株式会社NIJINは、2025年2月20日に開催されたICC FUKUOKA 2025の「ソーシャルグッド・カタパルト」で第4位に入賞しました。代表取締役の星野達郎が、不登校と教員の働き方という二つの教育課題を同時に変える「選べる教育」のモデルを、7分間のプレゼンテーションで発表しました。
審査員投票で21点を獲得
社会課題の解決に挑む事業者が登壇
教育モデルと社会的インパクトを発表
この記事では、ソーシャルグッド・カタパルトとはどのようなピッチコンテストなのか、ICC FUKUOKA 2025の結果、NIJINアカデミーが発表した教育モデル、プレゼンテーションで示した実績と今後の展望を詳しく紹介します。
ソーシャルグッド・カタパルトとは?
「ともに学び、ともに産業を創る。」を掲げるIndustry Co-Creation(ICC)サミットで開催される、カタパルトの一つです。
ICCサミットの「カタパルト」は、起業家や新規事業の責任者が、事業の構想・実績・成長可能性を7分間で発表するプレゼンテーション企画です。協業や資金調達など、新たなCo-Creation(共創)を生み出すことを目的としています。
その中でもソーシャルグッド・カタパルトは、教育、法律、地域活性化、海洋環境、高齢化など、社会課題の解決へ挑む事業が集まるセッションです。ICC FUKUOKA 2025では、第一線で活動する審査員を前に、13名のプレゼンターがそれぞれ7分間の発表を行いました。
- イベント名
- Industry Co-Creation(ICC)サミット FUKUOKA 2025
- 開催期間
- 2025年2月17日〜2月20日
- メイン会場
- ヒルトン福岡シーホーク
- セッション
- Session 11A「ソーシャルグッド・カタパルト – 社会課題の解決への挑戦 –」
- 開催日時
- 2025年2月20日
- 登壇者数
- 13名
- 発表時間
- 1名につき7分間
- 主催
- ICCパートナーズ株式会社
ICC FUKUOKA 2025 ソーシャルグッド・カタパルトでNIJINが4位
発表テーマは「自分に合った“選べる教育”で、不登校と教員の働き方、両方の課題を解決する」。オルタナティブスクール「NIJINアカデミー」の社会性と事業性を伝えました。
審査員投票の結果、公共訴訟による社会変革に取り組む一般社団法人LEDGEが36点で優勝しました。NIJINは、地域づくりに取り組むNEWLOCAL、海の生態系回復に挑む北三陸ファクトリーに続き、第4位となりました。
公共訴訟によって社会の不合理を変える
地域リーダーと持続可能なまちづくり事業をつくる
ウニ再生養殖技術で海の生態系を回復する
選べる教育で、不登校と教員の働き方を変える
シニアが無理なく働ける組合モデルをつくる
1分動画でソーシャルグッドを若年層へ伝える
発表テーマは「自己肯定感を取り戻す教育」
ICCの公式記事に掲載されたプレゼンテーションタイトルは、「自己肯定感を取り戻す教育で、不登校の課題を解決するハイブリッド小中学校『NIJINアカデミー』」です。
星野は、不登校になった子どもを「学校へ戻すこと」だけを目標にするのではなく、子どもに合う教育モデルへ変える必要があると訴えました。プレゼンでは、同じ年齢・地域で構成される「同質性」、一律の目標やルールで測る「基準性」、学び方を選びにくい「非選択性」を、従来型教育が抱える構造上の課題として提示しました。
その反対にNIJINアカデミーが教育の土台としているのが、「多様性」「主体性」「選択性」です。学校に合わない子どもが自分を責めるのではなく、教育のほうを一人ひとりに合わせる仕組みをつくっています。
多様性
年齢、地域、特性、興味の違いを前提に、異なる背景を持つ仲間と学べる環境をつくります。
主体性
子どもを管理の対象にせず、やりたいことや決めたいことを尊重し、挑戦を支えます。
選択性
授業、通学方法、活動、学ぶ順番を一律にせず、自分に合った学び方を選べるようにします。
不登校と教員の働き方を同時に変える4つの仕組み
メタバース校舎と全国のリアル教室
心理的安全性の高い自宅から学べるメタバース校舎を本校とし、地域の特色を生かしたリアル教室を組み合わせています。
教師力を生かした選べる授業
自社の教師コミュニティ「授業てらす」と連携。現役教員による対話的な授業や、学び直し・先取り学習を届けています。
企業・行政・地域とつくる教育
家事、キャリア、商品・サービス提案など、企業や地域と連携した実社会の学びを通して、子どもと社会をつなぎます。
慈善ではなく、持続可能な教育事業
家庭から学費を受け取るシンプルな事業モデルにより、社会性と経済性を両立し、全国へ広げられる教育インフラを目指します。
プレゼンテーションで示した実績
星野は、理念だけではなく、子どもの変化、学校との連携、事業の成長、教師採用の仕組みを具体的な数字で示しました。
※上記はICC FUKUOKA 2025のプレゼンテーション内で紹介された、2025年2月当時の数値です。
出席認定率97%は、学びの記録をポートフォリオとして在籍校へ共有し、学校との連携を積み重ねた結果です。また、毎月200名以上の教員応募から合格率3%で教師を選ぶ仕組みは、子どもの個性を輝かせる教師力と、教員が働き方を選べる環境を同時につくるものとして紹介されました。
変えるべきなのは、子どもではなく教育モデル
プレゼンでは、学校へ通い続ける中で心身が疲れ、自分を責めていた一人の生徒が、NIJINアカデミーで仲間や挑戦の機会を得て、学園祭の実行委員長や企業でのプレゼンテーションに取り組むまでの変化が紹介されました。
変わったのは、本人ではなく、本人を取り巻く教育モデルでした。
ICCサミットで生まれた17の共創
NIJINは、「共創ステークホルダーの数は教育の多様性」と考えています。教師だけで教育を完結させず、企業、行政、地域、保護者、子どもがそれぞれの強みを持ち寄ることで、社会全体を学び場へ変えていく構想です。
星野はプレゼンの最後に、ICC FUKUOKA 2025の会期中2日間で、すでに17の共創が決まったと報告しました。そして、「共創で、この国の未来に希望を」というメッセージで、教育づくりへの参加を呼びかけました。
4位入賞から広がり続けるNIJINアカデミー
ソーシャルグッド・カタパルトへの登壇後も、NIJINアカデミーはオンラインとリアルを組み合わせた学びを全国へ広げています。2026年7月時点の公式サイトでは、累計入学者数900名超、出席認定率97%、リアル教室42か所、保護者満足度98%と掲載されています。
※数値は2026年7月時点のNIJINアカデミー公式サイト掲載情報です。プレゼンテーション当時の数値とは時点が異なります。
「不登校支援」から、誰もが選べる教育インフラへ。
NIJINが目指すのは、学校に行けない子だけの選択肢をつくることではありません。どの子どもも、自分の個性、興味、生活、将来に合った教育を選べる社会です。公教育の機能を場所から解放し、教師、企業、自治体、地域とともに、学校に並ぶ新しい教育インフラをつくっていきます。

