
リモートでの勤務で、自分自身も成長できる
プロフィール 廣井 裕子(にけ)さん
1997年生まれ、埼玉県出身。大学卒業後、埼玉県川口市の公立中学校で4年間教諭を経験。生徒指導や外国籍生徒への対応など、現場で数々の教育課題に直面。子どもたちが自身の良さに気づき、希望を持てる教育のあり方を追求する。その中で、教員の労働環境を含めた国の教育を根本から改善していく必要性を痛感。その後、ピースボートで世界一周へと旅立ち、多様な教育観に触れる。帰国後、NIJINアカデミーの理念に深く共感し参画。現在はメタバース担任兼社会共創担当として、リモートで子どもたちの未来を広げる新たな教育のカタチを実践。
ー現在は、どのようなお仕事をされていますか?
主に、リモートでの勤務です。自宅でメタバース担任として全国の子どもたちと繋がりながら、企業連携やリアル校の開校支援にも携わっています。NIJINアカデミー以外の仕事もしています。女性の健康をサポートする仕事や学童での勤務、教員時代のご縁から非常勤講師を務めることもあります。NIJINアカデミーで働き始めてからは、日本語登録教員の資格も取得しました。自分自身も学び続けることのできる環境に感謝しています。
朝は企業連携やリアル校に関する打ち合わせの準備、日によっては朝活の授業から1日がスタート。リモートでは、通勤時間に追われることはありません。その時間を子どもたちとの関わりに充てられます。メタバースで体育やホームルームを行い、クラス会議を開いたり。子どもたちのプロジェクトに伴走したりもしています。その後、企業の方々や、全国でリアル校の立ち上げに挑戦したいという熱意ある方々との面談を重ねています。夕方からは別の仕事に取り組んだり、新しい知識を学んだりしています。自分自身の成長のための時間も大切にしています。

NIJINで実現する、自分が大切にしたかった教育のあり方
―NIJINで働く前は、何をされていたのですか?
私は、幼稚園から大学まで、先生や仲間に恵まれ、充実した学校生活を送ってきました。「いつか自分も子どもたちの成長を支えたい」と思い、中学生の頃からの夢だった埼玉県の中学校教員になりました。
教員になった時は、ちょうどコロナ禍でした。前例のない状況の中で、先輩方と試行錯誤を重ねながら授業や学校行事、学級経営に向き合う毎日。まっすぐな子どもたち、温かい保護者の方々に支えていただきました。授業や部活動など、一人ひとりの成長を間近で感じられる日々に、大きなやりがいを感じていました。
その一方で、膨大な書類作成や慣例として続く業務、疑問を感じる校則など、「もっと子どもたちの”ありたい姿”や”なりたい姿”に向き合う時間をつくれないだろうか」と葛藤することも増えていきました。また、私自身も学び、視野を広げたいという思いが強くなっていきました。
そんな中、家庭の事情も重なり、教員を退職しました。
ーNIJINで働こうと思ったきっかけはなんですか?
教員を退職し、状況が落ち着いた後、幼い頃から憧れていたピースボートで世界一周の旅へ出ました。世界中でさまざまな人と出会い、多様な価値観や生き方に触れました。「幸せとは何か」「自分はどんな人生を歩みたいのか」を何度も考える時間になりました。
実は、旅に出る前は「しばらく教育の世界からは離れよう」と思っていました。でも、私の心が一番動くのは、やっぱり教育でした。旅先で子どもたちと触れ合ったり、各国の教育に出会ったりするたびに、「私はこれからも子どもたちと共に生きていきたい。」その想いが改めて強くなりました。
帰国後はさまざまな教育機関を調べ、自分で教育事業を立ち上げることも考えました。そんな時に出会ったのが、NIJINアカデミーでした。
「すべての子どもたちには幸せになる力がある。そして、人を幸せにする力もある。」
この学校理念を目にした瞬間、心を強く揺さぶられました。子どもを”できる・できない”で評価するのではなく、一人ひとりの可能性を信じ、ありのままを受け止める。その姿勢は、教員時代に私がずっと大切にしたかった教育そのものでした。
私は教員を志した中学生の頃から、「子どもたちと共に成長できる存在でありたい」という想いを持ち続けています。NIJINアカデミーなら、その想いを理想ではなく現実として実践できる。そう確信し、もう一度教育の世界で挑戦することを決めました。
今も子どもたちと向き合う中で、私自身も挑戦し、学び、成長し続けています。子どもたちの可能性を信じることは、自分自身の可能性を信じ続けることでもあります。そんな毎日を、私は心から楽しんでいます。

肌で感じたオンライン×リアルの教育の可能性
―ニジンで働いて心動かされたエピソードを教えてください。
毎日子どもたちと関わる中で、忘れられない出来事が本当にたくさんあります。初めてリアクションをしてくれた時。勇気を出して声を出してくれた時。顔を見せてくれた時。そして「やってみたい」と企画に挑戦してくれた時。今回のインタビューを通して振り返る中でも、「こんなにもたくさんの成長の瞬間に立ち会わせてもらっていたんだ」と改めて感じました。
私の方が子どもたちから毎日たくさんの勇気とエネルギーをもらっています。
その中でも特に印象に残っているのが、はじめてリアルで子ども達に会うことができた修学旅行です。
最初、子供たちの表情はとても緊張していました。しかし、3日間を共に過ごす中で、お互いの得意なことも苦手なことも自然と認め合い、少しずつ絆を深めていきました。そんな姿を間近で見ることができました。
NIJINアカデミーの修学旅行は、子どもたち自身が企画・運営に関わります。さらに保護者の方々も一緒に支えてくださります。子どもだけでなく、ご家庭とも深くつながれる時間になります。
日を追うごとに子どもたちがたくましく成長していく姿に何度も胸が熱くなりました。そして最終日、保護者の方と涙を流しながら「この3日間、本当にありがとうございました」と言葉を交わしたことを今でも鮮明に覚えています。
子どもの成長は、一人の先生だけがつくるものではありません。子ども、保護者、そしてスタッフが同じ方向を向いて歩んだからこそ生まれた3日間だったと思います。
あの修学旅行は、一生忘れることのない経験です。オンラインとリアルの居場所の可能性を肌で感じることができました。

一人ひとりの可能性を心から信じ、自分自身も挑戦し続けられる
― 仕事のやりがいについて教えてください
実は、もともとはリアルな場で人と関わることが大好きなんです。自分が在宅ワークを中心に働くようになるとは想像もしていませんでした。でも実際に働いてみると、その印象は大きく変わりました。全国には、学校へ通うことが難しかったり、近くに居場所がなかったりする子どもたちや保護者の方がたくさんいます。在宅だからこそ、そうした方々と出会い、関われる世界がありました。また、以前は通勤に使っていた時間を、他の仕事や学び、自己投資に充てられるようになりました。自分自身の可能性も大きく広がりました。
私は昔から「やってみたい」と思うことがたくさんあるタイプです。企業との新しいプロジェクト、別の仕事、資格の取得、旅行。今は、自分らしく働き方を組み合わせられるのでとても充実しています。
そして、自分自身が挑戦し続けられる環境に身を置いているからこそ、良かったことがあります。以前より自信を持って子ども達と過ごせるようになったんです。また、校則や決まりに縛られることなく、一人ひとりの「その子らしさ」と向き合えるようになりました。
子どもたちの可能性を本気で信じているスタッフしかいないことも大きな活力になっています。「どうしたらこの子がもっと輝けるだろう」「こんな挑戦を一緒にしてみよう」と、前向きな会話が飛び交っています。その環境に身を置いていると、自然と私自身ももっと挑戦したい、もっと成長したいという気持ちになることができるんです。
一人ひとりの可能性を心から信じ、自分自身も挑戦し続けられる。それが、この仕事の一番のやりがいだと感じています。
― 仕事のむずかしさについて教えてください
NIJINアカデミーの仕事は、公立学校と比べて決して楽な仕事ではありません。むしろ、校則や前例に縛られないからこその難しさがあります。教師自身が「今、この子が本当に求めていることは何だろう?」と考え続けることが必要になるからです。また、担任をしながら並行して行う仕事もあります。企業との連携や、新しいリアル校の立ち上げといった、社会の中でも活躍できる力が求められる仕事です。正解が用意されている仕事ではないからこそ、自分自身も学び、挑戦し続ける必要があります。
さらに、NIJINアカデミーは毎月新しい子どもたちが入学してきます。一人ひとり違う背景や想いを抱えています。
その子との信頼関係をゼロから築き、一人ひとりの「ありたい姿・なりたい姿」を一緒に見つけていくことは簡単ではありません。
それでも、この仕事を続けたいと思っています。それは、子どもたちと真正面から向き合える環境があるからです。学校という枠組みや大人の評価を気にする必要はありません。一人の人として子どもたちと関われる。保護者の方とも深くつながれる。そして、一緒に子どもの成長を喜び合える。その積み重ねが何よりのやりがいです。
ーこれからニジンで挑戦したいことはなんですか?
私が挑戦したいことは、「自分なんて」と思ってしまう人を、ゼロにすることです。
子どもたちだけではありません。大人でも「自分には価値がない」「自分にはできない」「自分じゃなくたって」と思ってしまう人がたくさんいます。私は、すべての人が自分を好きになり、学ぶことを好きになり、社会とのつながりを楽しめる世の中をつくりたいと思っています。
そのために実現したいのが、産官学が連携し、社会全体が学びの場になる教育モデルです。
家庭や学校の中だけに学びの責任を押し付けるのではありません。企業、行政、地域、そしてさまざまな子どもや大人が自然につながり、未来に希望を持てる場を増やしたいと思っています。「こんな生き方もあるんだ」「自分はこんな選択をしたい」と思ってもらいたいです。
私自身、子どもたちが社会と出会った瞬間に大きく表情が変わる姿を何度も見てきました。だからこそ、教育と社会をもっと近づけることで、一人ひとりの可能性はさらに広がると信じています。
そして最終的に目指したいのは、すべての人や居場所がお互いの価値を認め合い、意見を交わしながら、新しい未来を創っていける社会です。
互いに線を引くのではなく、それぞれの強みを生かしながら共創する。その先に、全ての人が幸せに生きられる社会があると信じています。
教育は、学校だけでつくるものではありません。社会全体で子どもを育て、社会全体で学び続ける。そんな未来を、NIJINアカデミーから仲間たちと一緒に実現していきたいです。
一人ひとりの一歩が、教育を変える力になる
ー教育に携わっている読者の方にメッセージをお願いします!
私は学生時代から、「すべては子どもたちのために」という想いで歩んできました。自分の心と時間の全てを学校教育に向けることが子どもたちの幸せにつながると信じていたんです。今でも、子どもたちの笑顔のためにできることは全力でしたい、希望を持って自分らしく生きてほしいという願いは変わりません。
しかし、実際に現場で子どもたちと関わる中で気づいたことがあります。それは、「子どもたちから得るものの方が大きいこと」と「教師だって自分を大切に生きて良い」ということです。自分自身が笑顔で、挑戦を楽しんでいるからこそ、そのエネルギーは子どもたちに伝わります。そして、笑顔になってくれる。そのことを体感してきました。
私は、公立学校をはじめさまざまな教育機関で働く仲間を心から尊敬しています。それぞれの場所には大切な役割があり、どれも子どもたちにとって必要な居場所です。だからこそ、「何が正解か」を伝えたいわけではありません。
ただ、もし今の環境や働き方に少しでも違和感を抱いているなら、その気持ちを見ないふりはしないでほしいと強く願っています。
今の場所で、子どもたちに伝えている言葉に、自分自身も心から納得できていますか。
あなたの周りにいる大切な人は、笑顔で過ごせていますか。
あなた自身は、今、幸せですか。
子どもたちにさまざまな選択肢があるように、大人である私たちにも、働き方や生き方にはたくさんの選択肢があります。
もし心のどこかで「このままではいけない気がする」と感じている自分がいるなら、その小さな声を大切にしてください。そして、勇気を出して一歩踏み出してみてください。今いる環境から離れることは怖くて不安かもしれないです。でも、本音を見ないふりして自分では変わらない…そんな考え方が充満する世の中の方がずっと怖いと思うんです。
一人で世の中を変えることはできません。でも、一人ひとりの小さな小さな一歩が合わさって、教育を変え、社会を変え、この国の未来を変える大きな一歩になると、私は信じています。

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