教員の退職でやることリスト|半年前からの時期別一覧と子どもを守る辞め方

教員の退職でやることリスト|子どもを第一に、逆算カレンダー
執筆:NIJIN 採用チーム/読了目安:8分
「辞めたい。でも、子どもたちを不安にさせたくない」。

辞めることを考えたとき、多くの先生が一番に気にするのは、自分のことより子どものことではないでしょうか。

辞めること自体は、悪いことではありません。大切なのは、子どもの毎日が途切れないように、早めに、順番どおりに準備することです。

下のカレンダーで辞めたい時期を選ぶと、今月やることから退職後の手続きまでが一覧で分かります。

この記事の結論|やることは、辞めたい月からの逆算で決まります
  • 半年前ごろから、辞めたい理由と生活費を整理し始めると安心です
  • 管理職には3か月前を目安に、まず口頭で伝えます(年度末に辞めるなら12月ごろまでが目安)
  • 2か月前ごろから、子ども一人ひとりの引き継ぎメモを作り始めます
  • 退職後すぐに、健康保険と国民年金を切り替えます

1辞めたい時期を選んで、やることを確認する

教員の退職でやることを、夜の自宅で静かにノートに書き出して整理する先生(イメージ)
辞めたい月を決めたら、そこから逆算してやることを書き出すと、気持ちが少し落ち着きます(イメージ)。

先生のための 退職逆算カレンダー

辞めたい時期を選ぶと、
今からやることが分かります

「辞めたい。でも、子どもたちを不安にさせたくない」。そう思う先生ほど、準備は早めが安心です。子どもの毎日が途切れないように、辞めたい時期から逆算して、いつ・何をすればいいかを一覧にします。

勤務先

    いきなり辞めるのが不安なら、
    まずは「週1日から」試してみる道もあります。

    NIJINには、学校を離れたあと、オンラインや地域の教室で子どもと関わり続けている先生がいます。どんな気持ちで、どう働いているのか、のぞいてみてください。

    NIJINで働く先生を見てみる

    ※時期は一般的な目安です。手続きや期限は、勤務先・自治体の規定を必ず確認してください。

    退職の何か月前に何をする?時期ごとのやること一覧

    上のカレンダーの中身を、退職する月から逆算した一覧表にまとめました。辞めたい月から数えて、いまどの段階にいるかを確かめてみてください。

    時期やること気をつけたいこと
    6か月前気持ちとお金を整理する
    なぜ辞めたいのか、何があれば続けられるのかを書き出す/家族や身近な人に、考えていることを話してみる/生活費を確認する
    生活費の目安は半年分です。
    5か月前次の働き方を考える
    次にやりたいこと・働きたい場所の候補を書き出す/気になる職場の情報を集め、話を聞いてみる
    在職中に副業などで試す場合は、兼業の規定を確認します。公立の先生は、兼業に許可が必要です。
    4か月前管理職に伝える準備をする
    伝える理由を、前向きな言葉で整理する
    年度末に辞める場合は、来年度の希望調査(多くは秋〜冬)の前に伝えられるようにします。
    3か月前管理職に意思を伝える
    まず管理職に相談の時間をもらい、口頭で伝える/退職願(辞職願)の書式と、提出時期を確認する
    年度末に辞める場合は、12月ごろまでに伝えるのがひとつの目安です。同僚や子どもより先に、管理職へ伝えます。
    2か月前引き継ぎを始める
    子ども一人ひとりの様子や、配慮してほしいことをメモにまとめ始める/学級・校務分掌・成績などの引き継ぎ資料を作り始める
    書類よりも、子どものことを次の先生に渡すのがいちばん大切です。
    1か月前最後の1か月の段取りを決める
    子どもや保護者に、いつ・どう伝えるかを管理職と決める/有給休暇の残りと、使い方を相談する/私物の整理を始める
    最後の日まで、いつも通り子どもと向き合う時間を大切にします。
    退職日返すもの・受け取るもの
    身分証・鍵などを返す/源泉徴収票など、必要な書類を受け取る
    公立の先生は雇用保険の対象外のため、原則として失業給付はありません(退職手当が少ない場合の例外あり)。私立の先生は、離職票を受け取ったらハローワークで手続きします。
    退職後すぐ保険・年金・税金の手続き
    健康保険を切り替える(任意継続は退職の翌日から20日以内)/国民年金への切り替え(退職から14日以内)/住民税の支払い方法を確認する
    期限が短い手続きなので、退職日が近づいたら早めに確かめておきましょう。

    ※時期は一般的な目安です。手続きや期限は、勤務先・自治体の規定を必ず確認してください。

    2子どもを第一に考えた辞め方|4つのポイント

    教員の退職でやることの一つ、子ども一人ひとりの引き継ぎメモを放課後の教室で作る先生(イメージ)
    引き継ぎで大切なのは、書類よりも子ども一人ひとりのこと。少しずつメモを作り始めると安心です(イメージ)。

    1. 辞める時期は、子どもの区切りから考える

    学期の終わりや年度の終わりは、子どもにとっても区切りになります。

    受験を控えた学年や、大きな行事の直前など、子どもにとって大事な時期を避けられないかも考えてみましょう。

    どうしても年度の途中になる場合も、自分を責める必要はありません。そのぶん、引き継ぎと伝え方を丁寧にすれば大丈夫です。

    2. 管理職には早めに伝える

    早く伝えるのは、自分のためだけではありません。後任の先生が決まるまでには時間がかかり、伝えるのが遅れるほど、子どもの担任が空白になるおそれがあります。

    まず管理職に相談の時間をもらい、口頭で伝えましょう。同僚や子どもに先に話すと、うわさで広まり、子どもを不安にさせることがあります。

    伝えるときは、「不満」ではなく「これからどうしたいか」で話すと、関係を悪くせずにすみます。

    (例)「子ども一人ひとりと、もっとじっくり向き合える働き方をしたいと考えるようになりました」

    カレンダーの「管理職に意思を伝える」を開くと、理由ごとの伝え方の例と、話す順番が確認できます。

    3. 引き継ぎは、子ども一人ひとりのために

    引き継ぎで一番大切なのは、書類よりも子どものことです。

    「この子はこういうときに安心する」「この子の保護者とはこんなやりとりをしてきた」。あなたが知っていることを次の先生に渡すことが、子どもを守ることにつながります。

    退職の2か月前ごろから、子ども一人ひとりのメモを少しずつ作り始めると安心です。カレンダーの「引き継ぎを始める」に、チェックリストがあります。

    4. 子どもへの伝え方は、管理職と一緒に決める

    いつ、どう伝えるかは、管理職と相談して決めましょう。

    子どもによっては、先生がいなくなることを「自分のせいかもしれない」と感じることがあります。「みんなのせいではないこと」「これからも応援していること」を、子どもに分かる言葉で伝えてあげてください。

    そして最後の日まで、いつも通り子どもと向き合うこと。それが、子どもにとっても、先生自身にとっても、一番後悔の残らない辞め方です。

    学校の外で、子どもと関わり続ける道もありますNIJINには、学校を離れたあと、オンラインや地域の教室で子どもと関わり続けている先生がいます。
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    引き継ぎを「渡して終わり」にしない確認リスト

    退職までにすべてを完璧にまとめようとすると、最後の時期に負担が集中します。授業・校務・子どもの支援を分けて、次の担当者が最初に困ることから順に渡しましょう。退職時期の調整とは別に、資料をどこへ置き、誰と内容を確認するかを管理職と決めておくと進めやすくなります。

    次の表は引き継ぎの整理例です。勤務先の書式や個人情報の管理方法を優先し、共有が必要な相手だけに、指定された方法で渡します。

    分けて渡すもの書くことの例最後に確認すること
    直近の予定授業の進度、提出期限、行事の担当次の一週間に必要な対応は何か
    子どもの支援本人の希望、安心しやすい関わり、現在の対応事実と推測が混ざっていないか
    保護者との連絡約束した内容、返答を待っていること誰がいつ次の連絡をするか
    教材・校務の資料保存先、使う順番、未完の作業受け取る人が実際に開けるか
    管理する物品鍵、端末、貸与物、返却先私物と学校の物を分けられているか

    引き継ぎメモの例:「現在の対応:活動の前に本人へ予定を伝える。本人が希望したこと:先に選択肢を見たい。次の確認:来週の担当者が本人に使いやすかったかを聞く」。これは記入例であり、実在する子どもの記録ではありません。診断名や家庭の事情を必要以上に広げず、次の担当が対応するために必要な範囲を学校の方針に沿って共有します。

    作成後は、できれば受け取る相手と一緒に確認し、「未完のこと」「判断が必要なこと」「次の担当」を明確にします。相手がまだ決まっていない場合は、管理職に保管と引き渡しの担当を確認します。個人のクラウドや私用メールへ児童生徒の情報を持ち出す方法で補わないようにしましょう。

    最後の日までに終わらない作業があっても、曖昧なまま残すより、進捗と相談事項を伝えることが大切です。体調などの事情で作業が難しい場合は、本人がすべて抱えず、管理職に優先順位と分担を相談してください。

    次の仕事の準備と学校の引き継ぎは分けて管理できます。応募書類に書くのはご自身の業務経験であり、子どもの個人情報や学校の内部資料そのものではありません。

    3よくある質問

    子どもには、いつ・どう伝えればいい?
    時期と伝え方は、学校全体に関わるので管理職と相談して決めましょう。伝えるときは、辞める理由を詳しく話す必要はありません。「みんなのせいではないこと」「これからも応援していること」を、短く、子どもに分かる言葉で伝えるのがポイントです。
    年度の途中で辞めるのは、子どもに悪い?
    影響がまったくないとは言えません。でも、先生が無理を続けて心や体を壊してしまうことも、子どもにとってはつらいことです。途中で辞める場合は、引き継ぎと伝え方をいつも以上に丁寧にすることで、影響を小さくできます。
    引き留められたら、どう答えればいい?
    感謝を伝えたうえで、「気持ちは固まっています」とはっきり伝えましょう。時期の相談には応じつつ、辞める意思そのものは変わらないことを伝えるのがポイントです。
    退職したあと、すぐにやる手続きは?
    健康保険と年金の切り替えです。健康保険の任意継続は退職の翌日から20日以内、国民年金への切り替えは退職から14日以内が目安です。公立の先生は雇用保険の対象外のため、原則として失業給付がない点も覚えておきましょう(退職手当が少ない場合の例外あり)。

    4辞める前に、「場所を変える」という選択肢も

    教員の退職を考えた先生が、学校の外の小さな教室で子どもたちと積み木で遊ぶ場面(イメージ)
    子どもと関わる仕事を辞めずに、働く場所を変えるという道もあります(イメージ)。

    「子どもと関わるのは好き。でも、今の働き方は続けられない」。

    そう感じているなら、子どもと関わる仕事そのものを辞める必要はないかもしれません。

    辞めるかどうか、どこで働くかを一人で決めにくいときは、話しながら整理する方法もあります。

    先生キャリアコーチの面談の様子
    NIJINの事業先生キャリアコーチ教員の転職・キャリア転換を専門とするコーチングです。まだ辞めるかどうか決めていない段階でも、無料相談で話を整理できます。先生キャリアコーチを見る →

    NIJINには、学校を離れたあと、オンラインや地域の教室で子どもと関わり続けている先生がいます。

    こばはるさんのインタビュー記事の写真

    こばはるさん

    元中学校英語教員・3児の母/NIJINアカデミー メタバース担任・自治体連携リーダー

    札幌の中学校で英語を教えていましたが、夫の転勤や産休・育休が重なり、以前と同じ形での復職は難しい状況になりました。それでも「教育には携わり続けたい」という思いは消えなかったといいます。いまはNIJINアカデミーで、オンラインのメタバース担任を務めています。

    ママでも先生を諦めない|こばはるさんのインタビューを読む

    あいあいさんのインタビュー記事の写真

    あいあいさん(田中 亜衣さん)

    元公立高校教員/NIJINアカデミー(メタバース・リアル教室)と通信制サポート校「ニジ高」の担任

    高校の教員として働く中で、「学校に来れている子」だけを見ている感覚に苦しくなり、学校の外の学びに関心を持つようになりました。いまはメタバースで全国の子どもたちと関わりながら、通信制サポート校「ニジ高」の担任も務めています。

    公立高校の教員から、通信制高校サポート校『ニジ高』の立ち上げへ|あいあいさんのインタビューを読む

    公務員という立場を離れることに迷いがあるときは、タツロー校長の動画も参考にしてみてください。

    【公務員に起業無理?】公務員から抜けられない3つの理由があった▶
    ▶ タツロー校長|【公務員に起業無理?】公務員から抜けられない3つの理由があった

    教員を辞めても、子どもと関わる道はあります。
    学校の外で、自分らしい関わり方を。

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