との連携などで知ってもらう。
- 02対象・内容・講師・料金・日程・安全対策が分かるページへつなぐ。
- 03説明や体験で疑問を解消し、条件を確認して申し込んでもらう。
探究講座なら、見栄えのよい作品写真だけでなく、子どもがどうテーマを選び、どんな支援を受けるのかを示します。
学校・企業等に届ける
担当者の共感だけでなく、導入の条件まで確認する
- 01現場の課題、利用する人、契約・予算を決める人を確認する。
- 02実施範囲・費用・運営負担・情報管理・成果確認の方法を提案する。
- 03試行する場合も、評価の時期と、本導入の判断条件を整理する。
担当者が興味を示したことと、発注が決まったことは別です。組織ごとの調達・契約手続き、入金時期も確かめましょう。
見る数字は、フォロワー数だけではない
例えば、講座の説明ページを見た人、問い合わせた人、実際に申し込んだ人を分けて記録します。広告を使うなら、広告費だけでなく、説明・相談にかかった時間も見積もります。
うまく進まないときの確認ポイント
ページは見られるのに、問い合わせがない。
誰向けの何をする講座か、料金や日程が分かりにくくないか。
問い合わせはあるのに、申込みがない。
対象のずれ、時間帯、送迎、価格、参加への不安など、理由を確かめる。
申し込まれるが、運営が回らない。
個別対応の範囲、準備時間、人数に応じた体制を見直す。
選ばれなかった理由を、すぐに「宣伝が足りない」と決めつけないことが大切です。サービスの内容や提供条件に、修正すべき点があるかもしれません。
教育で起業する前に確認したい、契約・許認可・安全管理
小さな事業でも、学ぶ人を守る準備は先に行う。
以下は準備のチェック項目です。個別の事業に必要な手続きを網羅したものではありません。事業の対象年齢、内容、実施場所、契約形態をまとめ、所管窓口や専門家へ確認してください。
「教育サービスだから」で、一律に判断しない
教室、教材販売、オンライン講座、学校の設置では、確認すべきことが異なります。保育や福祉のサービスに当たる活動も、単に「学びの場」と名付ければ同じ扱いになるわけではありません。まず業態を絞り、J-Net21の業種別開業ガイド等で確認項目を整理しましょう。[1]
- 資格・許認可・場所
- 活動内容に応じた資格・許認可・届出の要否、施設や消防等の条件、借りる場所の用途・利用規約を確認する。
- 担当者と緊急対応
- 講師・補助者の役割、欠員時の対応、事故・災害時の連絡、子どもの受け渡し、必要な保険を検討する。
- 利用条件と費用
- 対象者、提供内容、総額、支払時期、欠席・振替・中止・返金の条件を整理し、申込み前に分かるようにする。
- 教材・写真の権利
- 他人の教材・文章・画像は利用条件と許諾を確認する。「教育目的」という理由だけで、無断転載してよいとは考えない。
安全管理を検討する際は、こども家庭庁の「こどもの安全」に掲載されている分野別の情報も参考にしてください。実際の体制は活動内容に合わせて設計します。[9]
長期契約や、オンラインの申込みには特有の確認がある
語学教室・家庭教師・学習塾など、法律上の対象に該当するサービスで、契約期間が2か月を超え、契約金の総額が5万円を超える場合は、特定商取引法の「特定継続的役務提供」の規制を確認します。入学金・教材費等も総額に含まれ、インターネットを使った提供も対象に含まれ得ます。[6]
該当する場合には、書面交付、クーリング・オフ、中途解約等のルールがあります。教育サービスのすべてに同じ規制が適用されるわけではないため、サービスの定義と契約条件を確認してください。[6]
ウェブで申込みや販売を受け付ける場合も、通信販売に該当するか、販売者情報、価格、支払・提供時期、解約条件、申込最終確認画面等の表示をどう整えるかを確認します。[7]
学習記録や写真を、どこまで扱うかを決める
氏名や連絡先、学習記録等を扱う場合は、利用目的を具体的にし、適切に管理する必要があります。個人情報保護委員会のガイドラインをもとに、必要な情報、閲覧できる担当者、保存期間、外部サービスへの提供等を整理してください。[8]
実務上は、参加の申込みと写真の広報利用を分けて説明し、公開範囲を確かめる運用も考えましょう。外部のAIサービス等に学習記録を入れる場合も、利用条件やデータの扱いを確認し、個人が分かる情報を安易に渡さないようにします。
2026年9月19日時点の制度情報
こども性暴力防止法は、2026年12月25日に施行されます。学校・認可保育所等の義務対象事業者と、学習塾・スポーツクラブ等の認定制度の対象では、立場が異なります。すべての教育事業に、すでに同じ義務が生じているという意味ではありません。自分の事業がどの対象になるか、こども家庭庁の公式資料で確認してください。[10]
教育の起業で、よくある疑問
教育業界の経験がなくても、起業を考えられますか?
教育で起業するには、いくら必要ですか?
教育ビジネスで、利益を出すことはできますか?
最初から会社や専用アプリをつくる必要がありますか?
無料体験で人が集まれば、有料でも始められますか?
まずは、一枚の事業計画にまとめてみる
答えをそろえるより、次に確かめることを明らかにする。
ここまでの内容を、最初の一枚にまとめてみましょう。大切なのは、立派な言葉で埋めることではなく、分かっていることと、まだ仮説のままのことを分けることです。
PLAN / 記入例
4回の探究講座を考えるなら
- 支えたい相手
- 自分の好きなことを調べて発表したい、小学校4〜6年生。
- 確かめたい困りごと
- 興味はあるが、問いの立て方と調べ方が分からず、手が止まっているのではないか。
- 届けたい学び
- 問いを選び、調べた事実と自分の考えを整理して、他の人に伝える。
- 最初の提供方法
- 少人数・全4回。教材、会場、担当者、連絡方法、安全対策を準備する。
- 料金と人数の仮説
- 1人24,000円、定員8人。この記事の費用条件では、6人以上で計算上の差額がプラスになる。
- 先に行う確認
- 子どもと保護者に話を聞く。想定価格・日程への反応、必要な体制と実際の見積もりを確かめる。
企画を整理するための架空の記入例です。実施・集客・教育成果が確認された計画ではありません。
分からないことに合わせて、相談先を選ぶ
教育で起業する方法は、一人で独立する形だけではありません。専門家に相談する、教育事業者で経験を積む、既存の組織で事業を育てるなど、足りないものに合う環境を検討できます。
- 資金・収支を整理したい
- 公的な創業支援の窓口や金融機関などへ、計画と見積もりを持参する。相談と、融資等の審査は別に考える。
- 契約・資格・安全面を確認したい
- 事業内容を具体的にし、所管窓口や該当分野の専門家へ確認する。
- 企画と届け方を磨きたい
- 利用者の声を聞きながら、教育事業の運営経験者等と目的・対象・収支を問い直す。
誰かの基盤を借りて事業に取り組む場合には、支援内容だけでなく、意思決定の範囲、費用負担、収益配分、事業の帰属も確認してください。
今日決めるのは、会社の名前よりも、次に確かめたい一つのこと。必要としている人に会い、その人の学びを想像するところから始めてみましょう。
募集要項確認:2026年9月19日。公式ページには、途中解約による返金不可・在塾中の学費改定の可能性が記載されています。費用負担、収益配分、事業の帰属等は、最新の募集要項・面談・契約で確認してください。参加による起業や収益を保証するものではありません。在職中の活動は、勤務先のルールも別途確認してください。[11]
出典・参考情報を確認する
- [1] 中小企業基盤整備機構 J-Net21|業種別開業ガイド
- [2] 株式会社NIJIN|青野祥人さん公開インタビュー(2026年6月29日)
- [3] 株式会社NIJIN|森川陸さん公開インタビュー(2026年6月30日)
- [4] 日本政策金融公庫|創業計画の書き方
- [5] 中小企業基盤整備機構 J-Net21|起業マニュアル
- [6] 消費者庁|特定商取引法ガイド「特定継続的役務提供」
- [7] 消費者庁|特定商取引法ガイド「通信販売」
- [8] 個人情報保護委員会|個人情報保護法ガイドライン(通則編)
- [9] こども家庭庁|こどもの安全
- [10] こども家庭庁|こども性暴力防止法
- [11] 株式会社NIJIN|星野起業塾・プログラムと募集要項
- [12] Unsplash|License
情報確認:2026年9月19日。株式会社NIJINが制作する解説記事で、同社の教育事業と関係者の公開インタビューを実例として紹介しています。本文の企画例・手順・試算・確認項目は、検討を進めるための編集上の提案です。統計調査や収益の実績ではありません。制度・募集条件は変更される場合があります。個別の許認可、契約、税務・社会保険、安全管理等は、所管窓口や専門家へ確認してください。

