子どもの主体性は、
学校だけで育てるものではない。
2025年10月27日、公益社団法人相模原青年会議所の10月第1例会 「地域でつくる子どもの未来 ~主体性を育むまちへ~」が、 相模原市立産業会館で開催されました。 株式会社NIJIN代表・星野達郎は、相模原市長・本村賢太郎氏、 相模原青年会議所理事長・八木貴弘氏とのパネルディスカッションに登壇。 子どもの居場所づくり、主体性、自己肯定感、 そして行政・企業・地域が教育に関わる意味について議論しました。 最後には、星野が「主体性・自己肯定感を育む地域の関わり」をテーマに講演しました。
10月27日
10月第1例会
産業会館
子どもの未来
THREE PERSPECTIVES
行政、地域、教育。
3つの立場から子どもの未来を考える。
この日の特徴は、教育関係者だけで教育を語る場ではなかったことです。 市政を担う行政、地域活動を続ける青年会議所、 そして学校の内外で教育事業をつくるNIJIN。 立場の異なる3者が、「子どもの居場所」と「主体性」という一つのテーマを囲みました。
相模原市長。家庭・学校に加えて「第3の居場所」を地域とともにつくる必要性や、 子どもの自己肯定感を高めることの重要性を提示しました。
相模原青年会議所2025年度理事長。 上溝公民館で実施した「みんなのホットステーション」などを例に、 地域全体で子育てする機運を広げたいと語りました。
株式会社NIJIN代表。 不登校の子どもたちとの実践から、 多様性・主体性・選択性を土台にした教育と社会共創について伝えました。
ONE CHILD, ONE ENCOUNTER
子どもを変えたのは、
「すごいね」と言ってくれた社会人だった。
パネルディスカッションで星野が紹介したのは、 NIJINアカデミーに通う一人の子どもの事例でした。 構音障害があり、言葉でのコミュニケーションに難しさを抱えていたその子は、 学校では自分の力を評価されにくく、自信を失った状態でNIJINアカデミーへ入学しました。
話すことの難しさから、自分の思いや能力を十分に伝えられずにいました。
ソフトバンクのイベントで、スマートフォンの読み上げ機能を使って発表しました。
社員から評価された経験をきっかけに自信を深め、 その後はリアルな場へも参加し、自ら親子イベントを企画するまでになりました。
地域、企業、社会のどこかに、その子の価値を最初に見つけてくれる人がいればいい。
WHAT TAKES AWAY AGENCY?
子どもは最初から主体的。
その主体性を失わせる環境がある。
星野は、子どもの主体性が育たない理由を 「本人にやる気がないから」とは捉えていません。 生まれたばかりの子どもは、触りたいものに手を伸ばし、 知りたいことを確かめ、何度失敗しても動き続けます。 その主体性が成長とともに弱くなる背景に、 教育環境の3つの性質があると整理しました。
同質性
同じ年齢、同じ地域、同じ時間、同じ場所。 違うことより、周囲と同じであることが求められやすい環境。
基準性
誰かが決めた基準で評価されることで、 自分が大切にしたい価値より「正解」を優先するようになる。
非選択性
何を、誰と、どこで、どう学ぶかを自分で選ぶ機会が少なく、 指示を待つ状態になっていく。
大人が主体性を「与える」のではありません。 子どもがすでに持っているものを見つけ、 本人が決めたことを応援し、背中を押す。 星野がこの日伝えたのは、主体性を育てるというより、 主体性が発揮される環境をつくるという考え方でした。
THE THIRD PLACE
家庭と学校だけではない。
地域に「第3の居場所」を。
本村市長が示したのは、 家庭と学校に加えて、子どもが安心して過ごせる「第3の居場所」を 地域の中につくっていく必要性でした。
これは制度の話だけではありません。 相模原青年会議所も2025年、上溝公民館を拠点に 「みんなのホットステーション」を継続的に実施。 子どもたちが地域の人と活動し、安心して過ごせる場を実際につくってきました。
学校では見つからなかった得意が、 公民館では見つかるかもしれない。 教師には見せなかった表情を、 地域のお店の人には見せるかもしれない。 企業の社員との出会いで、初めて自信を持てることもあります。
FROM ACTION TO SYSTEM
「教育は学校がつくるもの」から、
「社会みんなでつくるもの」へ。
この日の議論では、NIJINが自治体と進める不登校支援や、 企業・地域との共創事例も紹介されました。 行政だけ、学校だけ、民間だけで全てを解決しようとするのではなく、 それぞれが持つものを教育へ持ち寄る。 NIJINが「教育共創」と呼んでいる考え方です。
星野は、地域から始まった実践が実績となり、 やがて行政の制度や予算へつながっていく可能性にも触れました。 最初から制度ができるのを待つのではなく、 まず目の前の子どものために動き、価値を証明していく。 地域だからこそ始められる教育があります。
子どもに今、何が足りないのかを考える。
学校外の人や場所を使い、実際の場をつくる。
行動した結果を積み重ね、価値を証明する。
行政・企業とつなぎ、継続できる形へ変える。
WATCH THE TALK
星野達郎の講演を、
動画で見る。
「主体性・自己肯定感を育む地域の関わり」をテーマに、 星野達郎が地域と教育、子どもの主体性について語った講演をご覧いただけます。
EVERYONE CAN BE AN EDUCATOR
教員免許がなくても、
誰しもが教育者になれる。
子どもの人生を変える出会いは、 必ずしも学校の中だけで生まれるわけではありません。 仕事を見せてくれる企業の人。 挑戦を面白がってくれる地域の大人。 場所を開いてくれる公民館。 新しい仕組みをつくる行政。
教育を学校と教師だけに閉じず、 社会にいる一人ひとりが子どもの可能性を信じ、関わる。 その人との出会いが、子どもにとって 「自分にもできる」と思える最初のきっかけになるかもしれません。
学校の外まで、
子どもの学び場に。
星野達郎は、不登校支援、地域教育、社会共創、主体性、 心理的安全性など、教育現場と事業の実践をもとに 自治体・企業・学校・地域団体で講演しています。

