「魔の11月」がしんどい先生へ|学級が荒れる時期の守り方と冬の考えごと

「魔の11月」がしんどい先生へ|学級が荒れる時期の守り方と冬の考えごと
執筆:NIJIN 採用チーム/読了目安:15分
「魔の11月」は、学級が荒れやすく先生もしんどくなる時期を指す、学校現場の言い伝えです。公的な定義も、11月だけを取り出した国の統計もありません。けれど、行事のあとの疲れや学期末の仕事が重なる時期なのは確かです。あなたの力不足ではありません。

この記事は、国の調査や法律で確かめられることと、確かめられないことを分けて書きます。そのうえで、学級と自分を守る手立てと、冬休みに落ち着いて考えたい「この先」のことを、残る道・外へ出る道・両方に関わる道を並べて整理します。

この記事で分かること
  • 「魔の11月」は言い伝えであり、公的な定義や月別の統計は見当たらないこと
  • 国の調査で確かめられる、先生の働く時間と心の不調による休職の数字
  • 11月から12月に負担が重なりやすいと言われる5つの背景
  • 学級が落ち着かないときのサインと、一人で抱えない最初の手立て
  • 冬休みに考えたい、残る・外へ出る・両方に関わる3つの道

1「魔の11月」とは|先に結論

運動会や学習発表会が終わったころから、教室がざわつきはじめる。注意する回数が増え、放課後は面談の準備と成績の仕事。外はもう暗い。「魔の11月」と検索したのは、そんな毎日の中かもしれません。

先に結論をお伝えします。

  • 「魔の11月」は、学校現場で語り継がれてきた言葉です。「11月危機」「11月の荒れ」とも呼ばれます。法律や国の資料に定義がある言葉ではありません。
  • 11月に学級の荒れや先生の不調が増えることを示す、月別の公的な統計は見当たりません。この記事で確かめた国の調査は、どれも年度ごとの数字でした。
  • それでも、しんどさは気のせいではありません。国の調査では、10・11月の教諭の平日の在校等時間は1日10時間45分(小学校)、11時間01分(中学校)でした。
  • だから、守る順番は「自分→学級→この先」です。まず休み、学級のことは分け合い、大きな決断は冬休みに落ち着いてから考えれば間に合います。

2公的な数字で確かめる|月別の統計はあるのか

「11月は学級崩壊や休職が多い」と書かれた記事を見かけます。国の調査を開いて、何が分かり、何が分からないのかを確かめます。

国の調査分かること11月についての数字
教員勤務実態調査(令和4年度・速報値)先生の1日当たりの在校等時間。調べた時期は令和4年の8月、10月、11月10・11月を合わせた数字はある。11月だけをほかの月と比べた数字は、速報値の概要には載っていない
児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査(令和6年度)暴力行為、いじめ、不登校などの1年間の件数・人数調べる期間は「年度間」。概要に月ごとの数字は載っていない
公立学校教職員の人事行政状況調査(令和6年度)精神疾患による病気休職者の人数や、休職の要因についての教育委員会の認識年度の人数。概要に、何月に休みに入ったかの数字は載っていない

つまり、「11月がいちばん危ない」と数字で言い切れる公的な資料は、この記事では見つけられませんでした。「魔の11月」は、統計ではなく、たくさんの先生の実感から生まれた言葉だと受け止めるのが正直なところです。

分かること①|10・11月の先生の働く時間

教員勤務実態調査(令和4年度)は、小学校1,200校、中学校1,200校、高等学校300校に勤めるフルタイムの常勤の先生を対象に行われました。10・11月の教諭の1日当たりの在校等時間(平日)は、次のとおりです。

小学校10:45・中学校11:0110・11月の平日、教諭が学校にいる時間の平均です(時間:分)。資料は、前回の調査(平成28年度)より減ったものの、依然として長時間勤務の教師が多い状況だとまとめています。

分かること②|心の不調で休む先生の数

文部科学省の人事行政状況調査によると、令和6年度に精神疾患で病気休職した公立学校の教育職員は7,087人で、全体の0.77%でした。前の年度(7,119人)から32人減りましたが、割合は横ばいです。

令和2年度5,203人
令和3年度5,897人
令和4年度6,571人
令和5年度7,119人
令和6年度7,087人
精神疾患による病気休職者数(公立学校の教育職員)。年度ごとの人数で、月別の数字ではありません(文部科学省 人事行政状況調査)。

同じ調査で、休職の要因について教育委員会にたずねた結果は、多い順に「児童・生徒に対する指導そのものに関すること」(26.5%)、「職場の対人関係」(23.2%)、「校務分掌や調査対応など事務的な業務に関すること」(12.7%)でした。子どもへの指導で悩むことは、多くの先生に起きていることです。

分かること③|学級で起きていることの全国の数字

文部科学省の通知によると、令和6年度の小・中・高等学校の暴力行為は約12万9千件、小・中・高・特別支援学校のいじめの認知件数は約76万9千件、小・中学校の不登校児童生徒数は約35万4千人で、いずれも過去最多でした。一人の担任の工夫だけで受け止めきれる量ではなくなっている、と読むこともできます。

出典:文部科学省「教員勤務実態調査(令和4年度)【速報値】について」mext.go.jp/「令和6年度公立学校教職員の人事行政状況調査について」mext.go.jp/「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」mext.go.jp

3なぜ11月に重なりやすいと言われるのか|5つの背景

魔の11月の夕方、子どもが帰ったあとの教室で窓の外を見ながらひと息つく20代の先生(イメージ)
日が短くなり、行事のあとの疲れと学期末の仕事が重なる11月は、だれでもしんどくなりやすい時期です(イメージ)。

月別の統計がないのに、なぜ多くの先生が「11月はしんどい」と感じるのでしょうか。学校現場でよくあげられる理由を、5つにまとめました。①と⑤の一部は公的な資料で確かめられますが、ほかは編集部による整理です。学校や学年によって、当てはまり方は違います。

① 日が短くなる帰るころには外が暗い。放課後の時間が短く感じられる
② 行事のあとの空白運動会や発表会など、みんなで目指すものが終わる
③ 慣れと関係の固定4月から半年以上。学級の人間関係が動きにくくなる
④ 学期末の仕事成績、所見、面談の準備が同じ時期に集まる
⑤ 春からの疲れ先生も子どもも、休みきれないまま冬に向かう
「魔の11月」の背景としてよくあげられる5つ。1つずつは小さくても、重なると重くなります。

① 日が短くなる|東京の日の入りは16時半ごろ

国立天文台の暦のページによると、2026年の東京の日の入りは、6月下旬が19時ごろなのに対して、11月1日は16時46分、11月30日は16時28分です。同じ時刻まで働いていても、6月と11月では「遅くまで残っている」という感じ方が変わります。

② 行事のあとの空白

秋は運動会、学習発表会、合唱コンクール、文化祭などの行事が多い時期です。行事があるあいだは、学級に共通の目標があります。終わったあとに次の目標が見えないと、気持ちがゆるみやすいと言われます。

③ 慣れと関係の固定

4月から半年以上がたち、子どもは学級にも先生にも慣れます。良い意味の安心が生まれる一方で、ルールがあいまいになったり、仲間どうしの関係が固まって、入りにくい子が出てきたりします。

④ 学期末の仕事が見えてくる

3学期制の学校では、11月の後半から12月にかけて、成績の処理、所見、個人面談や三者面談の準備が重なりやすくなります。時期や内容は、学期の分け方や自治体、学校によって違います。

⑤ 春からの疲れ|12月は冬休みまで祝日がない

国民の祝日に関する法律で定められた祝日を月ごとに数えると、次のようになります。

月国民の祝日東京の日の入り(2026年)
6月なし下旬は19時ごろ
11月2日(文化の日・勤労感謝の日)1日は16時46分、30日は16時28分
12月なし―(この記事では確かめていません)

「魔の6月」という言葉もありますが、6月には祝日がありません。11月には祝日が2日ありますが、そのあとは冬休みまで祝日がありません。11月の後半から、学期末の仕事と合わせて、息をつく日が少なくなります。

なお、11月は、過労死等防止対策推進法で「過労死等防止啓発月間」と定められている月でもあります。

大事なのは、5つとも「先生の力」とは別のところにあることです。季節、行事の予定、仕事の締め切り。どれも、一人の担任が動かせるものではありません。学級が落ち着かないとき、まず自分を責める必要はありません。

出典:国立天文台 暦計算室「各地のこよみ(東京)」eco.mtk.nao.ac.jp/e-Gov法令検索「国民の祝日に関する法律」laws.e-gov.go.jp/「過労死等防止対策推進法」(第5条)laws.e-gov.go.jp

4学級を守る|荒れのサインと最初の手立て

学級が落ち着かなくなるとき、多くの場合、その前に小さなサインがあります。次の表は編集部による整理です。「こうすれば必ず収まる」という方法はありませんが、早く気づいて、早く分け合うことが、どの場面でも土台になります。

よくあるサイン最初の手立て分け合う相手
授業の始まりが遅れる。私語や立ち歩きが増えるルールを増やすより、始まりの1分にすることを決める。できている子に先に声をかける学年の先生に、1時間だけ教室を見てもらう
友達どうしのもめごと、陰口が増える日時と事実を短く記録する。一人ずつ話を聞く学年主任、生徒指導の担当。いじめの疑いがあれば学校の組織へ
忘れ物、提出の遅れ、遅刻や欠席が増える責める前に「何かあった?」と聞く。家庭には短く、早めに伝える養護教諭、スクールカウンセラー
先生への反発、きつい言葉が出るみんなの前で言い負かそうとしない。場所と時間を変えて1対1で聞く管理職、生徒指導の担当
行事のあと、学級全体に元気がない冬休みまでの小さな目標を、子どもと一緒に決める学年で、同じ時期の取り組みをそろえる

サインの奥には、子どもの困りごとが隠れていることがあります。

荒れているように見える子が、じつはいちばん困っている子だということもあります。行動の奥にあるものを考えるヒントとして、タツロー校長の動画を1本紹介します。

【かんしゃく】暴れる•手が出る子は問題児ではなく誰よりも傷ついている子?〇〇を変えれば急激に変化します▶
▶ タツロー校長|【かんしゃく】暴れる•手が出る子は問題児ではなく誰よりも傷ついている子?〇〇を変えれば急激に変化します

「一人で抱えない」は、国も求めていること

文部科学省は、2章で紹介した通知の中で、子どもたちの小さなSOSを見逃さず、「チーム学校」で素早く支援するよう求めています。調査結果の概要でも、いじめの重大事態が増えた背景の一つとして、個々の教員が一人で抱え込んでしまうなど、組織的な対応に課題があった可能性があげられています。

「担任なのだから自分で何とかしなければ」と思う先生ほど、相談が遅れます。早く相談するのは、力がないからではなく、国の方針に沿った正しい動き方です。

職員室で相談しにくいと感じている方は教員の人間関係がつらいときにを、保護者とのやり取りが重い方は教員の保護者対応ストレスもご覧ください。

明日の負担を一つ減らす、短いチーム相談の進め方

「学級を立て直さなければ」と一人で対策を増やすと、準備や記録の負担まで大きくなりがちです。まずは、いま起きている場面を一つ選び、次の授業や休み時間に誰が何をするかを同僚や管理職と決めるところから始めましょう。

以下は日常の相談を具体化するために編集部が作った整理例です。学校の正式な対応手順や判断を置き換えるものではありません。けがや危険、いじめの疑いなどは、短い打ち合わせを待たず、学校の方針に沿って速やかに報告・対応します。

相談の順番共有する内容言い方の例
事実を一つに絞るいつ・どこで・何が起きたか昨日の清掃開始時、教室を離れる生徒がいた
既にしたことを伝える声をかけた後の様子・まだ分からないこと別室で話すと戻れた。理由は確認中
一つだけ協力を頼む場面・担当・期間を具体化する明日と明後日の清掃開始時に一緒に見てもらえますか
振り返りを決める確認する相手と次に話す時点2回実施した後、学年で様子を共有したいです

「荒れている」「やる気がない」といった評価だけでは、支援の方法を決めにくくなります。行動が起きた場面、本人が話したこと、落ち着いていた条件を分けて記録すると、別の先生も関わり方を考えやすくなります。本人の言葉から分からないことは、推測を事実として埋めないようにします。

協力を頼んだあとは、自分の仕事も一つ減らします。たとえば追加プリントの新作をやめて既存教材を使う、学年で共有できる資料を相談するなどです。すべてを同時に改善する計画ではなく、次の日に実行できる範囲を決めることが大切です。

文部科学省の「生徒指導提要」は、目標の共有、支援計画、実践、点検・評価というチーム支援の過程を示しています。上の例はその考え方を踏まえた日常の相談の一例であり、「魔の11月」に共通する原因や万能な対策を示すものではありません。

参考:文部科学省「生徒指導提要」第3章(2026年10月21日確認)

5自分を守る|11月から冬休みまでの乗り切り方

魔の11月を一人で抱えないよう、放課後の小さな部屋で先輩の先生に学級のことを相談する若い先生(イメージ)
「この1時間、教室に入ってください」と具体的に頼むと、相手も引き受けやすくなります(イメージ)。

学級を守るには、先生が倒れないことがいちばん先です。11月から冬休みまでの数週間を、「良くする」より「越える」と考えてみてください。

  1. やらないことを決める。掲示物の貼りかえ、凝った学級通信、新しい取り組み。冬休みまでは、足すより減らします。
  2. 締め切りを書き出して、後ろから並べる。成績、所見、面談。終わりの日から逆に数えて、1日にする量を小さくします。
  3. 帰る時刻を、週に2日だけ先に決める。毎日は難しくても、2日なら守れることがあります。予定表に書いてしまいます。
  4. 頼みごとを具体的にする。「大変です」より「この1時間、入ってください」。頼まれた側も引き受けやすくなります。
  5. できたことを1行だけ残す。うまくいかなかった日ほど、子どもの良かった姿を1つ書きます。
  6. 体のサインを見のがさない。眠れない、食べられない、朝になると動けない。続くときは、仕事の工夫より先に相談です。

12月に重なる仕事を先に知っておくと、あわてずに済みます(編集部による整理。時期は学校によって違います)。

時期の目安重なりやすい仕事先回りできること
11月の前半行事の片づけ、ふり返り。次の単元の準備行事の記録を、所見に使えるメモとして残しておく
11月の後半テストや評価の材料集め。面談の日程調整面談で伝えることを、一人につき良い点1つ・相談1つにしぼる
12月の前半成績の処理、所見、面談所見は毎日数人ずつ。文の型を学年で共有する

眠れない、食欲がない、朝になると体が動かないといった状態が続いているときは、体と心を守ることを優先してください。この記事は、状態を見分けたり判断したりするものではありません。医療機関のほか、公立学校共済組合は組合員と被扶養者に向けて、電話・面談やLINEでのメンタルヘルス相談などの健康相談事業を行っています。厚生労働省の「こころの耳」は、働く人のメンタルヘルスのポータルサイトで、相談窓口の案内があります。受付の時間や利用のしかたは、それぞれの公式サイトで確かめてください。休むための制度は教員の休職ガイドにまとめています。

出典:公立学校共済組合「心と体の健康情報」kouritu.or.jp/厚生労働省「こころの耳」kokoro.mhlw.go.jp

学校の外にある教育の仕事を、まず見てみる少人数のクラスを在宅で受け持つ先生、1対1で子どもに伴走する先生など、NIJINの募集職種と働き方を確かめられます。見るだけでもかまいません。
募集職種を見る →

6冬休みに落ち着いて考えたい、3つの道

魔の11月を越えた冬休みの朝、自宅の窓ぎわで温かい飲み物を手にこの先のことをノートに書く先生(イメージ)
大きな決断は冬休みに。何が重かったのかを書き出すと、選べる道が見えてきます(イメージ)。

しんどい時期の真ん中にいると、「もう辞めるしかない」と「自分が弱いだけだ」のあいだを行ったり来たりします。11月のうちに、大きな答えを出す必要はありません。公立学校の冬休みの期間は、学校教育法施行令にもとづいて教育委員会が定めています。子どもの冬休み中も、ふつう先生の勤務は続きますが、授業のない日ができる時期です。考えるのは、そこまで待ってかまいません。

① まず休む最初の数日は、考えごとをしないと決める
② 書き出すこの秋、何がいちばん重かったかを3つ書く
③ 分ける季節や学級のことか、仕事そのもののことかを分ける
④ 人の話を聞く残った人、出た人、両方に関わる人の話を1つずつ
⑤ 一歩だけ決める3学期にすることを1つ。大きな決断でなくてよい
冬休みの考えごとの順番。答えを出すためではなく、選べる道を増やすための時間です。

③の「分ける」が大切です。重かったものが「11月という時期」や「今年の学級」にあるなら、年度が変われば軽くなるかもしれません。「学校という場で、やりたい教育が増やせない」というところにあるなら、時期が過ぎても残ります。どちらなのかで、選ぶ道が変わります。

道どんな形か合いやすいとき気をつけること冬休みの一歩
残るいまの学校や自治体で、学年・分掌・学校を変えながら続ける重さの中心が、今年の学級や担当、この時期にあるとき分担や異動の決まり方は、学校や自治体ごとに違う来年度の希望を、理由と一緒に言葉にしておく。学校の外に学ぶ仲間を持つ
外へ出る退職して、学校の外の仕事に就く学校というしくみの中では、やりたいことが増やしにくいとはっきりしたとき収入や働き方の安定は、公立学校と性質が違う。辞める時期の決まりもある学校を離れた人の話を聞く。仕事を見比べる
両方に関わる先生を続けながら、学校の外の学びの場にも関わる辞めるかどうかを決める前に、外を確かめたいとき報酬を得る場合は、兼業の決まりがある管理職に兼業の決まりを確かめる

どれが正しいということはありません。確かめて自分で選んだのなら、どれも同じ重さの答えです。

残る|学校の外に、学ぶ仲間を持つ

残る道を選ぶなら、職員室のほかに話せる場所を一つ持っておくと、次の11月が変わります。NIJINグループには、現役の先生のためのコミュニティがあります。

小学校の先生には授業てらすがあります。公式サイトによると、小学校の先生が授業力を磨くオンラインコミュニティで、プロ講師の授業を見る、自分の授業の動画を見せてフィードバックを受ける、少人数で教科や日々の悩みを語り合う、という3つが特徴です。サイトには「授業が変わると学級が変わる」という考え方が書かれています。

中学校の先生には中学校てらすがあります。全国の中学校教員が集まるオンラインの教員コミュニティで、学級経営・特別活動・授業づくりの実践を、現役の先生どうしで学び合う場です。運営の中心は、いま教室に立っている現役の中学校教員だと紹介されています。

外へ出る|辞める時期と、その前に確かめること

年度の途中で辞める場合の決まりは教員は年度途中で退職できる?に、辞めるかどうかの決め方は教員を辞めるか迷う先生へにまとめています。

両方に関わる|続けながら、外を確かめる

公立学校の先生が報酬を得て学校の外の仕事をする場合は、決まりがあります。地方公務員法第38条は、任命権者の許可を受けなければ、報酬を得て事業や事務に従事してはならないと定めています。教育公務員特例法第17条は、教育に関する他の職や事業に、本務に支障がないと認められる場合に従事できると定めています。始める前に、必ず管理職に確かめてください。くわしくは教員は副業できる?をご覧ください。

出典:e-Gov法令検索「学校教育法施行令」(第29条)laws.e-gov.go.jp/「地方公務員法」(第38条)laws.e-gov.go.jp/「教育公務員特例法」(第17条)laws.e-gov.go.jp

どの道か決めきれないとき

一人では決めきれないときは、話しながら整理する方法もあります。

先生キャリアコーチの面談の様子
NIJINの事業先生キャリアコーチ教員のキャリア転換に特化した、伴走型のコーチングです。「辞めるか、続けるか。その前に、体験する。」を掲げ、コーチング・メンタリング・キャリアダイブの3つのプログラムで、強みを知り、実際の働き方を体験します。教員を続けるか、新しい道へ進むかは、自分で選びます。先生キャリアコーチを見る →

公式サイトには、「このままでいいのか」と迷っている先生の悩みが例としてあげられています。よくある質問には、転職するか決めていない段階でも相談でき、無理に転職をすすめることはないこと、平日の夜や土日など学校勤務に合わせて日程を調整できること、秘密を守って対応することが書かれています。

7学校の外で、自分のやりたい教育をするという道

3つの道を並べたうえで、「学校の外で、自分のやりたい教育をする」選択肢の一つとして、NIJINを紹介します。

NIJINは、不登校や学校が合わない小中学生が学ぶ「NIJINアカデミー」などを運営する会社です。採用サイトによると、代表の星野は小学校教諭として7年間子どもと向き合い、一人の教師では学校の外の子どもまでは届かないという現実から、2022年に創業しました。ミッションは「人を責めず、仕組みを創る。」です。問題の原因を、子ども、先生、家庭の努力不足に置かないという考え方です。

募集ポジション一覧には、次のような仕事が載っています。

  • NIJINアカデミーの先生(メタバースクラス担任)。インターネット上の校舎で、8人の少人数クラスの担任をします。面談、週2回のクラス会議、月4回以上のオンライン授業で子どもに伴走します。完全在宅で、契約は業務委託です。
  • 専任サポート(1対1の先生)。不登校や集団への参加に不安がある子どもに、週1回のオンライン面談と日々のメッセージで伴走します。週1日から始められます。

良いことだけではありません。採用サイトには、仕事は業務委託が中心で、報酬は担当する仕事と稼働で決まり、人によって変わること、自分で環境をつくる主体性が必要で、大企業のような完成された保証はまだないことが書かれています。学校の外へ出れば楽になる、とは約束できません。公立学校に在職したまま関わりたい方は、6章の兼業の決まりを先に確かめてください。

しんどい時期を経て、学校の外へ移った人の声

じゅりたろうさんのインタビュー記事の写真

じゅりたろうさん(國吉 樹里さん)

公立中学校の保健体育教員を7年/NIJINアカデミーのメタバース担任

「今思えば、できないことがあって当たり前なのに、生徒の前では『先生らしくいなければ』と自分をつくり、自然体の自分を見せることができませんでした。」

じゅりたろうさんのインタビューを読む

インタビューによると、じゅりたろうさんは新卒1年目から担任、部活動の主顧問、運動会の運営を任され、周りの先生に追いつこうと必死だったそうです。その後、心身の調子を崩して休職と退職を経験しました。その後「やっぱり教育がしたい」という気持ちに気づき、在宅でできる教育の仕事を探して、いまは2クラスの担任をしています。

一方で、いまの仕事には決まった正解がなく、子どもに合わせてより良い方法を考え続ける難しさがあること、自分は一人で抱え込みやすく、まだ勉強中であることも、同じインタビューで話しています。場所を変えれば悩みがなくなるわけではなく、悩みの種類が変わるのだと分かる言葉です。

学級が落ち着かず、担任を続けるのがつらいときは、学級崩壊で担任を辞めたいと感じたら|自分を責める前に確かめたい5つもあわせて読んでみてください。

8よくある質問

「魔の11月」は、本当にあるのですか?
学校現場で語り継がれてきた言葉で、公的な定義はありません。11月に学級の荒れや先生の不調が増えることを示す月別の公的な統計も、この記事では見つけられませんでした。
11月に学級が落ち着かなくなるのは、担任の力不足ですか?
そうとは言えません。日の長さ、行事の予定、学期末の締め切りなど、担任が動かせない事情が重なる時期です。国も、問題を一人で抱えず「チーム学校」で対応するよう求めています。早めに学年や担当の先生と分け合ってください。
「魔の6月」とは、何が違うのですか?
どちらも言い伝えで、公的な定義はありません。国民の祝日に関する法律を見ると、6月には祝日がなく、11月には2日あります。11月は日の入りが早く、学期末の仕事が近いという点が違います。
先生は、12月がなぜ忙しいと言われるのですか?
3学期制の学校では、成績の処理、所見、面談、冬休み前のまとめが同じ時期に集まりやすいからです。ただし、月ごとの忙しさを比べた公的な数字は確かめられておらず、時期は学校によって違います。
朝、学校へ行くのがつらい日が続いています。どうすればよいですか?
眠れない、食べられないといった状態が続くときは、仕事の工夫より先に、医療機関や相談窓口に相談してください。公立学校共済組合の健康相談事業や、厚生労働省の「こころの耳」に窓口の案内があります。この記事は、状態を判断するものではありません。
冬休みのあいだに、辞めるかどうかを決めたほうがよいですか?
決めなくてかまいません。冬休みは、何が重かったのかを書き出し、時期のことか仕事そのもののことかを分ける時間にしてください。決めるのは、3学期にすることを1つだけで十分です。
辞めずに、学校の外の仕事を試すことはできますか?
公立学校の先生が報酬を得る場合は、地方公務員法第38条や教育公務員特例法第17条の決まりがあり、任命権者の許可を受けるか、認められることが必要です。始める前に管理職に確かめてください。
学級崩壊しやすい時期は、いつですか?
学級が荒れやすい月を示す公的な統計は、この記事では確かめられませんでした。先生たちのあいだでは「魔の6月」「魔の11月」と言われ、11月は行事のあとの空白、日の短さ、学期末の仕事が重なりやすい時期です。荒れのサインと最初の手立ては、この記事の「学級を守る|荒れのサインと最初の手立て」の章にまとめています。

9まとめ|11月を責めずに越える

「魔の11月」は、統計ではなく、先生たちの実感から生まれた言葉です。だからこそ、しんどいと感じている自分を疑わなくてかまいません。最後に、この記事の内容を確認リストにします。できるところから1つずつ進めてみてください。

  • 「魔の11月」は言い伝えで、自分の力不足の証拠ではないと確かめた
  • 5つの背景のうち、いまの自分に重なっているものを選んだ
  • 学級のサインを1つ、学年やほかの先生と分け合った
  • 冬休みまでに「やらないこと」を1つ決めた
  • 大きな決断は冬休みに回し、3つの道を並べて考えると決めた

学校に残っても、外へ出ても、両方に関わっても、どれも正解です。まずは、この11月を越えること。考えるのは、そのあとで間に合います。

学校の外にも、子ども一人ひとりと向き合う教育の仕事があります。
少人数のクラスや1対1で、自分のやりたい教育を形にする道です。

エントリーする → まず仕事の内容を知りたい方はNIJINの採用サイトで募集職種を見るか、募集ポジション一覧をご覧ください。

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本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の勤務条件や健康状態についての判断を示すものではありません。体調は医療機関や相談窓口へ、異動・兼業・退職の手続きは勤務先や任命権者の教育委員会(私立は勤務先の学校法人)へご相談ください。数字と制度は記事作成時に公式資料で確認したものです(教員勤務実態調査は令和4年度の速報値、人事行政状況調査と問題行動・不登校等調査は令和6年度、日の入りは国立天文台の2026年の東京の値)。「魔の11月」の5つの背景、サインと手立ての表、時期ごとの仕事の表、3つの道の表は編集部による整理で、公的な資料にもとづくものではありません。
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