教員の起業ガイド|在職中にできること・起業アイデア・辞める前の準備

教員の起業ガイド|在職中にできること・起業アイデア・辞める前の準備
執筆:NIJIN 採用チーム/最終更新日:2026年10月6日/読了目安:18分
結論:教員の起業は「辞めるか、残るか」の二択ではありません。公立の先生が在職中に自分で事業を営むには任命権者の許可が必要ですが、残る道・外へ出る道・両方に関わる道の3つから、自分に合う順番を選べます。

この記事では、法律の条文、起業アイデア、開業の手続き、資金の相談先、退職後の手続きまでを、公式情報をもとに順番に整理します。

この記事で分かること
  • 公立教員が在職中に起業・兼業できる範囲(地方公務員法第38条・教育公務員特例法第17条)
  • 残る・外へ出る・両方に関わる、3つの道の違い
  • 教員の経験が活きる起業アイデア6分野と、始める前に確かめること
  • 開業届・法人設立・NPO法人の手続きの入口と、公的な相談先
  • 一人で起業する前に、教育スタートアップで事業づくりを経験するという選択肢

1教員の起業は「辞める・残る」の二択ではない

「自分のやりたい教育を、自分の手で形にしたい」。そう考えて「教員 起業」と調べはじめる先生は、けっして少数派ではありません。子どもと向き合ってきたからこそ見える課題があり、それを解決したいという思いは、起業の出発点としてとても健全なものです。

ただ、最初にお伝えしたいのは、起業は「辞める」と同じ意味ではないということです。学校に残ったまま許可の範囲で外の活動を始める道もあれば、退職して事業を立ち上げる道もあります。その中間に、教育の会社に入って事業づくりを経験する道や、業務委託・複業で関わる道もあります。

学校という場には、学校にしかない良さがあります。同時に、学校の外だから試しやすいこともあります。どちらが上という話ではありません。大切なのは、自分が届けたい教育に、いちばん無理なく近づける順番を選ぶことです。

2公立教員は在職中に起業できる?条文で確かめる

いちばん気になるのは「いまの立場のまま、起業してよいのか」でしょう。ここは人の体験談ではなく、条文から確かめるのが安全です。

地方公務員法 第38条|許可なく自分で事業は営めない

公立学校の先生は地方公務員です。地方公務員法第38条第1項は、職員が任命権者の許可を受けなければしてはならないこととして、次の3つを挙げています。

  • 営利を目的とする会社その他の団体の役員などを兼ねること
  • 自ら営利企業を営むこと
  • 報酬を得て、事業や事務に従事すること

つまり、在職中に自分の会社をつくって役員になる、個人で事業を営む、報酬をもらって外の仕事をする、といったことは、許可なしにはできません。裏を返すと、条文は「一切できない」とは書いておらず、許可を受けたうえで行うという仕組みになっています。同条第2項では、人事委員会が許可の基準を定めることができるとされています。基準や運用は自治体によって異なるため、所属の教育委員会の服務担当や管理職に確かめてください。

出典:地方公務員法 第38条(e-Gov法令検索)laws.e-gov.go.jp

教育公務員特例法 第17条|教育に関する兼職・事業は別の規定がある

先生には、もう一つ関係する条文があります。教育公務員特例法第17条第1項は、教育公務員が教育に関する他の職を兼ねること、教育に関する他の事業・事務に従事することについて、本務の遂行に支障がないと任命権者が認める場合には、給与を受けて、または受けないで、従事できると定めています。

教育に関わる活動については、先生の専門性を学校の外でも生かせるように、別の入口が用意されているということです。ただし、これも任命権者が認めることが前提です。「教育に関する事業」にどこまで含まれるかは個別の判断になるため、自分で決めつけず、必ず事前に相談しましょう。

出典:教育公務員特例法 第17条(e-Gov法令検索)laws.e-gov.go.jp

立場ごとの違いを表で整理

立場在職中の起業・兼業の考え方まず確かめる相手
公立の正規・常勤の先生地方公務員法第38条により、役員の兼務・自営・報酬を得る仕事は任命権者の許可が必要。教育に関する兼職・事業は教育公務員特例法第17条の規定もある管理職、教育委員会の服務担当
公立の非常勤講師など第38条第1項のただし書きで、非常勤職員には例外がある(短時間勤務の職などは除く)。任用の形によって扱いが変わる任用されている教育委員会
私立学校の先生上の2つの法律の対象ではなく、勤務先の就業規則や契約の定めによる勤務先の学校法人(人事・総務)

兼業の許可の考え方をもう少し詳しく知りたい方は、現職教員(正規・常勤)は副業できる?許可される兼業の条件と注意点と、公立教員は副業できる?教育に関われる兼業・パラレルキャリアの実際をご覧ください。非常勤の方は非常勤講師は副業できる?で整理しています。

この章は条文の紹介であり、個別のケースについての法的な判断ではありません。自分の場合に許可が必要か、許可が出るかは、所属の教育委員会・服務担当に確認してください。

3【図解】残る・外へ出る・両方に関わる、3つの道

条文を踏まえると、先生が「自分のやりたい教育」に近づく道は、大きく3つに分けられます。

やりたい教育がある どの順番で近づく? ① 学校に残る 許可の範囲で外の活動 校内で新しい実践 学びと準備を進める 収入は変わらない ② 両方に関わる 教育の会社に入る 業務委託・複業 事業づくりを経験 仲間と仕組みがある ③ 外へ出る 退職して起業 個人事業・法人・NPO すべて自分で決める 自由と責任が大きい
3つの道に優劣はありません。①から②、②から③へと、段階を踏んで進むこともできます。

3つの道を比べる

道できること気をつけたいこと向いている人
① 学校に残る校内での新しい実践、許可を受けた範囲での執筆・講師などの活動、起業の勉強や情報収集外の活動には任命権者の許可が必要。自分の名前で事業を営むことには制限がある目の前の子どもたちと学校で挑戦を続けたい人、まず考えを固めたい人
② 両方に関わる教育ベンチャーに入って新しい学びの場や事業の立ち上げに関わる。業務委託や複業で関わる会社の理念や進め方が自分に合うかの見きわめが要る。在職中に関わる場合は兼業の許可が必要事業のつくり方を、仲間のいる環境で実地に学びたい人
③ 外へ出る退職し、個人事業・会社・NPO法人などの形で、自分の考える教育を事業にする集客・お金・事務・安全管理まで自分で担う。収入が安定するまでの見通しが必要届けたい相手と内容がはっきりしていて、一人でも動き出せる人

「辞めるかどうか」そのものを迷っている段階なら、教員を辞めるか迷っている先生へ|転職前に考えたい7つのことも参考になります。

4元教員の経験が活きる起業アイデア6分野

教員の起業アイデアの一つ、小さな教室を開く準備で机を並べる30代の元先生(イメージ)
塾や教室を開くなら、場所と賃料、対象学年、地域にすでにある教室との違いを先に確かめておきましょう(イメージ)。

授業を組み立てる、子どもの様子を見取る、保護者と対話する、行事を動かす。先生が毎日していることは、学校の外では「教える内容をつくる力」「人を育てる力」「場を運営する力」として生きます。ここでは、その経験が活きやすい分野を6つに整理しました。

分野事業のイメージ活きる教員経験始める前に確かめること
塾・教室学習塾、少人数の個別指導、理科実験・作文・プログラミングなど特色のある教室教科指導、学習のつまずきの見取り、保護者との面談場所と賃料、対象学年、地域にすでにある教室との違い
フリースクール・居場所学校に行きづらい子どもの日中の学びの場、居場所づくり学級経営、子ども理解、学校や関係機関との連携運営費と人員、安全管理、在籍校との連携の方法
オンライン授業オンライン家庭教師、少人数のライブ授業、不登校の子への学習支援授業づくり、一人ひとりへの声かけ通信環境、保護者への届け方、子どもの安全への配慮
教材・コンテンツワークシートや授業案の制作、動画・記事での発信、教材の監修教材研究、単元を設計する力著作権の扱い、勤務校で作成した資料の取り扱い
研修・講師教員研修、保護者向け講座、企業や団体での研修講師人前で分かりやすく伝える力、実践の蓄積自分が語れるテーマ、依頼してくれる相手がいるか
探究・キャリア教育の支援学校と企業・地域をつなぐ探究学習の企画、出前授業の調整総合的な学習の時間や行事の企画運営、学校の事情への理解連携先の学校・企業との関係づくり、費用を誰が負担するか

アイデアを選ぶときの3つの視点

  1. 誰の、どんな困りごとか:「やりたい教育」を、「誰が」「何に困っていて」「どうなるとうれしいか」という言葉に置きかえます。相手がはっきりするほど、届け方も決まります。
  2. 小さく試せるか:教室を借りる前に、単発の講座やオンラインの体験会で反応を確かめられるかを考えます。在職中の方は、有償・無償にかかわらず事前に服務担当へ相談してください。
  3. 続けられる形か:一人で授業も集客も経理も担うと、いちばんやりたかった「子どもと向き合う時間」が減ることがあります。誰と組むか、何を手放すかを先に考えておきます。

フリースクールや学びの場を開きたい方は、開業の流れをフリースクールの立ち上げ方|開業の流れ・資金・必要な準備で、つまずきやすい点をフリースクールの開業は難しい?一人では続かない理由と、組織で叶える道で詳しくまとめています。オンラインで教える仕事はオンライン家庭教師になるには?も参考にしてください。

5退職して起業するときの進め方と、事業の形の選び方

教員が起業の計画を立てるため、自宅の机でノートに考えを書き出す30代の先生(イメージ)
届け出の前に時間をかけたいのは、誰の何を解決するかを決め、小さく試し、お金と暮らしを見通すことです(イメージ)。

ここからは、外へ出る道を選んだ場合の話です。手続きそのものより前に、順番を間違えないことが大切です。

① 決める 誰の何を 解決するか ② 試す 小さく実施 反応を見る ③ 見通す お金と暮らし 相談先に行く ④ 届け出る 形を選び 手続きをする ⑤ 始める 続けながら 見直す 届け出は4番目。その前の3つに時間をかけます
時間をかけたいのは、①〜③の「決める・試す・見通す」です。

事業の形は3つから選ぶ

教育の事業でよく選ばれる形は、個人事業、会社(株式会社・合同会社)、NPO法人の3つです。それぞれの入口になる公式の手続きを表にまとめました。

形特徴手続きの入口(公式)
個人事業一人で小さく始めやすい形。事業の主体は自分自身国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」。事業を始めた年分の確定申告の期限までに、納税地を所轄する税務署へ。e-Taxでも書面でも提出できる
会社(株式会社・合同会社)法人として契約や採用を行う形。設立の登記が必要管轄の法務局へ設立登記を申請。株式会社は公証人の認証を受けた定款が必要。デジタル庁の「法人設立ワンストップサービス」では、設立に関連する手続きをオンラインでまとめて行える
NPO法人構成員に収益を分配することを目的としない法人。収益を目的とする事業を行うこと自体は認められ、得た収益は社会貢献活動に充てる所轄庁に申請して設立の「認証」を受け、その後に登記することで成立する(内閣府NPOホームページ)

出典:国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」nta.go.jp/法務省「一人会社の設立登記申請は完全オンライン申請がおすすめです!」moj.go.jp/デジタル庁「法人設立ワンストップサービス」app.e-oss.myna.go.jp/内閣府NPOホームページ「NPOのイロハ」npo-homepage.go.jp(いずれも2026年10月6日に確認)

どの形が合うかは、事業の規模、誰からお金をいただくのか、寄付や助成を受けたいのか、仲間を雇うのかによって変わります。税金の扱いも形によって異なるため、「どれが得か」をここで言い切ることはできません。税務署、法務局、6章で紹介する相談窓口で、自分の計画を見せながら確かめてください。NPOという形で教育に関わる働き方は、教育NPOで働くには?でも紹介しています。

6資金と相談先|まず頼れる公的な窓口

教員が起業の資金について、公的な相談窓口で担当者に話を聞く20代の先生(イメージ)
起業の相談は、計画がまだ固まっていない段階でも相談できるところがある、公的な窓口から始められます(イメージ)。

起業の相談は、お金を払って誰かに頼む前に、公的な窓口から始められます。計画がまだ固まっていない段階でも相談できるところがあります。

窓口どんなところか相談できること
日本政策金融公庫国の政策金融機関。創業に関する相談を予約制で受け付けている創業計画書の立て方、融資の申し込みの流れ、融資制度について。創業向けの制度に「新規開業・スタートアップ支援資金」があり、新たに事業を始める方や事業開始後おおむね7年以内の方が対象
よろず支援拠点国が設置した無料の経営相談所。47都道府県に設置されている創業を予定している人も相談でき、何度でも無料
市区町村の創業支援産業競争力強化法に基づき、市区町村が支援事業者と連携して「創業支援等事業計画」をつくり、国の認定を受けているお住まいの市区町村の創業相談など。令和8年6月25日現在、1,414件(1,580市区町村)の計画が認定されている。内容は自治体ごとに異なる

出典:日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」jfc.go.jp、同「創業支援」jfc.go.jp/よろず支援拠点全国本部yorozu.smrj.go.jp/中小企業庁「市区町村別の創業支援等事業計画の概要」chusho.meti.go.jp(いずれも2026年10月6日に確認)

融資の金利や限度額、利用の条件は変わることがあります。この記事では数字を載せていませんので、申し込みを考えるときは必ず公式ページと窓口で最新の内容を確かめてください。また、借りることを前提にせず、借りなくても始められる小ささから計画を組んでみるのも一つの方法です。

一人で始める以外の道も、見ておきませんかNIJINには、先生の仕事から新規事業の立ち上げまで、教育を仕組みから変える仕事があります。業務委託・副業での関わり方も用意しています。
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7退職後の健康保険・年金・失業給付で確かめること

退職して起業する場合、事業の準備と同じくらい大切なのが、暮らしの土台の手続きです。先生は共済組合に加入しているため、会社員向けの解説がそのまま当てはまらないことがあります。ここは思い込みで進めず、窓口に確かめる項目として押さえてください。

  • 健康保険:退職後にどの制度に入るか(選べる制度、保険料、手続きの期限)を、加入している共済組合(公立学校の先生は公立学校共済組合)と、お住まいの市区町村の国民健康保険の窓口に確認します。
  • 年金:日本年金機構は、退職後に次の勤め先に入らない場合や自営業になる場合、国民年金第1号被保険者の手続きを行い、保険料を納める必要があると案内しています。届け出の方法は、お住まいの市区町村や年金事務所に確認してください。
  • 失業給付:雇用保険法第6条には、国・都道府県・市町村などに雇用される人のうち一定の人を適用除外とする規定があります。公立学校の先生は、会社員と同じ前提で失業給付を見込まず、自分が対象になるか、退職手当との関係はどうかを、所属の事務担当とハローワークに確認しましょう。開業の準備や開業届の提出が給付にどう関わるかも、あわせて窓口で聞いてください。

出典:日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」nenkin.go.jp/雇用保険法 第6条(e-Gov法令検索)laws.e-gov.go.jp

退職までの段取りは、教員を年度末で辞めたい。退職までにいつ・何をする?で時系列にまとめています。

8一人で始める前に、教育スタートアップで事業づくりを経験する

ここまで読んで、「集客や資金、事務まで一人で背負えるだろうか」と感じた方もいるかもしれません。その感覚は、事業を続けるうえで大切な見立てです。

そこで知っておいてほしいのが、一人で起業する前に、教育スタートアップの中で事業づくりに関わるという道です。すでに生徒や保護者、連携先がいる環境で、学びの場を立ち上げる経験を積めます。そのまま会社の中で事業を育てる人もいれば、経験を持って独立を考える人もいます。教育スタートアップで働くこと全般については、教育スタートアップへの転職|仕事内容・向いている人・働く魅力とはをご覧ください。

NIJINも、教員を辞めた一人の起業から始まった

株式会社NIJINは、「人を責めず、仕組みを創る。」を掲げ、教育問題を仕組みから解決することを目指す会社です。代表の星野達郎は、青森県八戸市で教員として勤務したのち、教員を退職して2022年にNIJINを設立しました。先生が疲弊するのも先生個人のせいではない、という考えが出発点にあります。

現在は、メタバース校舎と全国のリアルキャンパスで学べるオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」、教員研修プラットフォーム「授業てらす」など、13を超える事業・プロジェクトを展開しています。入学者は1000名を超え、教員研修・養成には1,400名を超える先生が関わっています。

出典:株式会社NIJIN 公式サイトnijin.co.jp、「創業物語・沿革」nijin.co.jp/history、NIJINアカデミーacademy.nijin.co.jp(2026年10月6日に確認)

NIJINでの関わり方

  • 先生として関わる:完全フルリモートでメタバース校舎から子どもに伴走する「NIJINアカデミーの先生」、フリースクールの教室長などの募集があります。
  • 事業を立ち上げる:採用サイトには「社内起業プログラム」があり、「教育課題を解決する新しい事業を、自ら立ち上げることができます」と紹介されています。社長直下で、新規事業の立案から携わる関わり方です。
  • 業務委託・複業で関わる:採用サイトのよくある質問では、業務委託・副業としての関わり方も用意していると案内しています。複業を前提にしたメンバーも在籍しています。

なお、公立学校に在職中の先生がNIJINに報酬を得て関わる場合も、2章で見たとおり任命権者の許可が必要です。関心がある方は、まず所属の服務担当に相談してください。

学校の外で挑戦する、元教員のメンバーの声

フリーランス教師 菊地世恋(せれん)さん

菊地 世恋(きくち せれん)さん

公立小学校教員を5年で退職 → フリーランス教師(メタバース担任・企業連携マネージャー)

インタビューでは、学校で働くなかで「教員が、他の仕事もしながら教育ができれば、最強になれるのでは?」と考えたこと、当時はまだ少ない選択肢だったが「誰もいないなら自分がやってみせたい」と思ったことを語っています。

会社をつくる起業だけが独立ではありません。フリーランスの教師として、担任とビジネスの両方を担う形もあります。インタビュー記事を読む

先生キャリアコーチ事業代表 森川陸(りく)さん

森川 陸(りく)さん

公立中学校の社会科教員を3年 → NIJIN「先生キャリアコーチ」事業代表・プロコーチ

「社会に出ていく子どもたちを育てているのに、自分自身が社会を知らない」。そんな違和感から学校の外へ出て、いまはNIJINの中で事業の代表を務めています。

一人で会社を立ち上げるのではなく、会社の中で事業を率いるという形です。インタビュー記事を読む

ほかにも、公立中学校の英語科教員から民間企業を経てNIJINに加わった青田梨沙さんは、インタビューで「ビジネス力と教師力は、大きく関係していると感じています」と話しています。民間企業で働きながら関わりはじめた伊佐隆さんは、インタビューで「まずは副業として関わってみよう」という気軽な気持ちでのスタートだったと振り返り、2026年4月には東京学芸大学内ラボ校を立ち上げて教室長に就いています。

起業は目的ではなく、やりたい教育を届けるための手段の一つです。

9起業を決める前に、自分に問いたい5つのこと

最後に、どの道を選ぶにしても役に立つ問いを5つ挙げます。紙に書き出してみると、次の一歩がはっきりします。

公務員から起業へ踏み出しにくいのはなぜか。その理由を3つに分けて話した動画も、考える材料としてご覧ください。

【公務員に起業無理?】公務員から抜けられない3つの理由があった▶
▶ タツロー校長|【公務員に起業無理?】公務員から抜けられない3つの理由があった
  1. 誰に、何を届けたいのか:「いまの学校ではできないこと」ではなく、「誰のために、何をしたいか」で言葉にできるかを確かめます。
  2. それは学校の中ではできないのか:校内の実践や、許可を受けた活動で実現できる部分はないでしょうか。残る道で叶うなら、それも立派な選択です。
  3. 暮らしの見通しは立つか:収入が安定するまでの生活費、家族の理解、健康保険や年金の負担を、数字で確かめます。
  4. 一人でやりたいのか、仲間とやりたいのか:すべてを自分で決めたいのか、チームで大きな仕組みをつくりたいのか。答えによって、合う道が変わります。
  5. うまくいかなかったとき、どうするか:戻る場所や次の選択肢を先に考えておくと、落ち着いて挑戦できます。

一人での起業が合いやすい人

届けたい相手と内容がはっきりしている。集客や事務も含めて自分で決めたい。小さく試した手ごたえがある。

まず組織で経験するのが合いやすい人

やりたい教育はあるが、事業にする方法をまだ知らない。仲間と一緒に大きな仕組みをつくりたい。段階を踏んで進みたい。

星野起業塾の事業代表会議の様子
NIJINの事業星野起業塾教育の事業を自分で立ち上げる、社内起業プログラムです。代表との週1回の1on1がある1年間の伴走で、副業・業務委託から始められます。受講料や契約の形は、公式ページで確かめてください。星野起業塾を見る →

10よくある質問

公立教員は、在職中に起業できますか?
地方公務員法第38条により、任命権者の許可を受けなければ、営利企業の役員を兼ねること、自ら営利企業を営むこと、報酬を得て事業や事務に従事することはできません。許可の基準や運用は自治体によって異なるため、所属の教育委員会の服務担当に確認してください。
教育に関する活動なら、在職中でも認められますか?
教育公務員特例法第17条は、教育に関する他の職や事業・事務について、本務の遂行に支障がないと任命権者が認める場合には従事できると定めています。ただし認めるかどうかは任命権者の判断です。事前に相談してから動きましょう。詳しくは現職教員の兼業の記事をご覧ください。
教員を辞めて起業するとき、最初にする手続きは何ですか?
事業の形によります。個人事業なら、国税庁の「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」に沿って、事業を始めた年分の確定申告の期限までに税務署へ届け出ます。会社なら法務局への設立登記、NPO法人なら所轄庁の認証と登記が必要です。あわせて、健康保険と年金の切り替えも窓口で確認してください。
個人事業と会社、どちらで始めるのがよいですか?
どちらがよいかは、事業の規模や契約の相手、仲間を雇うかどうかなどで変わり、一概には言えません。税金の扱いも異なります。税務署や、よろず支援拠点、日本政策金融公庫の創業相談などで、自分の計画をもとに相談するのが確実です。
起業の資金は、どこに相談できますか?
日本政策金融公庫は創業の相談を受け付けており、創業向けの融資制度として「新規開業・スタートアップ支援資金」があります。国が設置した無料の経営相談所「よろず支援拠点」や、市区町村の創業支援の窓口もあります。金利や限度額などの条件は変わることがあるため、公式ページで最新の内容を確かめてください。
起業に失敗したら、教育の仕事には戻れませんか?
起業の経験があるから教育に関われなくなる、ということはありません。学校の外にも教育の仕事はあり、事業づくりの経験を生かせる場もあります。教育スタートアップへの転職の記事も参考にしてください。教員として再び働くことを考える場合は、採用の条件を各自治体の教育委員会に確認しましょう。
起業の前に、NIJINで事業づくりを経験できますか?
NIJINの採用サイトには、先生の仕事のほか、新規事業を自ら立ち上げる「社内起業プログラム」や、業務委託・副業での関わり方が載っています。募集内容は時期によって変わるため、採用トップで最新の募集をご確認ください。

11まとめ|自分のやりたい教育へ、合う順番で近づく

教員の起業について、要点を振り返ります。

  • 公立の先生が在職中に自分で事業を営むには、地方公務員法第38条により任命権者の許可が必要。教育に関する兼職・事業には、教育公務員特例法第17条の規定がある
  • 道は「学校に残る」「両方に関わる」「外へ出る」の3つ。段階を踏んで進むこともできる
  • 手続き・資金・退職後の保険や年金は、思い込みで進めず公式の窓口で確かめる

学校に残って挑戦を続けることも、外へ出て事業を始めることも、どちらも子どもたちのための選択です。大切なのは、焦って決めることではなく、自分の届けたい教育に、無理のない順番で近づいていくことです。

そして、一人で背負うことだけが起業ではありません。同じ思いを持つ仲間と、すでにある仕組みの上で事業をつくる道もあります。その選択肢の一つとして、NIJINものぞいてみてください。

学校の外で、自分のやりたい教育を。
一人で始める前に、NIJINで事業づくりに関わりませんか。

エントリーする → 先生の仕事、新規事業、業務委託・副業など、関わり方は複数あります。募集職種を見る

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本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律・税務・社会保険についての個別の判断や、起業の成果を保証するものではありません。制度の内容は変わることがあります。兼業の許可は所属の教育委員会・服務担当へ、開業や税金は税務署・法務局へ、健康保険・年金・失業給付は共済組合・年金事務所・ハローワークへ、それぞれ最新の内容をご確認ください。掲載している情報は2026年10月6日時点で確認したものです。

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