教育スタートアップとして海外展開
このたび、総務省の「2026年度デジタルインフラ海外展開支援事業(安全性・信頼性を確保したデジタルインフラの海外展開支援事業)」に、NIJINとして応募しました。教育の海外展開——私たちにとって、新しく、そして大きな挑戦の入口です。応援してくださっている皆さんに、提案書とスライドに込めた想いを、社長日記でもしっかりお伝えしたいと思います。
総務省事業の詳細はこちらです。
https://jpd3.jp/hot-topics/overseas-expansion-support-business-2026/
なぜ、教育の海外展開に挑むのか
NIJINは「教育問題を、誰のせいにもせず、仕組みから解決する」会社です。日本国内では、不登校の子どもたちに学びの場を届けるNIJINアカデミーをはじめ、学校現場の先生方を支える事業にも取り組んできました。
けれど、目を世界に向けると、現実はもっと深刻です。学校に通えていない子どもが、約2億2,500万人。学校に通えていても、満足な教育を受けられていない子どもが、10億人以上いると言われています。
教育が届かないとき、その先に待っているのは、犯罪、テロ、紛争、人身売買や売春——本人の力では抗えない悲劇です。「教育を受けられなかった」という一点が、その後の人生を、社会を、こんなにも大きく変えてしまう。
だから私は、本気で信じています。すべての子どもたちに温かい教育を届けることは、そのまま世界平和につながる、と。

提案書に込めた想い
今回応募した事業は、日本のデジタルインフラ・デジタルソリューションを海外に展開することを後押しするものです。総務省が主催し、ローカル・スタートアップ枠で約15件が採択される予定です。
私たちはこの枠で、NIJINが日本で積み上げてきた「学びを止めない仕組み」——授業、学習設計、子どもとの関わり方——を、海外の子どもたちにも届けるための一歩を踏み出したいと提案しました。
もちろん、日本のやり方をそのまま持ち込んで通用するほど、海外は甘くないと思います。それでも、現地で実際に授業を行い、子どもたちの目の色が変わっていく瞬間を見ることには、計り知れない意味がある。そう確信しています。机上の構想ではなく、現場で証明していきたい。提案書には、そんな決意を書きました。

最終ゴールは「1,500億円ファンド」構想
少し大きな話に聞こえるかもしれませんが、私には長期で描いている絵があります。最終的には1,500億円規模のファンドを組成し、その運用益を原資に、毎月2万円を3万人の日本のご家庭に無償で配布する。そのお金で、NIJINの教育を実質無償で受けられる——そんな世界をつくりたいと思っています。
家庭の経済状況によって、子どもの学びが左右されない。学校に行けていてもいなくても、温かい教育に手が届く。日本の中でこれを実現することと、世界の子どもたちに教育を届けることは、私の中では一本の同じ線でつながっています。
↓1500億円ファンド構想はテレビ朝日BooSTARでも詳しくお話しています
未熟者ですが、本気で挑みます
正直に書きます。私はまだまだ未熟者です。海外で事業を成功させた経験はありません。それでも、一人の起業家として、この挑戦から逃げたくないと思っています。
だからこそ、皆さんの力を貸してください。海外展開や教育事業に関する情報をお持ちの方、ぜひ教えてください。応援してくださる方がいたら、本当にうれしいです。そして——「海外事業を一緒にやりたい」と思ってくれるチャレンジャーが、NIJINの採用に応募してくれたら、これ以上心強いことはありません。
結果がどうなるかは、まだ分かりません。それでも、応募した時点で見えてきた景色を、皆さんと共有したくて、この社長日記を書きました。引き続き、応援していただけたらうれしいです。
オンラインワールドスクールの事業責任者も募集しています→https://nijin.co.jp/recruit/
以下、提案書から抜粋して記載します。
◆事業の内容について
株式会社NIJINが日本国内で運営する不登校オルタナティブスクール「NIJINアカデミー」のデジタル教育インフラを、マレーシア(主軸)・フィリピン(補完)へ展開するための案件発掘・案件形成に取り組む。
当社の最大の差別化は「先生を育てるエコシステムを内製化」している点にある。日本最大級の教師団体「授業てらす」を運営し、独自のオンライン教員研修プログラムを累計1,200名以上の教員に実践、効果実感96%を達成。
これにより「公教育を持ち運び可能」にし、これまで学校に行かなければ享受することが難しかった社会性(友達)、運動、基礎学力、対話・コミュニケーションを、どこからでも受けられるようにした。日本国内では、希望生徒の97%が在籍校の出席認定を獲得し、全国43都道府県から累計800名超の児童生徒が学んでいる。
本事業期間中は、マレーシア・フィリピンにおいて、現地教育省・州教育局・私立学校・インター校等を対象とした実態調査、現地適合性検証(PoC)、教育データ管理・法令適合性の確認、現地パートナーとの覚書(MOU)締結を通じ、翌年度以降の本格展開に直結する案件形成基盤を構築する。
◆進出する国・地域の妥当性(マレーシア、フィリピンを選んだ理由)
主軸:マレーシア、補完:フィリピン。両国は教育デジタル化投資が顕著な一方、教員不足・教員の質に共通課題を抱え、当社の「オンライン教員研修(累計1,200名・効果実感96%)×持ち運び可能な公教育」モデルが直接効く。
マレーシアは2025年度国家予算でデジタル経済に172億リンギ(約6,000億円)、デジタル人材育成に31.9億リンギ(約1,100億円)を計上。マレーシアは教育デジタル化を国家戦略の柱に据えており、民間EdTech事業者の参画が政策的に推奨されている。オンライン教育市場は2028年に21億ドル(CAGR16.4%)、関心60%に対し登録15%の需要ギャップが存在。後期中等の校外児童率12%、地方部ドロップアウト率4.67%と教育格差も深刻で、教員偏在の影響を受ける。
当社は2025年にマレーシアの中学校と姉妹校契約を締結し、オンラインでの国際交流を重ねてきた。フィリピンは代表が2026年2月に渡航し、現地教育関係者と関係構築済み。7,000島超の地理的分散と教員不足から、遠隔型教育インフラと教員育成への需要が高い。両国とも英語が通用し日本式教育への信頼も高く、案件形成の即効性と第三国展開の波及性を両立する。
◆事業実施体制の妥当性
当社は「B2Cで顧客獲得・有用性実証→B2Gで公費調達→B2B(企業共創)で収益拡大」の3段ロケット構造を採る。2026年度のPoCでは「家からでも双方向授業」「家からでも運動・友達づくり」「過疎地でも質の高い公教育」という当社モデルの有用性と教員研修プログラムの効果実感を、児童生徒・教員双方のデータで実証する。
これらのファクトを束ね、当社が国内で福山市教育委員会等の自治体と業務連携を重ねてきたB2G営業ノウハウを活かし、マレーシア教育省MOE・州教育局JPN、フィリピンDepEd・LGUへの提案を主軸に翌年度以降の受注に直結させる。価格モデルは本PoCの現地ニーズ・通信インフラ状況を踏まえ確定する。
さらに、姉妹校・現地教育関係者・現地ITパートナーで「ASEAN教育DX推進コンソーシアム(仮)」を本事業期間中に立ち上げ、月次運営会議・教育成果データ共有・教員研修の共同提供で伴走型支援を実装。各国教育デジタル化政策に整合した機能改善を現地と共同で行い、現地に根ざした持続可能な連携体制を構築する。
◆マレーシア・フィリピンの教育課題を解決するのか
【共通課題:教員不足・教員の質】
両国の固有ペインに対し、当社は「社会性(友達)・運動・基礎学力・対話/コミュニケーション」をどこからでも提供できるプラットフォームで実証的解決を提供する。1,200名超に効果実感96%を達成した教員研修プログラムを現地化し、教員育成と教育コンテンツ提供を同時に実装する。
【マレーシア】
(a)地方部ドロップアウト率4.67%・後期中等校外児童12%の教育機会格差→クラウド双方向授業で都市水準の公教育を地方へ届ける。
(b)競争激化に伴う学習離脱・心理的負荷→メタバース校舎が「心理的安全性あるサードプレイス」となり、日本で出席認定率97%・43都道府県800名超の実績を現地展開。
(c)DEP・MyDIGITAL「デジタル人材育成」要請→AI非認知能力可視化で政策目標に寄与。
【フィリピン】
(a)若年人口増による教室・教員不足→メタバース上でフルタイム学習環境を即時提供。
(b)7000島超の地理的分散→低帯域モードで脆弱な通信環境でも利用可能。
(c)非認知能力育成の遅れ→学習ログからAIが自動可視化し個別最適化を実現。
◆費用対効果の妥当性
従来の教育機会拡充手段(校舎建設・教員大量採用・外部評価ツール導入)と比較し、本ソリューションは圧倒的な費用対効果を実現する。
【建設費の劇的削減】
1校舎建設費は数億円規模、維持費も恒常発生するが、メタバース校舎は初期構築後の限界費用がほぼゼロ。SaaS型課金(児童生徒1名あたり月数百~数千円)で現地公的予算でも導入可能な水準に抑えられる。
【教員リソースの最適配分】
1名のトップ教員の双方向授業を多人数同時受講可能。さらに当社の教員研修プログラム(累計1,200名超・効果実感96%)を現地化することで、新規大量採用ではなく既存教員・市民の即戦力化により教員不足を解消する。
【評価コストの内製化】
高額な外部アセスメントツール不要。AIが日常学習・コミュニケーションログから非認知能力を自動可視化し、追加コストなしで個別最適化・キャリア支援を実現。
【既存インフラ活用】
マレーシアの学習者70%以上がモバイル受講しており、新規ハードウェア整備なしに導入可能。日本国内43都道府県・累計800名超の運用実績と出席認定率97%により、初期投資の妥当性と継続利用率は既に立証済みである。

