「学校だけが学びじゃない」強みを学びに変え、未来の選択肢を増やす

千葉県匝瑳市出身、30代の佐藤仁美さん(通称:ひとねえ)。作業療法士として病院に勤務したのち、子どもたちの発達や成長を支援する児童発達支援・放課後等デイサービスの世界へ進み、現在も現場で子どもたちの支援に携わっています。

NIJINアカデミーでは、千葉県東金市にリアル教室「東金校」を開校。小学生から高校生まで、発達障害のある子や体調面から自宅療養している子など、一人ひとりに合わせた専任サポートも行っています。作業療法士としての経験を生かしながら、その子の「強み」を見つけ、学びと結びつけることを大切にする佐藤さんに、これまでの歩みと今の想いを聞きました。

NIJINアカデミー 東金校教室長 佐藤仁美(ひとねえ)さん
佐藤 仁美(さとう ひとみ)さん
通称:ひとねえ/30代
東金校 教室長専任サポート

いまは、どのようなお仕事をしていますか?

NIJINアカデミーでは、千葉県東金市にリアル教室を開校し、子どもたちと一緒に「教室の外にある学び」を楽しんでいます。

東金校では、農業や自然体験、販売体験など、実際に見て、聞いて、触れて、体験する学びを大切にしています。Canvaの使い方を覚えてチラシやスライドを作るなど、子どもたちが自分の「やってみたい」を形にするためのスキルも身につけています。地域で活躍している大人に直接会いに行き、その人の仕事や生き方から学ぶこともあります。

手作りのメッセージカードを手に、笑顔を見せる佐藤さん
手作りのメッセージカードを手に、笑顔を見せる佐藤さん

専任サポートでは、1対1でその子の特性やペースに合わせて関わっています。大人が「これを勉強しよう」と決めるのではなく、その子が今やりたいこと、好きなこと、得意なことを一緒に見つけ、そこから学びへつなげていきます。

その子の強みを見つけ、学びと結びつけること。それが私の仕事です。

ニジンで働きたいと思ったきっかけは?

私がNIJINに惹かれた一番の理由は、「選べること」です。

私の息子は2歳の頃から、毎日のように「保育園に行きたくない」と言っていました。当時の私はフルタイム勤務。嫌がる息子を保育園に連れて行き、仕事へ向かう毎日でした。小学校に入ってからも、月に1回ほど「学校に行きたくない」と座り込むことがあり、朝になると「仕事に行くのか、目の前のわが子を優先するのか」と何度も悩みました。

たくさんの葛藤をともに乗り越えてきた、息子さんとの一枚
たくさんの葛藤をともに乗り越えてきた、息子さんとの一枚

息子には弱視もあります。見えにくさからテストで0点を取ったこともありましたし、上級生から心ない言葉をかけられたこともありました。見え方への配慮が十分ではないテストや、「いじり」という言葉で片づけられてしまう悪口。親として経験するなかで、私は日本の教育に疑問を持つようになりました。

そんな私にとって、NIJINの魅力は「学校以外の選択肢がある」ということ。そしてオンラインだからこそ、住んでいる場所に関係なく全国の仲間とつながれることです。学校が合わなくても、「NIJINがある」と思える。

笑顔があふれる、子どもたちとのひととき
笑顔があふれる、子どもたちとのひととき
子どもが「これ何だろう?」と思ったことを、「じゃあ、実際に見に行こう」と動ける。見て、聞いて、触れて、五感を使って学べる。そんな教育を子どもたちと一緒につくれることに、私はワクワクしました。

ニジンで働いて一番心動かされた出来事/エピソードを教えてください

今でも強く印象に残っているのは、ASD(自閉スペクトラム症)のある子が、NIJINのオンライン体育に夢中になって参加していた姿です。

私はこれまで療育の現場で働いてきました。一般的に、視覚情報や聴覚情報が多い環境は、発達特性のある子にとって刺激が多く、集中しにくかったり、疲れやすかったりすることがあります。そのため、「刺激を減らす」「環境をシンプルにする」という考え方を大切にしてきました。

だからこそ、NIJINの体育を見たときは驚きました。画面の中にはたくさんの子どもたちがいて、声も動きもある。それなのに、その子は画面を真剣に見ながら、一生懸命身体を動かしていました。何より、楽しそうだったんです。

「こんなに情報があるのに、こんなに集中できるんだ」。子どもたちが楽しめる授業づくりと、その子が参加しやすくなるように考えられたスタッフの環境設定。その二つが合わさることで、「この子には刺激を減らさなければ」という私の中にあった療育の常識が、いい意味で壊されました。

子どもの可能性を、大人側の「この子には難しい」という常識で決めてはいけない。そう改めて教えてもらった出来事でした。

仕事のむずかしさややりがいについて教えてください

難しさでもあり、やりがいでもあるのは、「一人ひとり正解が違う」ということです。

私は作業療法士として、そして児童発達支援や放課後等デイサービスの現場で、発達障害のある子どもたちと関わってきました。でも、同じ診断名がついていても、得意なこと、苦手なこと、興味を持つこと、心地よい環境は一人ひとり違います。だからこそ、診断名や「一般的にはこうする」という支援方法だけで、その子を見ることはしたくありません。

特に専任サポートでは1対1だからこそ、その子の「好き」をとことん掘り下げます。ゲームが好きなら、そこから何が学べるのか。ものづくりが好きなら、それをどう社会とつなげられるのか。「勉強させる」のではなく、本人が夢中になれることの中にある学びを一緒に探していきます。

昨日うまくいった方法が、今日はうまくいかないこともあります。でも、「これならやりたい!」という瞬間に出会い、その子の表情が変わる。その瞬間が、この仕事をしていて一番おもしろいところです。

これからニジンで挑戦したいことはなんですか?

私がつくりたいのは、発達障害のある子どもたちが、将来「就労支援」や「障害者雇用」だけではなく、自分の好きなことや得意なことで生きていく道も選べる世界です。

もちろん、就労支援や障害者雇用も大切な選択肢です。でも、それだけが道ではありません。「絵を描くのが好き」「ゲームが得意」「人と話すのが好き」「パソコンなら何時間でも触っていられる」。子どもたちが持っている強みは、見方や育て方を変えれば、将来の仕事につながる可能性があります。

だから私は、NIJINアカデミーで、子どもたちが「自分の力でお金を稼ぐ」というところまで経験できるようにしたいです。東金校で販売体験をしたり、Canvaでチラシをつくったり、地域で働く大人に直接会いに行ったりしているのも、そのためです。

「好き」が学びになり、学びが誰かの役に立ち、やがて仕事になる。子どもたちが大人になったとき、「自分にはこれしかない」ではなく、「私はこれを選びたい」と言えるように。そのための力を、子どものうちから一緒に育てていきたいです。

読者に向けてメッセージをお願いします!

学校に行けない、集団が苦手、勉強が苦手、発達に特性がある。そう聞くと、私たち大人はつい「できないこと」に目を向けてしまいます。でも、子どもたちと関わっていると、本当にそうなのかな?と思うことがたくさんあります。

環境が変わればできるかもしれない。方法を変えればできるかもしれない。そして何より、その子が「やりたい」と思えることなら、私たち大人が想像している以上の力を発揮するかもしれません。

学校が合わなければ、違う場所を選んでもいい。学び方だって、一つでなくていい。「学校に行けないから、将来の選択肢が減る」のではなく、今だからこそ自分の好きなことや強みに、とことん向き合える時間にしてほしい。

子どもの可能性を、今の「できる・できない」だけで決めない。一緒に、その子にしかない強みを探していきましょう。
NIJINアカデミー東金校で教室長を募集中

「できる・できない」で決めつけない。
子どもの可能性を一緒に探せる仲間を、NIJINは募集しています。

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