株式会社NIJINは、東京都が主催する「NEXs Tokyo 連携事業創出プログラム」第7期に採択されました。応募総数123件から選ばれた受講企業は10社。NIJINは、東京発のスタートアップが全国各地へ事業を広げる「JUMP」コースに入り、自治体・企業・地域の支援機関と、新しい教育連携モデルをつくる5カ月間へ進みました。
全国展開・首都圏での事業加速を目指すスタートアップが応募
DIVE 5社とJUMP 5社が第7期プログラムへ
東京から全国へ、教育の連携事業創出に挑戦
このプログラムの特徴は、スタートアップだけを育てることではありません。全国の自治体、企業、金融機関、支援機関、専門家などをつなぎ、地域や業界を越えた「連携事業」を実際に生み出すことが目的です。
この記事では、NEXs Tokyoという名称、JUMPとDIVEの違い、NIJINが全国展開コースへ採択された意味、当時すでに存在していた事業実績、5カ月で目指した自治体・企業との共創、同期10社を紹介します。
NEXs Tokyoとは?「つながり」そのものを事業資源にする
NEXs Tokyoは、東京都が運営する地域連携型のスタートアップ支援事業です。国内外への広域展開を目指すスタートアップと、自治体、大企業、金融機関、投資家、専門家などをつなぎ、業種・業界・地域の壁を越えたイノベーションを支援します。
人・事業・組織がつながる結節点
一社ではなく、関係者全体で育てる環境
地域や業界を越えて生まれる多様な掛け合わせ
東京を起点に全国・世界へ事業をつなぐ
東京都の公式説明では、オンラインサロンで地域を越えた「連携の幅」を広げ、丸の内のコミュニティスペースで対面しながら「連携の深度」を深める仕組みが示されています。単発の商談会ではなく、関係性をつくり、具体的な事業へ進むためのコミュニティです。
二つの進路「DIVE」と「JUMP」
東京都外に拠点を持つスタートアップが、首都圏の企業・投資家・支援環境へ「潜り込み」、事業を加速するコースです。
- 全国各地域から首都圏へ
- 販路・資金・企業ネットワークへ接続
- 首都圏エコシステムを活用した事業加速
東京都内に拠点を持つスタートアップが、東京から各地域へ「飛び出し」、全国での事業展開を実現するコースです。
- 東京から全国の自治体・企業へ
- 地域課題に合わせたモデル事業を創出
- 経済的・社会的インパクトを地域へ展開
NIJINが採択されたのはJUMPです。つまり、オンラインスクールの利用者を全国から集めるだけでなく、各地域の自治体や企業と組み、その土地に教育の選択肢を実装することがプログラムのテーマでした。
- 事業名
- NEXs Tokyo 連携事業創出プログラム 第7期
- 主催
- 東京都
- 受講企業発表
- 2024年5月30日
- 応募総数
- 123件
- 採択企業
- 10社(DIVE 5社/JUMP 5社)
- 株式会社NIJIN
- 東京発スタートアップによる全国展開コース「JUMP」
- プログラム期間
- 約5カ月間
- 目指す成果
- 全国・東京の地域やプレイヤーの枠を越えた連携モデル事業の創出
- 最終発表
- 2024年10月30日の第7期デモデー
採択は受賞ではなく、連携事業をつくるためのスタート
第7期への採択は、完成した成果への表彰ではありません。選考を通過した10社が、専属スタッフやパートナーとのマッチングを通じ、約5カ月で具体的な連携モデルをつくる参加資格を得たことを意味します。
採択時点ですでに、全国へ届いていたNIJINアカデミー
動いていた学校
2024年5月の採択発表時点で、NIJINアカデミーは開校から約8カ月。希望する生徒の9割以上が在籍校で出席認定を得ており、オンラインを使った全国型の教育モデルをすでに運営していました。
東京都の公式発表では、NIJINの事業を「不登校の子どもたちが自宅から日本最高峰の教育を受けられるメタバース小中学校」と紹介し、子どもへ「居場所」と「質の高い教育」を提供する事業として掲載しています。
全国に利用者がいることと、全国で事業を実装できることは同じではありません。自治体ごとの制度、学校との連携、地域の教育資源、企業が提供できる体験などを組み合わせ、その地域で継続する仕組みに変える必要があります。NEXs Tokyoは、その次の壁を越えるためのプログラムでした。
なぜNIJINはJUMPの対象になり得たのか
東京都は、株式会社NIJINについて個別の採択理由や審査点を公表していません。一方、JUMPが求める事業像と、採択当時のNIJINアカデミーを照らし合わせることで、制度との接点を整理できます。
株式会社NIJINは東京都に本社を置き、すでに全国の子どもへオンラインで教育を届けていました。
不登校支援は特定地域だけの課題ではなく、全国の自治体や家庭が向き合う教育課題です。
オンライン校舎を基盤に、自治体支援、地域教室、企業体験などを組み合わせられる設計でした。
教師だけでなく、行政、企業、地域の大人が教育へ参加することで、子どもの学びを豊かにできます。
自治体・企業との連携でつくる「地域教育ネットワーク」
NIJINが全国へ広げようとしたのは、同じオンラインスクールを各地へ複製することだけではありません。地域ごとの課題と資源をつなぎ、子どもが教育を選べるネットワークをつくることです。
地域の不登校支援、利用制度、公教育との接続を設計。
職業体験、探究テーマ、技術、場所、社会との接点を提供。
対面の居場所とオンライン教育を組み合わせる。
授業、研究、子どもの興味を深める専門知を届ける。
地域課題を把握し、必要な連携先と事業をつなぐ。
利用者の声を起点に、地域に必要な教育へ改善する。
これは、NEXs Tokyoが掲げる「地域・プレイヤーの枠を越えた連携モデル事業」と、NIJINが目指す新しい教育インフラが重なる部分です。
5カ月間の「連携事業創出スプリント」
NEXs Tokyoの公式ページでは、個別ハンズオン支援、交流機会、課題に応じたマッチング、地域の支援機関との連携が示されています。第7期は、採択から10月末のデモデーまで、次のような事業創出に取り組む期間でした。
どの地域の、誰の、どの教育課題を解決するのかを具体化。
自治体・企業と役割を分け、継続できる事業の形へ。
専属スタッフやコミュニティを通じ、必要な連携先へ接続。
地域制度、利用者ニーズ、導入方法などをすり合わせ。
デモデーで5カ月の連携成果と次の展望を発表。
第7期に採択された10社
第7期は、全国各地から東京へ入るDIVEと、東京から全国へ出るJUMPに5社ずつが採択されました。衣類、外国人雇用、都市DX、モビリティ、美容、食品製造、コンプライアンス、教育、副業、通信インフラなど、多様な産業のスタートアップが同じプログラムで連携事業を磨きました。
裏表・前後のない衣類によるユニバーサルデザイン。
特定技能外国人の雇用管理を支援するアプリ。
センサーと3次元データを用いた都市開発DX。
駐車するだけで充電できるワイヤレス充電技術。
遊休スペースとフリーランスセラピストのマッチング。
AI・ロボティクスによる食品加工の異物除去。
企業データを活用した取引先リスクの可視化。
メタバース小中学校を通じ、子どもへ居場所と質の高い教育を提供。
企業の副業事故防止とガバナンスを支えるプラットフォーム。
高速・高セキュリティーなMesh-VPN通信インフラ。
採択の先にある、第7期デモデー
全国へ事業を広げるとは、拠点数や利用者数を増やすことだけではありません。地域にいる人と課題を共有し、役割を分け、子どもへ継続して教育が届く仕組みをつくることです。
NEXs Tokyo第7期への採択によって、NIJINアカデミーは「全国から通える学校」から、「全国の自治体・企業とともにつくる教育インフラ」へ進む機会を得ました。

