フリースクールの開業に資格は必要?教員免許なしで始める条件を整理

フリースクール 開業 資格|フリースクールの開業に資格は必要?教員免許なしで始める条件を整理
執筆:NIJIN 採用チーム/最終更新日:2026年10月7日/読了目安:15分
フリースクールを開くのに、法律で決められた資格はありません。教員免許がなくても開業できます。

フリースクールは、学校教育法で定める「学校」ではなく、民間の施設です。教員免許は学校の先生に必要な免許で、民間の施設を開く人には求められていません。そのかわり、子どもの安全を守る備え、保護者や在籍校との連携、続けるための体制といった「資格ではない条件」が問われます。この記事では、必要なもの・不要なものを分けて整理し、すでに教室を持っている方が平日の昼に開くときの進め方までをまとめます。

この記事で分かること
  • フリースクールの開業に、資格・免許・認可が必要かどうか
  • 資格のかわりに、保護者や学校から見られるポイント
  • 英語・プログラミング・料理・学習塾などの教室の先生が、いまの得意を生かす方法
  • 教員免許なしで応募できる、NIJINアカデミー リアル校の教室長の条件

1結論:フリースクールの開業に必須の資格はない

先に答えをまとめます。フリースクールを開くために、取らなければならない国家資格や免許はありません。「フリースクール指導員」のような公的な免許の制度も、国にはありません。

「フリースクール 資格 必要」「フリースクール 運営 資格」「フリースクール 立ち上げ 資格」と調べる方の多くは、教員免許や保育士の資格がないと始められないのでは、と心配しています。その心配は、いったん置いて大丈夫です。

よく聞かれるもの開業に必要か補足
教員免許不要学校の教員に必要な免許。民間の施設を開く人には求められていない
保育士・心理の資格不要持っていれば、保護者に伝わる安心材料の一つになる
民間の認定資格・講座不要学びとして役に立つが、開業の条件ではない
国の認可不要フリースクールという名前で開くための認可の制度はない
事業としての届出形による個人で事業を始める届出、法人をつくる手続きなど。税務署や自治体の窓口で確かめる
活動の内容に応じた手続き内容による食事を出す、建物の使い方を変える、福祉の制度を使うなどの場合は、保健所や自治体の担当窓口に相談する

表の下の2行は、資格の話ではなく「事業を始めるときの手続き」の話です。内容や地域で扱いが変わるので、ここでは断定しません。開く場所が決まったら、自治体の窓口に早めに相談するのが確実です。

フリースクールの開業に資格が要るかを考える人に向けた、ダンス教室で先生と子どもが体をほぐす場面(イメージ)
フリースクールを開くのに、必須の資格はありません。教室長の得意なことが、そのまま教室の特色になります。

2なぜ資格がいらないのか|学校とのちがい

理由は、フリースクールが法律上の「学校」ではないからです。小学校や中学校は学校教育法で定められた学校で、そこで教える先生には教員免許が必要です。フリースクールは、民間の人や団体が開く施設です。文部科学省の通知でも「フリースクールなどの民間施設」という書き方がされています。

国の考え方は、2016年に公布された「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(教育機会確保法)と、その後の通知に表れています。2019年(令和元年)10月の通知では、不登校の子どもへの支援は「学校に登校する」という結果だけを目標にせず、社会的な自立を目指すこと、そしてフリースクールなどの民間施設や NPO と学校が連携し、補い合う意義が大きいことが示されました。

学校とフリースクールのちがい

小学校・中学校学校教育法で定める学校
先生は教員免許が必要
設置には認可などの手続き
連携在籍校と民間施設が
情報を共有し、補い合う
(出席扱いは校長が判断)
フリースクール民間の施設
開く人の資格の定めはない
内容・料金は施設ごと
フリースクールに通う子どもも、籍は地元の小・中学校にあります。だから、学校との連携が大切になります。

つまり、フリースクールは学校の代わりに免許で保証される場所ではなく、学校と手をつなぎながら、子どもに合う学びと居場所をつくる民間の場所です。資格がいらないのは「何でもよい」という意味ではありません。法律が細かく決めていないぶん、開く人の姿勢と備えが、そのまま信頼になります。

出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日 mext.go.jp/文部科学省「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律の公布について」mext.go.jp

3運営・立ち上げで、資格のかわりに問われる5つの条件

資格の欄に書くものがなくても、保護者は「ここに子どもを預けて大丈夫か」を見ています。在籍校の先生も同じです。問われるのは、次の5つです。

  1. 安全を守る備え:けがや体調不良のときの連絡の流れ、避難の道、アレルギーの確認、保険への加入など。料理や運動など体を使う活動ほど、先に決めておきます。
  2. 子どもを主役にする関わり方:教えることより、その子が「やってみたい」と思える場面をつくること。学校に行きづらかった子は、評価されることに疲れている場合があります。
  3. 保護者・在籍校との連携:通った日や活動の内容を記録し、保護者に伝える。保護者を通じて在籍校と情報を共有する。出席扱いの話は、ここから始まります。
  4. 続けられる体制:場所代、開く日数、自分の体力、相談できる仲間。週1日でも、長く開いていることが子どもの安心になります。
  5. あなた自身の専門性:英語、プログラミング、料理、音楽、スポーツ、農業。先生の経験がなくても、得意なことは子どもが動き出すきっかけになります。

教室をすでに持っている方へ。1・4・5は、いまの教室運営ですでに積み重ねていることが多いはずです。安全の決まり、保護者とのやり取り、場所と道具。新しく学ぶのは、主に2と3です。

不登校の子どもは、どれくらいいるのか

353,970人小・中学校の不登校の子どもの数(文部科学省の令和6年度の調査)。小学校が137,704人、中学校が216,266人です。このうち、学校の内外で専門的な相談や指導を受けていない子どもは、約13万6千人とされています。

出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」mext.go.jp(PDF)/同「調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」mext.go.jp

同じ調査では、新しく不登校になった子どもの数が9年ぶりに減ったことも報告されています。「増え続ける」とは言い切れません。それでも、どこにもつながっていない子どもが十数万人いるという事実は、地域に通える場所が足りていないことを示しています。資格の有無より、通える場所があるかどうかのほうが、子どもにとっては大きな問題です。

4持っていると役に立つ資格・経験

必須ではありませんが、持っていると保護者に伝わりやすいものはあります。どれも「あれば安心材料になる」という位置づけです。これから取りに行く前に、いま持っているものを棚おろししてみてください。

資格・経験役に立つ場面なくても補える方法
教員免許・教員の経験学習の進め方の相談、在籍校とのやり取り学習は子どものペースに合わせ、学校との連絡は保護者と一緒に進める
保育士・幼稚園教諭年齢の低い子への関わり、発達への理解地域の相談機関を知っておき、必要なときにつなぐ
心理・福祉の資格保護者の相談、専門機関との連携抱え込まず、スクールカウンセラーや医療につなぐ姿勢を持つ
教室運営の経験安全管理、保護者対応、集客、会計—(すでに大きな強み)
得意分野の実績教室の特色づくり、子どもの「好き」を伸ばす活動—(すでに大きな強み)
わが子の不登校の経験保護者の気持ちへの共感経験がなくても、聞く姿勢があれば伝わる

英語教室や学習塾、プログラミング教室、料理教室を開いている方は、表の下3行のうち2つをすでに持っています。フリースクールを一から開く人がいちばん苦労する「場所」と「保護者との信頼づくり」を、もう経験しているということです。

5教員免許なしで開いている実例と、NIJIN の教室長という道

実際に、教員免許を持たずにフリースクールの教室長をしている人がいます。NIJINアカデミーのリアル校で最初に開校した越谷校の教室長・ひとみんさんは、保育士として10年間、発達支援の現場で働いてきた方です。インタビューで次のように話しています。

越谷校 教室長 ひとみんさん

ひとみんさん(越谷校 教室長)

保育士として10年間、発達支援の現場に。息子さんの不登校をきっかけに NIJINアカデミーへ

「実は私は教員免許を持っていません。」「教員免許より大切なのは、これまでの経験や、子どもを想う気持ちだと感じています。」

ひとみんさんのインタビューを読む

一人で一から開く道のほかに、すでにある仕組みに加わって、自分の教室を開く道もあります。NIJINアカデミーのリアル校は、不登校や学校が合わない子どものためのフリースクールです。子どもたちは、ふだんは自宅からメタバース校舎に通い、週1日は地域のリアル教室に通います。その教室を開くのが、教室長です。

学習塾を母体にしたリアル校で過ごす子どもたち
NIJINの募集NIJINアカデミー リアル校の教室長いまの教室や自宅で、平日の昼にフリースクールを開く仕事です。週1日から、9:00〜16:00の間で5時間。教員免許は不要で、形は業務委託です。全国52か所(開校予定含む)で開校しています。教室長の募集ページを見る →

募集ページには「教員免許も、先生の経験もいりません」と書かれています。条件は次のとおりです。

項目募集ページに載っている内容
資格教員免許も、先生の経験も不要。学歴や経験は不問
開く日と時間週1日から。9:00〜16:00の間で5時間。曜日・時間・休日は自分で決める
場所自宅、または自宅の近くの施設など。いまの教室の空き時間も使える
形業務委託(試用期間なし。約1か月のオンライン実習で、お互いに合うかを確かめる)
報酬生徒が支払う学費の8割を支給。生徒1人あたり月額13,200円が基本(教室によっては、教材費などを保護者からいただく)
費用選考でかかるのは、開校視察費 88,000円(税込)。現地視察に進む人が振り込む
仕事開設準備、教室運営(集客・安全管理を含む)、子どもの学びの伴走、保護者・地域との連携、毎週水曜のオンライン全体会議とチーム会議

出典:NIJIN 採用サイト「NIJINアカデミー リアル校 教室長 募集」nijin.co.jp/recruit/nijinacademy-real/(開校後の条件は、選考の中で伝えられます)

リアル教室は、教室長の得意を生かした「特化型」です。募集ページには、学習塾、プログラミング、料理、ダンス、アートなど、すでに開校している教室の例が載っています。各地の教室のようすは、リアル教室の紹介ページ(全国の教室一覧)で見られます。

教室の空き時間に開く場合のモデルケース(参考)

モデルケース(試算)教室開校と人数1か月の支給(試算)
料理教室の空き時間を活用レンタルキッチン週3日・1日8人(月24人)316,800円
家族経営の塾の日中に開校家族所有の一軒家週3日・1日6人(月18人)237,600円
自宅で週2日開校自宅週2日・1日8人(月16人)211,200円

出典:教室長の募集ページのモデルケース(試算)。生徒1人あたり月額13,200円(学費の8割)の支給をもとにした試算で、1日の人数は、それぞれ別の子どもが通う場合で数えています。教材費など、教室によって保護者からいただく分は含みません。給与の目安は月20万円〜70万円で、生徒数と担当するジョブで決まります。教室の規模や収入を約束するものではありません。

【不登校は才能】元小学校教員がフリースクール教室長になった理由|NIJINアカデミー千葉佐倉校
▶ タツロー校長|【不登校は才能】元小学校教員がフリースクール教室長になった理由|NIJINアカデミー千葉佐倉校
フリースクールの開業に資格より経験が生きる例として、大工の人が木工の作業場で子どもにいすの作り方を教える場面(イメージ)
教員免許がなくても、仕事や暮らしの中で身につけた経験は、子どもにとって大きな学びになります。

6出席扱いと資格の関係

「資格がないと、通っても出席扱いにならないのでは」という質問をよく受けます。出席扱いを決めるのは、子どもが在籍する学校の校長です。文部科学省の通知は、学校の外の施設で相談や指導を受けている場合に、一定の要件を満たせば指導要録上の出席扱いにできるとしています。民間の施設については、国の「民間施設についてのガイドライン」を参考に、校長が教育委員会と連携して判断します。

ここで見られるのは、開く人の免許ではなく、保護者と学校の間に十分な連携があるか、その施設での活動が子どもの自立を助けるものか、といった中身です。だからこそ、3章の「連携」と「記録」が大切になります。出席扱いになるかどうかは一人ひとりの状況で変わるので、「必ず出席になります」とは言えません。保護者と一緒に、在籍校に相談するところから始めます。

NIJINアカデミーの公式サイトでは、出席認定は希望者のうち97%と紹介されています(公式サイト)。学校とのやり取りの積み重ねがある仕組みに加わることは、資格を持たない人にとって心強い土台になります。

7開業前のチェックリスト

資格を取りに行く前に、次の項目を確かめてみてください。いまの教室の運営と重なるものが、いくつあるでしょうか。

資格のかわりに確かめる8つのこと

  • 平日の9:00〜16:00の間に、5時間ほど使える場所がある(または、あてがある)
  • けが・体調不良・災害のときの連絡と対応を、紙に書いて説明できる
  • 活動中の事故に備える保険について、保険会社や窓口に相談した
  • 子どもに伝えたい「得意」や「好き」を、ひとつ言葉にできる
  • 通った日と活動の内容を記録し、保護者に伝える方法を決めた
  • 事業の届出や、活動内容に応じた手続きを、自治体や税務署の窓口で確かめた
  • 困ったときに相談できる仲間や組織がある
  • 週1日でも、長く続けられるペースになっている
半分以上に印がつけば、資格がなくても準備はかなり進んでいます。
条件を先に確かめたい方へ資格・時間・報酬・費用を、募集ページに先にまとめています。
教室長の募集ページを見る →
フリースクールの開業前に、資格以外の準備がそろったかを教室でチェックリストを手に確かめる場面(イメージ)
資格は必須ではありませんが、安全や連絡体制など、開く前に整えておきたいことはあります。一つずつ確かめましょう。

8よくある質問

フリースクールを開くのに、本当に何の資格もいりませんか?
開業そのものに必須の資格や免許はありません。ただし、事業を始めるときの届出や、食事の提供・建物の使い方など活動内容に応じた手続きが必要になる場合があります。内容と地域によって変わるので、自治体や税務署の窓口で確かめてください。
教員免許がないと、保護者に信頼されないのでは?
保護者が見ているのは、子どもが安心して過ごせるか、困ったときにきちんと連絡が来るか、という点です。安全の備えと、ていねいな報告の積み重ねが信頼になります。NIJINアカデミーの教室長の募集ページでも、免許の有無より、子どもを主体とした教育への情熱と、専門性やこれまでの経験を重視すると書かれています。
民間の資格や講座は、取っておいたほうがよいですか?
学びとして役に立つものはありますが、開業の条件ではありません。費用と時間をかける前に、まず自分がどんな場をつくりたいかを言葉にし、足りない知識が何かを確かめてから選ぶと無駄がありません。
勉強を教えられないと、だめですか?
フリースクールの活動は、教科の学習だけではありません。体験や表現、ものづくり、人との関わりも学びです。NIJINアカデミーでは、子どもたちは週4日メタバース校舎で学び、週1日リアル教室に通います。リアル教室は、教室長の得意を生かした特化型です。
自分の教室を続けながら、開けますか?
募集ページのよくある質問に、自分の教室を運営していても開校は可能で、教室の空き時間の活用として専門性を生かした教室にしてほしい、とあります。いまの事業との関係など気になる点は、選考の中で質問できます。
出席扱いにしてもらうために、資格は必要ですか?
出席扱いは、在籍校の校長が、保護者と学校の連携や活動の内容などを見て判断します。開く人の資格で決まるものではありません。一人ひとりの状況で変わるので、保護者と一緒に在籍校へ相談してください。要件はフリースクールが出席扱いになる要件でくわしく解説しています。
パソコンが得意ではありません。大丈夫でしょうか?
NIJINアカデミーの教室長については、募集ページに、まずは「子どもたちと何がしたいか」という想いを大切にしている、と書かれています。選考には約1か月のオンライン実習があり、週2〜3時間ほどメタバース校舎での活動を体験できます。
フリースクールの運営に役立つ資格や経験には、どんなものがありますか?
必須ではありませんが、教員免許や教員の経験、保育士・幼稚園教諭、心理・福祉の資格は、保護者に伝わる安心材料の一つになります。教室運営の経験や得意分野の実績も、大きな強みです。これから取りに行く前に、いま持っているものを棚おろししてみてください。「持っていると役に立つ資格・経験」の章でくわしく説明しています。
フリースクールを開業・設立するとき、資格のかわりに何が問われますか?
問われるのは、安全を守る備え、子どもを主役にする関わり方、保護者・在籍校との連携、続けられる体制、あなた自身の専門性の5つです。保護者も在籍校の先生も、子どもを預けて大丈夫かを見ています。すでに教室を持っている方は、安全の決まりや保護者とのやり取りなど、いまの運営で積み重ねていることが多いはずです。

9まとめ

フリースクールの開業に、必須の資格はありません。教員免許がなくても開けます。そのかわりに問われるのは、安全の備え、子どもを主役にする関わり方、保護者や在籍校との連携、続けられる体制、そしてあなた自身の専門性です。

英語、プログラミング、料理、学習塾。すでに教室を持っている方は、場所と保護者対応の経験という、資格では手に入らないものを持っています。一人で一から開く道もあれば、仕組みのあるところに加わって開く道もあります。どちらが合うかは、人それぞれです。まずは条件を見比べて、自分のペースで考えてみてください。

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この記事は一般的な情報をまとめたもので、個別の開業や経営の結果を保証するものではありません。法律・税金・届出・補助金は、内容や地域によって扱いが変わります。決める前に、お住まいの自治体、税務署、教育委員会などの公式の窓口で確かめてください。NIJIN の条件は、公式の募集ページに載っている内容です。最新の内容は募集ページをご覧ください。

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