非常勤講師は、全国の公立学校の教育現場を支えている、大切な働き方のひとつです。授業のコマ数に応じて報酬が決まり、部活動や校務分掌の負担が少ないぶん、常勤にはない時間の自由度があります。その一方で、雇用期間が区切られていたり、配属される学校や時期によって収入が変動したりと、事前に知っておきたい注意点もあります。
この記事では、非常勤講師の仕事内容・給料相場・常勤との違いを、公的データにもとづいて整理します。そのうえで、「このまま非常勤講師を続ける」「常勤登用を目指す」「教育に軸足を置いたまま働き方を変える」「教育の外に出る」という4つの選択肢を、それぞれのメリットと慎重に考えたい点とあわせて紹介します。この記事は、NIJINアカデミーの先生という働き方の実例を含む記事です。
この記事でわかること
結論:非常勤講師と、そのほかの働き方を比較する
まず結論からお伝えします。非常勤講師には「コマ数に応じた収入」「時間の自由度」というメリットがある一方、常勤に比べて雇用が不安定になりやすい面もあります。焦って結論を出す前に、ご自身の状況に近いものがどれかを確認してみてください。
| 働き方 | 雇用形態 | 給与の決まり方 | 社会保険 | 向いていそうな人 |
|---|---|---|---|---|
| 非常勤講師 | 会計年度任用職員(非常勤) | コマ給(授業1コマごと) | 条件を満たせば加入(後述) | 時間の融通を利かせたい人、まず授業経験を積みたい人 |
| 臨時的任用教員 | 会計年度任用職員(フルタイムに近い) | 月給制(常勤に準じる) | 条件を満たせば加入 | 学級担任など常勤に近い形で働きたい人 |
| 正規教員 | 常勤(無期) | 月給制 | 加入(共済組合) | 長期的に同じ学校・地域で勤め続けたい人 |
| NIJINアカデミーの先生 | 業務委託(正社員登用ルートあり) | 完全ジョブ型(月74,000円〜550,000円) | 業務委託のため個人加入が基本 | 教育に関わり続けながら、働く場所・時間を自分で選びたい人 |
出典:千葉県教育委員会「講師等の給与について」(更新:令和8年3月25日)https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/syokuin/saiyou/koushi/taiguu.html/NIJINアカデミーの先生 募集ページhttps://nijin.co.jp/recruit/nijinacademy-teacher/
なぜ非常勤講師という働き方があるのか——データで見る背景
非常勤講師という働き方が広がっている背景には、公立学校の「教師不足」があります。文部科学省が令和8年3月5日に公表した「令和7年度『教師不足』に関する実態調査」(調査時点:令和7年5月1日)によると、全国の公立学校における教師不足率は次のとおりです。
この調査では、小学校の学級担任の雇用形態別の内訳も示されています。正規教員が87.22%(234,629人)を占める一方、臨時的任用教員が10.92%(29,364人、うち産休・育休の代替が13,196人)、再任用教員(フルタイム)が1.77%(4,762人)となっています。つまり、
用語の整理:「臨時的任用教員」は、産休・育休の代替などで学級担任を任されることが多く、勤務時間・職務ともに常勤に近い働き方です。一方「非常勤講師」は、授業のコマ数に応じて勤務する、より時間の融通が利く働き方で、学級担任を持つことは少ないのが一般的です。どちらも「正規教員ではない」という点は共通しますが、働き方の実態は異なります。
教師不足の背景には自治体ごとの差もあります。以前の調査(文部科学省、令和3年度時点の集計)では、教員の充足率は自治体によって大きく異なり、東京都104.5%に対し沖縄県は82.3%(約5.8人に1人が非正規)と報じられています。学級担任・非正規の比率が10%を超える自治体が全国に複数あることも指摘されており、地域による差が大きいテーマです。
出典:文部科学省「令和7年度『教師不足』に関する実態調査」(公表:令和8年3月5日)https://www.mext.go.jp/content/20260302-mxt_kyoikujinzai01-000047773_1_1.pdf/教育新聞「非正規教員、自治体間で差」https://www.kyobun.co.jp/news/20220516_06/

非常勤講師とは?常勤との違い
非常勤講師とは、公立学校において、授業のコマ数を基準に任用される非正規の教育公務員(会計年度任用職員)です。多くの自治体で、教科の授業や、少人数指導・専科指導などを担当します。学級担任や部活動顧問を任されることは少なく、校務分掌(校内の役割分担)の負担も常勤より軽い場合がほとんどです。
千葉県教育委員会が公表している令和8年3月25日更新の資料では、会計年度任用職員(講師)の給与水準の目安として、次のような数字が示されています。
| 臨時的任用教諭(初任給) | 月給306,795円(週38時間45分勤務) |
|---|---|
| 会計年度任用職員(小中学校) | コマ給3,230円/時間、または月給213,800円(週5日・29時間勤務) |
| 会計年度任用職員(特別支援学校) | コマ給3,330円/時間、または月給220,500円(週29時間相当) |
| スクールサポートスタッフ | 時給1,140円 |
| 育児短時間任期付職員 | 月給112,161円(週14時間10分勤務) |
| 育児休業任期付職員 | 月給306,795円 |
出典:千葉県教育委員会「講師等の給与について」(更新:令和8年3月25日)https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/syokuin/saiyou/koushi/taiguu.html
給与水準は自治体・職種・勤務時間によって異なります。上記は一例であり、実際の待遇はお住まいの自治体の教育委員会にご確認ください。
常勤との違い(早見表)
| 項目 | 非常勤講師 | 常勤(正規・臨時的任用) |
|---|---|---|
| 給与 | コマ給(授業時間に応じる) | 月給制 |
| 勤務時間 | 担当コマ中心。比較的短時間 | フルタイム(週38時間45分程度) |
| 学級担任 | 持たないことが多い | 持つことが多い |
| 部活動顧問 | 基本的になし | 担当することが多い |
| 校務分掌 | 負担が軽い | 負担がある |
| 雇用期間 | 年度単位など、区切りがある | 正規は無期/臨時的任用は期間の定めあり |
タイプ分け・セルフチェック
非常勤講師としての今の働き方について、次のうちどれに近いか確認してみてください。
今の働き方に前向きな要素がある人
- 時間の融通が利くことを積極的に活かせている
- 授業や生徒との関わり自体にやりがいを感じている
- 収入の変動があっても、今の生活設計と大きくズレていない
慎重に考えたい要素がある人
- 雇用期間の区切りや収入の不安定さが、生活の不安につながっている
- 常勤への登用試験の情報が少なく、見通しが立てにくい
- 心身の疲れが強く、まず休養や相談が必要だと感じる
強い不安・不眠・気分の落ち込みが続く場合は、一人で抱え込まず、厚生労働省の「こころの耳」など専門の相談窓口(https://kokoro.mhlw.go.jp/)や、お住まいの自治体の相談窓口にご相談ください。この記事の内容は一般的な情報提供であり、医療・心理的なアドバイスに代わるものではありません。
非常勤講師のメリット・慎重に考えたい点
メリット
- 担当コマ数を基準にした勤務のため、時間の融通が利きやすい
- 部活動顧問や学級担任の負担がない(少ない)ことが多い
- 教科・専門を活かして、授業そのものに集中できる
- 複数の学校や仕事と掛け持ちしやすい
慎重に考えたい点
- 雇用期間が年度単位など、区切られていることが多い
- コマ数によって収入が変動し、長期休業期間中は収入が減ることがある
- 勤務先(自治体・学校)が変わりやすく、環境の変化が続くことがある
- 正規登用の情報や機会が、自分から探しにいく必要がある場合が多い
良い面も、慎重に考えたい点も、勤務する自治体や学校、担当教科によって差があります。ご自身の契約条件(雇用期間・コマ数・給与の計算方法)は、必ず任用元の教育委員会に個別で確認することをおすすめします。

社会保険・雇用保険はどうなる?
非常勤講師(会計年度任用職員)の社会保険は、勤務時間や賃金の条件によって加入の可否が決まります。一般的な目安として、次のような条件が案内されています(自治体・年度により異なる場合があります)。
共済組合(健康保険)・厚生年金の加入条件の目安
- 週の所定労働時間が20時間以上であること
- 月額賃金が88,000円以上であること
- 雇用(任用)見込みが2か月を超えること
- 学生でないこと
雇用保険の加入条件の目安
- 任期が31日以上見込まれること
- 週の所定労働時間が20時間以上であること
出典:富山県「会計年度任用職員の社会保険等について」(令和5年3月現在)https://www.pref.toyama.jp/documents/15652/shakaihoken.pdf
社会保険・雇用保険の適用条件は、自治体や年度、勤務条件によって異なります。この記事は一般的な情報提供であり、個別の加入可否を保証するものではありません。正確な内容は、任用元の教育委員会・共済組合、または社会保険労務士にご確認ください。
迷ったときに、まず試せること
「辞める」「続ける」を決める前に、まず試せることがあります。焦って結論を出さず、ひとつずつ確認してみてください。
- 今の契約条件を書き出す:雇用期間、コマ数、給与、社会保険の加入状況を、一度紙やメモに整理してみましょう。
- 常勤登用試験の情報を確認する:お住まいの自治体の教育委員会に、臨時的任用や正規登用の道筋(採用選考の特別枠など)があるか問い合わせてみましょう。
- 信頼できる人に話す:同僚、家族、以前の同僚など、状況を知っている人に率直に話してみることも、判断材料になります。
- 教育以外・教育に関わる別の働き方も、情報だけ見てみる:すぐに動かなくても、選択肢を知っておくこと自体に意味があります。
先にある3つの道
非常勤講師としての今後を考えるとき、大きく分けて3つの方向性があります。それぞれのメリットと、慎重に考えたい点を紹介します。
道① 今の働き方を続ける・常勤登用を目指す
非常勤講師としての経験を積みながら、常勤(臨時的任用・正規)への道を探る方向性です。自治体によっては、勤務実績を踏まえた採用選考の特別措置がある場合もあります。教科・校種の専門性を高めつつ、教育委員会の採用情報を定期的に確認することが第一歩になります。
向いていそうな人
- 今の勤務地・教科でのキャリアを積み上げたい人
- 常勤登用の情報収集を積極的にできる人
慎重に考えたい人・点
- 採用試験の情報や倍率は自治体差が大きく、見通しが立てにくいことがある
- 常勤化すると、部活動顧問や校務分掌など、負担が増える面もある
道② NIJINアカデミーの先生——教育に軸足を残して、働き方を変える
「授業や子どもと関わることは続けたいけれど、雇用の不安定さや、勤務地・時間の制約から離れたい」という方には、NIJINアカデミーの先生という選択肢もあります。NIJINアカデミーは、不登校の子どもたちを対象としたオンラインフリースクールで、教育の専門性を活かして完全在宅・フルリモートで働ける環境です。
| 働く場所 | 完全在宅・フルリモート |
|---|---|
| 働く時間 | フルフレックス(必須の定例は週1回、水曜12:00〜13:30の職員会議のみ) |
| 雇用形態 | 業務委託(正社員登用ルートあり) |
| 報酬 | 完全ジョブ型・月74,000円〜550,000円 |
| 教員免許 | 募集要項に必須資格としての明記なし |
出典:NIJINアカデミーの先生 募集ページhttps://nijin.co.jp/recruit/nijinacademy-teacher/

選考の流れ
- 応募:募集ページから応募します。
- グループ面接:オンラインで実施されます。
- オンライン実習(約1か月):実際の業務を体験しながら、適性を確認します。
- 最終面接:オンラインで実施され、内定に至ります。
先生の声
羽鹿(はじか)さん
公立小中学校で8年勤務。最後の勤務校では初任者育成を担当し、上越教育大学教職大学院へ進学。現在はNIJINでクラス担任・校舎長・広報を兼任
公立学校での経験を経て大学院で学び直したのち、NIJINアカデミーでクラス担任と校舎長、広報を担っています。卒業式でメタバース空間から参加していた生徒が、その後リアルの場に登壇するまでの変化に立ち会った経験を、インタビューで語っています。インタビュー記事を読む
やこたんさん
特別支援学校教員として13年勤務。現在はNIJINアカデミー青森浪岡校の教室長兼専任サポート
特別支援学校での経験を活かし、「孤独の中にいる子どもの本来の力に『わお!』と驚ける仲間を増やしたい」という思いで、NIJINアカデミーで教室長兼専任サポートを務めています。インタビュー記事を読む
向いていそうな人
- 教育への専門性・情熱を、勤務地や時間の制約なく活かしたい人
- 子ども一人ひとりと、じっくり向き合う働き方をしたい人
- オンラインでの授業・関わりに前向きな人
慎重に考えたい人・点
- 業務委託契約のため、社会保険は基本的に個人での加入・手続きが必要
- 対面での指導が中心だった方は、オンラインでの関わり方に慣れる期間が必要な場合がある
教育への想いを、雇用形態の不安に閉じ込めなくていい。
NIJINアカデミーの先生という選択肢を見てみませんか。
道③ 教育の外に出るという選択
これまで培ってきた「説明する力」「人前で話す力」「計画を立てて実行する力」「一人ひとりに合わせて対応する力」は、教育以外の仕事でも評価される力です。企業研修、人材育成、EdTech企業、教材制作など、教育での経験を土台にしたキャリアの選択肢もあります。焦らず、これまでの経験を棚卸しすることから始めてみてください。
向いていそうな人
- 教育の枠を離れて、新しい環境に挑戦してみたい人
- 教育で培った力を、別の形で活かしたい人
慎重に考えたい人・点
- 未経験分野への転職では、準備期間や情報収集が必要になることが多い
- 「教育に関わりたい気持ち」が実は残っている場合、道②も選択肢に入れて比較検討することをおすすめします
決め方:自分に問いたい5つのこと
3つの道のうち、どれが自分に合っているか迷ったときは、次の問いを自分に投げかけてみてください。
- 子どもや授業と関わること自体は、好きか、それとも負担か。
- 不安なのは「教育という仕事」か、「今の雇用条件」か。
- 1年後、どんな働き方をしていたいか、具体的にイメージできるか。
- 今すぐ決める必要があるか、それとも情報収集の時間を取れるか。
- 相談できる人(家族・同僚・専門機関)はいるか。
答えが「教育という仕事自体は好き」「今の雇用条件に不安がある」であれば、道②(NIJINアカデミーの先生)が特に検討に値する選択肢になるはずです。
よくある質問
Q. 非常勤講師から正規教員になることはできますか?
A. 自治体によっては、勤務実績を踏まえた採用選考の特別措置がある場合があります。まずはお住まいの自治体の教育委員会に、常勤登用の道筋について確認することをおすすめします。
Q. 非常勤講師は社会保険に入れますか?
A. 週の所定労働時間や月額賃金などの条件を満たせば、共済組合(健康保険)・厚生年金・雇用保険に加入できる場合があります。条件は自治体・年度によって異なるため、任用元に個別で確認してください。
Q. 非常勤講師とNIJINアカデミーの先生は、掛け持ちできますか?
A. NIJINアカデミーの先生は業務委託契約のため、他の仕事との掛け持ちが可能な場合があります。具体的な条件は、募集ページまたは選考の中でご確認ください。
Q. 教員免許がないと、NIJINアカデミーの先生には応募できませんか?
A. 現在の募集要項には、教員免許を必須資格として明記していません。詳細は最新の募集ページをご確認ください。
Q. 非常勤講師の仕事が辛いと感じたら、どこに相談すればいいですか?
A. まずは同僚や家族など、身近で信頼できる人に話してみてください。強い不安や不眠、気分の落ち込みが続く場合は、厚生労働省の「こころの耳」(https://kokoro.mhlw.go.jp/)など、専門の相談窓口もご活用ください。
まとめ
非常勤講師は、コマ数に応じた収入と時間の融通の利きやすさが魅力である一方、雇用期間の区切りや収入の変動という、慎重に考えたい点もある働き方です。文部科学省の調査でも、小学校の学級担任のおよそ9人に1人を非正規の教員が担っているという実態があり、これは個人の努力不足の問題ではなく、教育現場全体の構造的な課題です。
大切なのは、「今の働き方を続ける」「常勤登用を目指す」「教育に軸足を残しながら働き方を変える」「教育の外に出る」という選択肢を、焦らず比較検討することです。もし「教育に関わり続けたいけれど、雇用条件には不安がある」と感じているなら、NIJINアカデミーの先生という働き方も、ぜひ選択肢のひとつとして見てみてください。
次の一歩は、情報を知ることから。
NIJINアカデミーの先生の募集を見てみませんか。
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出典・参考資料
- 千葉県教育委員会「講師等の給与について」(更新:令和8年3月25日)https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/syokuin/saiyou/koushi/taiguu.html
- 文部科学省「令和7年度『教師不足』に関する実態調査」(公表:令和8年3月5日)https://www.mext.go.jp/content/20260302-mxt_kyoikujinzai01-000047773_1_1.pdf
- 教育新聞「非正規教員、自治体間で差」https://www.kyobun.co.jp/news/20220516_06/
- 富山県「会計年度任用職員の社会保険等について」(令和5年3月現在)https://www.pref.toyama.jp/documents/15652/shakaihoken.pdf
- 厚生労働省「こころの耳」https://kokoro.mhlw.go.jp/
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・社会保険・医療に関する個別の助言ではありません。制度の詳細や最新情報は、必ず任用元の教育委員会や関係機関、専門家にご確認ください。給与・待遇に関する数値は、掲載時点の公開情報にもとづくものであり、自治体・年度・勤務条件によって異なります。

