日本語パートナーズとは?倍率・年齢・待遇と、先生が海外で教える準備

日本語パートナーズとは?倍率・年齢・待遇と、先生が海外で教える準備
執筆:NIJIN 採用チーム/読了目安:15分
日本語パートナーズは、国際交流基金(JF)がアジアの中学校・高校などへ人を送り、現地の日本語の先生のアシスタントとして授業を支える事業です。日本語教育の資格や経験は問われず、満20歳から満69歳の日本国籍の人が応募できます。給料ではなく「滞在費」が月14万〜18万円程度支給され、住居も提供されます。

この記事では、国際交流基金の公式サイトと2026年度第3回の募集要項で確かめたことだけをもとに、仕事の中身、年齢制限などの応募の条件、募集の時期、倍率、待遇を整理します。そのうえで、学校で働く先生が参加するときに確かめたいこと(休職・研修の時期・帰国後)と、海外へ出るほかの道との違いも並べます。

この記事で分かること
  • 日本語パートナーズの役割と、2026年度第3回募集の派遣先・人数・期間
  • 年齢制限(生年月日の範囲)、英語力(CEFRのA2相当)、学歴などの応募の条件
  • 国際交流基金の報告書に載っている応募倍率(5.8倍・5.3倍)
  • 滞在費の額と、支給されるもの・自分で負担するもの
  • 現職の先生が参加するときに、勤め先と確かめたいこと

1日本語パートナーズとは?|先に結論

「海外の学校で、子どもと関わってみたい」「でも、いきなり辞めて海外へ行くのは不安」。そんな先生が調べはじめると、よく目にするのが日本語パートナーズです。先に要点をまとめます。

  • 国際交流基金(JF)の公的な派遣事業です。アジアの中学校・高校などで、現地の日本語の先生のアシスタントとして授業を手伝い、日本の文化を紹介します。
  • 資格や経験は問われません。主な条件は、日本国籍で日本語が母語、日常の英会話ができる(CEFRのA2相当)、約4週間の派遣前研修に全日程参加できること。年齢は派遣先ごとに生年月日で決まります。
  • 「給料」ではなく「滞在費」です。JFとは雇用関係がなく、活動を委嘱される形です。滞在費は月14万〜18万円程度(源泉徴収後)で、住居・往復の航空券なども支給されます。
  • 倍率は平均5倍台です。JFの報告書では、2023年度に3回行った募集の応募倍率の平均が5.8倍でした。
  • 先生が在職のまま参加できるかは、勤め先しだいです。JFは手続きを代わりに行わないため、休職などは自分で教育委員会や学校と相談します。休職して参加し、帰国後に復職した高校の先生の例も公式サイトに載っています。

海外で働く方法を広く比べたい方は教員が海外で働く4つの方法を、ワーキング・ホリデーを考えている方は教員のワーホリをご覧ください。この記事は、日本語パートナーズ1つにしぼって深く見ていきます。

2どこで、何をするのか|活動の中身と派遣先

日本語パートナーズとして、アジアの高校の教室で現地の先生の授業を手伝う20代の日本人女性(イメージ)
主役は現地の日本語の先生。日本語パートナーズは、となりで発音や会話の練習を支えるアシスタントです(イメージ)。

募集要項によると、日本語パートナーズの目的は、東南アジアを中心とするアジアの中学校や高校などで日本語教育を支え、日本語パートナーズ自身も現地の言葉や文化を学んで「アジアの架け橋」になることです。

役割は大きく3つ

① 授業のサポート現地の日本語の先生のアシスタントとして、授業や教材づくりに協力する。会話の相手役もつとめる
② 現地の人との交流日本の文化を紹介しながら、生徒や地域の人と交流する。課外活動や日本のイベントにも関わる
③ 言葉や文化を学び、伝える現地の言葉・文化・社会を学び、その体験を日本に向けて発信する
日本語パートナーズの3つの役割(国際交流基金「よくある質問」「パートナーズって?」をもとに編集部が図にしたもの)。

JFによると、派遣先の日本語の先生の多くは日本語を母語としていないため、発音や会話練習の手伝いが期待されています。主役は現地の先生で、日本語パートナーズはそのアシスタントという立場です。日本の学校で担任をしてきた先生にとっては、「自分が授業をつくる」から「となりで支える」へ、役割の切りかえが大切になります。

2026年度第3回募集の派遣先

いま募集中の第3回(応募期間:2026年10月6日〜11月17日)の派遣先は、次の5つです。いずれも予定で、変わることがあります。

派遣先・期募集人数派遣期間派遣先の学校派遣前研修(予定)
ベトナム14期40名2027年8月〜2028年6月中学校・高校にあたる学校2027年5月上旬〜6月上旬(ベトナム語)
インドネシア27期60名2027年9月〜2028年3月高校にあたる学校2027年7月下旬〜8月下旬(インドネシア語)
台湾12期10名2027年9月〜2028年6月高校にあたる学校2027年6月中旬〜7月中旬(台湾華語)
モンゴル2期5名2027年9月〜2028年5月中等教育機関2027年6月中旬〜7月中旬(モンゴル語)
カンボジア11期3名2027年10月〜2028年7月大学、高校にあたる学校2027年5月上旬〜6月上旬(クメール語)

5つは併願でき、希望の順位もつけられます。募集人数には、別に行う推薦プログラムの人数も含まれます。派遣先の国は内定のときに、派遣される地域や学校は派遣前研修が始まるまでに知らされ、学校を自分で選ぶことはできません。

公式サイトの実績によると、2024年度は325名、2025年度は522名、2026年度は329名(2026年9月30日現在)が派遣されています(短期派遣などを含む)。2014年度から2025年度までの12年間では、15の国と地域へ4,005名が派遣されました。

出典:国際交流基金「日本語パートナーズって?」asiawa.jpf.go.jp/「募集情報」asiawa.jpf.go.jp/「2026年度第3回募集 募集要項」PDF/よくある質問「日本語パートナーズについて」asiawa.jpf.go.jp

3応募の条件|年齢制限・英語力・学歴・国籍

公式サイトの「どんな人が参加できるの?」には、日本語教育の資格・知識・経験は問わないこと、満20歳から満69歳で日本国籍の人、日常英会話ができる人、約4週間の派遣前研修に全日程参加できる人、と書かれています。ただし、くわしい条件は派遣先ごとに募集要項で決まります。第3回の募集要項から、主な条件をまとめます。

条件2026年度第3回の内容
年齢(生年月日)ベトナム:1957年10月1日〜2007年4月1日/インドネシア:1959年4月1日〜2007年4月1日/台湾:1957年11月1日〜2007年4月1日/モンゴル・カンボジア:1957年12月1日〜2007年4月1日。締切の時点で19歳でも、2027年4月1日に20歳になる人は応募できる
国籍・母語日本国籍があり、日本語が母語であること
英語力身近で日常的なことについて、短い簡単なやりとりができること(CEFRのA2相当以上)。派遣先によっては、より高い英語力が求められる場合がある
学歴ベトナム・モンゴル・カンボジア:学士号以上を取得していること/インドネシア:学士号以上、または四年制大学などに在学中/台湾:学歴の追加条件なし(最終学歴か在学の証明書を提出)
研修合宿形式の派遣前研修(約4週間)に全日程参加できること
パソコンメール、Teams、Word・Excel・PowerPoint での簡単な資料づくり、オンライン会議への参加などができること
そのほか現地の一般的な生活環境に対応できる、SNSなどでの発信に協力できる、など

「年齢制限」は派遣先で変わる

年齢は「満20歳から満69歳」が目安ですが、実際の条件は派遣先ごとの生年月日の範囲です。募集要項には、現地の政府の求めなどをふまえて決めていると書かれています。たとえば2026年度第1回のマレーシア13期は、1967年10月1日〜2007年2月1日生まれが対象でした。20〜30代の先生なら年齢で引っかかることはまずありませんが、学歴の条件は国によって違います。応募のたびに、その回の募集要項を確かめてください。

英語は「日常会話」、現地語は研修で学ぶ

派遣先の言葉(ベトナム語、インドネシア語など)は、派遣前研修で学びます。研修中と終わりには語学試験があり、基準点に届かないと派遣の合意を交わさない場合があります。

出典:国際交流基金「日本語パートナーズって?」asiawa.jpf.go.jp/「2026年度第3回募集 募集要項」PDF/「2026年度第1回募集 募集要項」PDF/よくある質問「応募について」asiawa.jpf.go.jp・「派遣前研修について」asiawa.jpf.go.jp

4募集の時期と選考の流れ|2026年度は年3回

日本語パートナーズの募集は、派遣先ごとに年に数回に分けて行われています。2026年度の応募期間は次のとおりでした。

回応募期間派遣先
第1回2026年4月22日〜5月26日カンボジア10期、マレーシア13期
第2回2026年7月9日〜8月19日タイ15期、インドネシア26期、フィリピン14期、インド3期、ラオス12期
第3回2026年10月6日〜11月17日(募集中)ベトナム14期、インドネシア27期、台湾12期、モンゴル2期、カンボジア11期

2025年度も3回の募集があり、第2回は7月15日〜8月27日、第3回は10月15日〜11月26日でした。年度が変わっても、春・夏・秋に募集がある形が続いていますが、日程は毎年変わります。最新の情報は、公式サイトの「募集情報」やメールマガジンで確かめてください。

第3回募集のスケジュール

応募登録・書類の提出(データで) 2026年10月6日〜11月17日 16時59分 第1次選考(書類)の結果 12月11日までにメール。通過者は推薦状・健康診断の書類・履歴書を1月7日までに 第2次選考(オンライン面接・30分程度) 2027年1月19日〜2月1日(土日を除く)。結果は2月19日までに 内定・渡航の手続き → 派遣前研修(約4週間・合宿) 研修は派遣先により2027年5月上旬〜8月下旬 派遣(2027年8月〜10月に出発) 派遣期間は国ごとに約7〜11か月。帰国後2か月以内に帰国報告会
2026年度第3回募集の流れ(募集要項をもとに編集部が図にしたもの。いずれも予定です)。

JFのよくある質問によると、第1次選考(書類)では、事業への理解や熱意、自分の関心分野への取り組み、派遣の経験を将来どう生かしたいかが見られます。第2次選考(面接)では、活動や現地の生活をどのくらい具体的にイメージできているか、現地の環境になじみ、現地の人と協力できるかが重視されます。面接の日時はJFが決め、変えることは原則できません。

推薦状は第1次選考を通過した人だけが出します。健康診断の費用は自分で負担し、結果を出すまでの期間が短いため、前もって受けられる医療機関を確かめておくことがすすめられています。

出典:国際交流基金「募集情報」asiawa.jpf.go.jp/各回の募集要項(2026年度第2回・2025年度第2回・2025年度第3回)/よくある質問「選考について」asiawa.jpf.go.jp

5日本語パートナーズの倍率は?公式の数字で見る

「日本語パートナーズ 倍率」と調べると、経験者のブログなどでいろいろな数字が出てきます。ここでは、国際交流基金が自分で公表している数字だけを紹介します。

5.8倍2023年度に3回行った募集の応募倍率の平均
5.3倍2014年度から2022年度までの応募倍率の平均(コロナ禍で募集を中止した年度を除く)

これは、JFの「令和5年度業務実績等報告書」に書かれている数字です。回ごと・国ごとの倍率は公表されておらず、よくある質問には、応募人数や倍率などの選考の過程についての問い合わせには応じない、とあります。派遣先や回によって募集人数は1名から60名までと幅があるため、平均の数字は目安として受けとめてください。

倍率より、準備できることに目を向ける

先生の経験は、書類や面接で具体的に話せる材料になります。

  • 授業で、子どもが分かるまで言い方を変えて説明してきた経験
  • 外国につながる子どもや、日本語の支援が必要な子と関わった経験
  • 帰国後、その経験を学校や地域でどう生かしたいかという見通し

この一覧は編集部の整理で、選考の基準ではありません。一度不合格でも、次の募集に再応募できます。

出典:国際交流基金「令和5年度業務実績等報告書」jpf.go.jp(PDF)/よくある質問「選考について」asiawa.jpf.go.jp・「応募について」asiawa.jpf.go.jp

6給料は?滞在費と、支給されるもの・自分で払うもの

日本語パートナーズの滞在費と待遇を確かめながら、自宅で海外での暮らしの準備を考える30代の先生(イメージ)
滞在費のほか、住居や航空券など支給されるものと、自分で負担するものを先に分けておくと、準備の見通しが立ちます(イメージ)。

日本語パートナーズは、JFに雇われて働くのではありません。派遣前研修を終えたあとに「派遣に関する合意書」を交わし、JFが活動を委嘱する形です。そのため、お金は「給料」ではなく、JFの規程にもとづく「滞在費」として支給されます。よくある質問では、派遣先によって違い、月額14万〜18万円程度(所得税を引いたあとの額)とされています。

派遣先(第3回)滞在費(月額・源泉徴収後)
ベトナム140,000円〜155,000円程度
インドネシア145,000円〜155,000円程度
台湾180,000円程度
モンゴル180,000円程度
カンボジア175,000円程度

額は、派遣地の物価や生活水準、為替などに合わせてJFが決めたもので、規程や税法が変わると増減することがあります。滞在費は現地の銀行口座に毎月振り込まれ、希望すれば一部を日本の口座に振り込むこともできます。扶養家族がいても増額はなく、家族を連れていくこともできません(単身赴任)。

支給されるもの・自分で負担するもの

項目JFが支給・用意するもの自分で負担するもの
住まい住居を提供し、家賃もJFが負担(現地の一般的な水準の住居)光熱費・通信費などは滞在費から
移動日本と任地の往復航空券(エコノミー)、最寄り駅から国際空港までの国内交通費派遣中の住居から学校までの交通費は滞在費から
手当支度料(赴任時のみ)、移転料、着後手当。外国語研修手当(月15,000円相当を上限に実費)—
活動の道具JFが必要と認める教材・機材、文化紹介などの消耗品の実費(上限あり)。携帯電話は貸与パソコンは貸与されないので持参
健康・保険海外旅行保険(治療・救援費用は最高5,000万円など)、予防接種費用の一部補助応募時の健康診断の費用、保険の対象外になる病気やけがの治療費
派遣前研修研修所までの往復交通費(国内)、宿泊と食事(または食費の一部補助)それ以外の費用。日当はなし

住居は単身者用アパートや学校の寮などで、温水シャワーや台所がない場合もあります。「お金をかせぐ仕事」ではなく「暮らしを支えてもらいながら活動する事業」と考えると、実際に近い姿が見えてきます。

滞在費は所得とみなされ、国内の居住者として源泉徴収されます。住民税、健康保険・年金、転出届、確定申告などの扱いは、JFが代わりに確かめることはありません。市区町村の窓口や税務署、勤め先の担当者に確かめてください。会社などを辞めて参加する場合、日本語パートナーズは雇用保険の求職者給付の「受給期間を延長できる理由」には当たらない、という厚生労働省の見解が募集要項に書かれています。

出典:国際交流基金「2026年度第3回募集 募集要項」PDF/よくある質問「派遣中の待遇について」asiawa.jpf.go.jp・「派遣中の活動、生活について」asiawa.jpf.go.jp

7学校の先生が参加するには|休職・研修・帰国後

「辞めずに行けるのか」について、公式サイトに書かれていることと、いないことを分けます。

公式サイトに書かれていること

  • 勤め先での手続きは、自分で行います。募集要項には、市区町村や勤務先などでの手続きは自分の責任で問い合わせること、JFが代わりに確かめたり手続きしたりしないことが書かれています。健康保険・年金・雇用保険も、勤め先の人事担当者と相談するよう案内されています。
  • 休職して参加し、復職した先生の例があります。公式サイトのインタビューでは、鳥取県の高校の英語の先生が、周りの理解と協力を得て1年間休職し、タイの公立学校で約10か月活動しました。帰国後は復職し、日本とタイの生徒の交流を続けています。
  • 帰国後の進路の一つに「現職への復帰」があります。よくある質問では、帰国後の進路として、就職や転職、進学とならんで、派遣前の仕事への復帰があげられています。一方で、JFは帰国後の就職のあっせんはしません。
  • 派遣中は活動に専念します。派遣期間の短縮や延長はできず、JFが認める特別な事情がなければ一時帰国もできません。滞在をお金をかせぐなどの別の目的に使うことも認められていません。

公式サイトでは分からないこと

公立学校の先生が、日本語パートナーズに参加するためにどの休職や休業の制度を使えるかは、JFのサイトには書かれていません。使える制度があるか、期間は何年までか、給与はどうなるかは、自治体や学校によって違います。必ず管理職と、任命権者である教育委員会(私立の先生は学校法人)に確かめてください。休職の基本は教員の休職ガイドに、ワーホリの場合の休職・休業の考え方は教員のワーホリにまとめています。

先生が確かめておきたいことの一覧

  • 休職などで参加できるか、できる期間は最大でどのくらいかを、管理職と教育委員会に聞いた
  • 派遣期間(約7〜11か月)と派遣前研修(約4週間)を足した期間が、その中に収まるかを数えた
  • 研修(5月〜8月)と出発(8月〜10月)の時期が、学年の途中にかかるかを確かめた
  • 推薦状を書いてもらえる人(第1次選考の通過後に必要)を考えた
  • 健康保険・年金・住民税の手続きを、勤め先と市区町村に確かめた
  • 帰国後、学校でその経験をどう生かすかを言葉にしてみた

公式サイトには、休職できる期間(最大1年)に合う派遣先を選んだ会社員の例もあります。休める期間から逆算して、応募する回と国を決める考え方です。また、JFの報告書では2023年度に福岡県・埼玉県・静岡県・大分県に推薦枠があり、埼玉県は県が選考してJFに推薦するしくみを公開しています。自分の県に同じような枠があるかも調べてみてください。

出典:国際交流基金「2026年度第3回募集 募集要項」PDF/「高校の英語教員を休職し、鳥取からタイへ。帰国後も交流を継続。」asiawa.jpf.go.jp/「日本語パートナーズの経験を復帰した職場で最大限に生かす」asiawa.jpf.go.jp/よくある質問「帰国後について」asiawa.jpf.go.jp/埼玉県「日本語パートナーズ派遣事業埼玉県連携プログラム」pref.saitama.lg.jp/国際交流基金「令和5年度業務実績等報告書」jpf.go.jp(PDF)

学校の外にある教育の仕事も、並べて見てみる在宅で8人のクラスを受け持つ先生、海外の子どもと日本語でつながる新しい学校づくりなど、NIJINの募集職種と働き方を確かめられます。
募集職種を見る →

8海外へのほかの道とどう違う?残る・辞める・両方

日本語パートナーズのあと、日本の自宅から海外の子どもとオンラインで日本語で話す20代の先生(イメージ)
海外へ出る道のほかに、日本にいながらオンラインで世界の子どもとつながる道もあります(イメージ)。

日本語パートナーズは、海外で教育に関わる道の一つにすぎません。大切なのは、いまの仕事との関係をどうするかです。日本語パートナーズを軸に、3つの道を並べます。

道どんな形か合いやすいとき気をつけること
残る(休職などで参加し、戻る)勤め先と相談し、在籍したまま日本語パートナーズに参加。帰国後は学校へ戻る学校の仕事は続けたいが、一度は海外の教育現場を見たいとき参加できるかは勤め先の判断。休める期間と派遣の期間が合うか
辞めて参加する退職して応募し、帰国後に次の仕事を探す海外での経験をきっかけに、働き方を変えたいとき帰国後の就職のあっせんはない。雇用保険の延長の理由に当たらない
両方に関わる(日本から海外とつながる)学校を続けながら、または帰国後に、オンラインで海外の子どもと関わる仕事をするすぐには日本を離れられないが、世界の子どもと関わりたいとき公立学校の先生が報酬を得るには兼業の決まりがある

海外の日本人学校への派遣、現地採用、JICA海外協力隊の現職教員特別参加制度なども含めて比べたい方は、教員が海外で働く4つの方法に、身分・期間・窓口・帰国後を比べた表があります。年齢の期限があるワーキング・ホリデーは教員のワーホリで整理しています。JFのほかの海外派遣は「世界で日本語を教えよう!」にまとめられています。

どの道が正しいということはありません。迷っている方は教員を辞めるか迷う先生へもどうぞ。

出典:国際交流基金「世界で日本語を教えよう!」jpf.go.jp/よくある質問「帰国後について」asiawa.jpf.go.jp

9帰国後も、学校の外で世界の子どもとつながる

帰国後も海外の子どもと関わり続けたい人や、事情ですぐには日本を離れられない人もいます。日本にいながら世界の子どもと日本語でつながる選択肢の一つとして、NIJINを紹介します。NIJINは「NIJINアカデミー」などを運営する会社で、代表の星野はJICA海外協力隊でグアテマラへ行ったあと、小学校の教員を7年つとめ、2022年に創業しました。

公的な派遣で海外の教育現場に入ると、どんな苦労と学びがあるのか。JICA海外協力隊としてグアテマラの小学校で活動したタツロー校長が、その時代を語った動画を1本紹介します。

JICA海外協力隊って行く意味ある?日本最大級の国際協力イベント『グローバルフェスタJAPAN』でグアテマラ小学校教育隊員時代の苦労&思い出を語ってきた▶
▶ タツロー校長|JICA海外協力隊って行く意味ある?日本最大級の国際協力イベント『グローバルフェスタJAPAN』でグアテマラ小学校教育隊員時代の苦労&思い出を語ってきた
バンコクの自宅からオンライン日本語レッスンを受ける小学生
NIJINの事業ともだちじゃぱん海外で育つ子が、日本の同世代の子と対話しながら学ぶオンライン日本語補習校です。8人制のクラスで、世界のどこからでも通えます。2026年12月にパイロット開校の予定です。ともだちじゃぱんを見る →

公式サイトには「教えない。いっしょに、話す。」とあり、好きなことから始めるプロジェクト型の学びで、日本の同世代(姉妹校NIJINアカデミーの在校生)と毎日話しながら日本語を育てます。読み書き・国語も学年相当まで学ぶとされています。

日本語パートナーズが「現地の先生のとなりで支える」仕事だとすると、ともだちじゃぱんは「日本にいながら、海外で育つ子の日本語と居場所をつくる」学校です。採用・パートナーのページによると、授業はすべてオンラインで、海外に住んだままでも関われます。日本語教師の資格は必須ではなく、副業として週1コマから、土日や夜だけ関わることもできます。未経験からの参画も歓迎され、研修があると書かれています。くわしい働き方と報酬は、ともだちじゃぱんの採用ページで確かめてください。

あわせて、NIJIN GLOBAL ACADEMYは、アジア・オセアニアの小学生・中学生・高校生が8名のクラスで学ぶオンラインのインターナショナルスクールで、2027年9月に開校する予定です。公式サイトには「先生として参加する」の入口があります。日本の外に住んでいる方や、海外の知り合いに伝えたい方は、自分の国でNIJINアカデミーを立ち上げる人を募集している英語の採用ページもご覧ください。

国内の子どもと関わる働き方もあります。NIJINアカデミーの先生は、メタバースの校舎で8人のクラスを担任する在宅の仕事です。NIJINアカデミーの先生:給与の目安は月20万円〜70万円(フルコミットの場合)。在宅で週数日なら、月5万円程度から始めることもできます。

公立学校の先生が在職のまま報酬を得て関わるには、兼業の決まりがあり、任命権者の許可が必要です。決まりの中身は教員は副業できる?で確かめてから動いてください。

世界を見たあとで、もう一度教育を選んだ先生の声

NIJINアカデミー メタバース担任の廣井裕子(にけ)さん

廣井 裕子さん(にけ)

元公立中学校教員(4年)/ピースボートで世界一周/NIJINアカデミー メタバース担任・社会共創担当

「私の心が一番動くのは、やっぱり教育でした。」

にけさんのインタビューを読む

にけさんは公立中学校で外国籍の生徒への対応などにも向き合い、退職後に世界一周へ。各国の子どもや教育に出会うなかで、もう一度教育を選びました。NIJINで働きはじめてから登録日本語教員の資格も取ったと話しています(日本語パートナーズの経験ではありません)。

10よくある質問

日本語パートナーズとは、どんな仕事ですか?
国際交流基金がアジアの中学校・高校などに人を送り、現地の日本語の先生のアシスタントとして授業を手伝い、日本の文化を紹介する事業です。雇用ではなく、JFが活動を委嘱する形です。
日本語パートナーズの倍率はどのくらいですか?
国際交流基金の令和5年度業務実績等報告書では、2023年度に3回行った募集の応募倍率の平均が5.8倍、2014年度から2022年度までの平均が5.3倍とされています。回ごとの倍率は公表されていません。
給料はいくらですか?
給料ではなく滞在費が支給されます。月額14万〜18万円程度(所得税を引いたあと)で、派遣先で変わります。住居の家賃はJFが負担し、往復の航空券なども支給されます。
年齢制限はありますか?
公式サイトでは満20歳から満69歳が目安で、実際は派遣先ごとに生年月日の範囲が決まっています。範囲がせまい回もあるため、応募のたびに募集要項を確かめてください。
英語が得意でなくても応募できますか?
身近なことについて短い簡単なやりとりができる程度(CEFRのA2相当)が目安です。派遣先の言葉は、派遣前研修で学びます。
次の募集はいつですか?
2026年度は4〜5月、7〜8月、10〜11月の3回で、第3回の締切は2026年11月17日16時59分です。次の年度の日程は公式サイトの「募集情報」やメールマガジンで確かめてください。
先生を辞めずに参加できますか?
JFは勤め先での手続きを代わりに行わないため、休職などで参加できるかは勤め先しだいです。公式サイトには、高校の先生が1年間休職して参加し、帰国後に復職した例が載っています。使える制度や期間は、管理職と教育委員会に確かめてください。
帰国後の仕事は紹介してもらえますか?
JFは帰国後の就職のあっせんをしていません。帰国後の進路には、就職・転職、進学、派遣前の仕事への復帰などがあると案内されています。

11まとめ|条件と時期を先に知り、自分で選ぶ

日本語パートナーズは、資格や経験がなくても、アジアの学校で日本語教育を支えられる公的な事業です。お金をかせぐ仕事ではありませんが、暮らしを支えてもらいながら、現地の先生や生徒と同じ教室に立てます。先生にとっては、「教える側」から「となりで支える側」に立つことで、自分の授業を見直すきっかけにもなるはずです。

  • その回の募集要項で、生年月日・学歴・英語力の条件を確かめた
  • 倍率は平均5倍台と知り、書類で話せる経験を書き出した
  • 滞在費と、支給されるもの・自分で払うものを確かめた
  • 休職などで参加できるかを、管理職と教育委員会に聞いた
  • 残る・辞める・日本から海外とつながる、の3つを並べて考えた

どの道を選んでも、確かめたうえで自分で選んだのなら、それが答えです。まずは公式サイトの募集要項を開き、自分の条件に当てはめるところから始めてみてください。

海外の子どもと、日本語でつながる教育。
学校の外で、自分のやりたい教育をつくる道もあります。

エントリーする → まず仕事の内容を知りたい方はNIJINの採用サイトで募集職種を見るか、募集ポジション一覧をご覧ください。

あわせて読みたい|近いテーマのコラム

教員が海外で働く4つの方法
教員が海外で働く4つの方法|派遣・現地採用・協力隊・オンラインの比較日本人学校やJICA海外協力隊も含めて比べたいときに。
教員のワーホリ
教員のワーホリ|辞める・休む・戻る道と年齢の期限を整理【2026年版】ワーキング・ホリデーの年齢の期限と、休職の考え方を知りたいときに。
教員の休職ガイド
教員の休職ガイド|期間・給料・手続きの基本と休む間に考えたいこと休職の制度の基本を、先に知っておきたいときに。
教員のキャリアプランの描き方
教員のキャリアプランの描き方|学校の中と外、5つの道を年代別に整理海外の経験を、この先のキャリアにどうつなぐか考えたいときに。
教員を辞めるか迷う先生へ
教員を辞めるか迷う先生へ|決める前に確かめたい7つのことと判断の軸辞めて行くか、休んで行くかで迷っているときに。

あわせて読みたい|先生たちの声

中学校教員から世界一周を経てメタバース担任になったにけさん
元教員のリモート勤務|中学校教員から世界一周、メタバース担任のにけさん世界を旅したあと、もう一度教育を選んだにけさんのインタビュー。
本記事は一般的な情報提供です。条件・日程・待遇は2026年10月に国際交流基金の公式サイトと募集要項で確かめたもので、変わることがあります。応募の前に最新の募集要項をご確認ください。休職・兼業・退職は勤務先や教育委員会(私立は学校法人)へ、税金や保険は市区町村・税務署へご相談ください。役割の図、経験の一覧、確認リスト、3つの道の表は編集部の整理です。
この記事をシェアする
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!