求人は、大きな求人サイトにまとまって出ることが少なく、スクールの公式サイトの採用ページに載るのが中心です。この記事では、2つの型の違い、求人の探し方4つ、求人票で確かめる点、働き方の実際を、いま学校で働いている先生に向けて整理します。
目次
- オルタナティブスクールの2つの型と、教員免許が必要かどうか
- 求人の探し方4つと、検索に使う言葉
- 求人票・募集要項で確かめる8つの点
- 学校の担任と比べた、働き方の実際
- 学校に勤めながら関わる方法と、応募から働き始めるまでの流れ
1結論|オルタナティブスクールの先生になるには「2つの型」がある
「オルタナティブスクール」という言葉に、法律上の定義はありません。一般には、一斉授業を中心とした従来の学校とは違う考え方で、子どもの興味や一人ひとりの進み方を大切にする学びの場を指します。そのため、先生になる方法を調べるときは、まず、そのスクールがどちらの型なのかを確かめることから始めます。
| くらべる点 | 「学校」として認められた型 | 民間の学びの場の型 |
|---|---|---|
| 法律上の位置づけ | 学校教育法 第1条に定める学校(私立の小・中学校、学びの多様化学校など) | 第1条の学校ではない。フリースクール、オンラインのスクール、塾の形など |
| 教員免許 | 必要(教育職員免許法) | 法律上は必須ではない。スクールごとに決める |
| 運営する主体 | 学校法人、自治体など | 株式会社、NPO法人、一般社団法人、個人など |
| 働く形 | 正規の教員、常勤・非常勤の講師 | 正社員、契約社員、パート、業務委託、ボランティアなど幅が広い |
| 求人の出る場所 | 学校や法人の採用ページ、自治体の教員採用 | スクールの公式サイト、求人サイト、ハローワーク、知人の紹介 |
| 子どもの在籍 | そのスクールに在籍する | 多くは地元の小・中学校に在籍したまま通う |
出典:学校教育法(e-Gov法令検索)/教育職員免許法(e-Gov法令検索)/文部科学省「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)について」
どちらが上、ということはありません。ただ、求人の数と働き方の幅が広いのは、右側の「民間の学びの場」の型です。この記事では、主にこちらを取り上げます。オルタナティブスクールの種類そのものについては、オルタナティブスクールとは?種類と特徴でくわしく説明しています。

2教員免許と資格|必要な場合・必要でない場合
教育職員免許法は、学校教育法 第1条に定める学校の教員について、相当の免許状を持つことを求めています。つまり、私立の小学校・中学校として認められたスクールや、学びの多様化学校で教員として働くには、その校種の教員免許が必要です。
一方、民間の学びの場は第1条の学校ではないため、法律の上では、教員免許がなくても子どもと関わる仕事ができます。応募の条件は、スクールがそれぞれ決めています。
- 教員免許を条件にしているスクール:教科の学習を重視するところに多く見られます。
- 免許は問わず、経験や人柄を重視するスクール:子どもへの向き合い方を、選考の中で見ます。
- 独自の研修や資格を求めるスクール:特定の教育法にもとづくスクールでは、その教育法の研修が必要なことがあります。内容は、各スクールや団体の公式の案内で確かめてください。
教員免許を持っている先生は、どの型にも応募できます。これは大きな強みです。免許と仕事の関係は、フリースクールの先生に教員免許は必要?でも整理しています。

3なぜ、オルタナティブスクールで働く人が求められているのか
文部科学省の調査(令和6年度)では、不登校の小・中学生は353,970人でした。過去最多で、12年続けて増えています。ただし、増える割合は前の年度より小さくなり、新しく不登校になった子どもの数は9年ぶりに減りました。
同じ調査にもとづく文部科学省の通知では、学校の中でも外でも、専門的な相談や指導を受けていない小・中学生が約13万6千人いるとされています。学びの場を必要としている子どもに、まだ場が届いていないということです。
不登校の小・中学生の数(令和6年度)
出典:文部科学省「令和6年度 調査結果の概要(不登校抜粋版)」/文部科学省「令和6年度調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」
また、民間の施設で相談や指導を受けた日数は、一定の要件を満たせば、在籍する学校の校長の判断で、指導要録上の出席扱いにできます(文部科学省の通知、令和元年10月25日)。学校の外の学びの場は、制度の上でも、子どもの学びを支える場所として位置づけられています。
出典:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」
4オルタナティブスクールの求人の探し方|4つのルート
オルタナティブスクールの求人は、「求人サイトで検索して、たくさんの中から選ぶ」という探し方が合いません。小さな団体が多く、募集の人数も少ないからです。次の4つを組み合わせて探します。
オルタナティブスクールの求人を探す4つのルート
1. スクールの公式サイトを直接見る
いちばん確かな方法です。「どんな教育をしているスクールで働きたいか」を先に決め、そのスクールの名前で採用ページを探します。考え方に共感できるかどうかは、長く続けるうえで何より大切です。募集が出ていないときも、問い合わせの窓口がある場合があります。
2. 求人サイト・ハローワークで、言葉を変えて検索する
「オルタナティブスクール」という言葉だけでは、求人はあまり見つかりません。スクールが自分たちをどう呼ぶかは、さまざまだからです。次の言葉でも検索してみてください。
- フリースクール/不登校支援/居場所
- 探究学習/プロジェクト学習/少人数
- オンラインスクール/メタバース/通信制 サポート校
- 学習支援/メンター/伴走
公的な窓口として、厚生労働省のハローワークインターネットサービスでも、地域と言葉で求人を探せます。
3. 関わりながら入る
見学会やイベントに参加する、ボランティアとして関わる、選考の中の実習に参加する。こうした関わりから、働く話につながることがあります。お互いをよく知ってから決められるので、入ったあとのずれが小さくなります。NIJINにも、ボランティアの募集があります(無償)。
4. 自分で開く
近くに働きたいスクールがなければ、自分で場をつくる道もあります。一人で始めると、子ども集め、学びの中身、相談相手という3つの壁にぶつかりやすくなります。そこで、すでにあるスクールと組んで教室を開く方法があります。くわしくはフリースクールの開業は難しい?組織でかなえる道をご覧ください。
5求人票・募集要項で確かめる8つの点
働く形の幅が広い分、条件の読み方が大切になります。学校の採用とは、確かめる点が違います。
応募の前に確かめる8つ
- 働く形は、雇用(正社員・契約社員・パート)か、業務委託か
- 報酬は、月給・時給・1件あたりのどれで、何によって決まるか
- 必ず働く曜日と時間、会議の時間はいつか
- 働く場所は、通う校舎か、自宅からのオンラインか
- 社会保険と交通費の扱いはどうなっているか
- 担当する子どもの人数と年齢、仕事の範囲(授業・面談・事務・広報)
- 試用期間や実習の有無と、その間の条件
- スクールの教育の考え方に、自分が共感できるか
とくに大切なのは、1つ目です。雇用と業務委託では、社会保険や働く時間の決まり方が変わります。会社が人を雇うときは、賃金や働く時間などの労働条件を書面などで明示することが、労働基準法で定められています。業務委託の場合も、取引の条件を書面などで明示することが、いわゆるフリーランス法で発注する側に求められています。くわしい内容は、厚生労働省の案内で確かめられます。
出典:厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」/厚生労働省「フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ」
6働き方の実際|NIJINアカデミーの先生の場合
ここからは、一つの例として、NIJINアカデミーの先生の働き方を紹介します。NIJINアカデミーは、不登校や、学校が合わない小中学生のためのオルタナティブスクールです。インターネット上の校舎(メタバース校舎)と、全国52か所(開校予定含む)のリアル教室で学びます。
募集ページでは、学校の担任との違いを、次のように説明しています。
| くらべる点 | 学校の担任(一般的な傾向) | NIJINアカデミーの先生 |
|---|---|---|
| 働く場所 | 校舎へ通勤する | 自宅などからメタバース校舎へ |
| 働く時間 | 時間割で決まる | 必須の時間帯のほかは、自分で設計する |
| クラス | 同じ学年の学級を受け持つ | 異学年・8人制の少人数クラスを受け持つ |
| 授業 | 学年・教科の授業を受け持つ | 自分の得意・専門をテーマにした授業を、月4回以上 |
| 保護者との関わり | 学校の予定に沿って行う | 年3回の面談と、日常の相談 |
| 働く形 | 教員として採用される | 業務委託。正社員・契約社員への登用ルートあり |
学校の欄は一般的な傾向で、学校や自治体によって違います。募集ページにも「どちらが正しい、という話ではありません」と書かれています。学校でしかできないこともあります。
必ず参加する時間は、平日10:00〜11:00を週3日と、水曜12:00〜13:30です。そのほかの仕事は、いつ・どこで進めるかを自分で決めます。自由な分、自分で環境をつくる主体性が必要です。タイムカードはなく、休む日も自分で決めます。

実例|小学校の先生14年から、リアル教室の教室長へ
きょーこさん
小学校教員として14年間勤務 → NIJINアカデミー リアル教室「横浜泉校」教室長
「子育てのために一度現場を離れた今だからこそ、学校の「外」から、子どもたちが真ん中にいて自分らしく輝ける学びの場を創りたい。」
きょーこさんは、週に1日、駅前のコミュニティスペースで教室を開いています。その日に何をするかを、子どもと一緒に決めるところから一日が始まります。インタビュー記事を読む

リアル教室の一日の様子は、動画で見ると伝わりやすくなります。子どもと大人の距離や、場の空気を確かめてみてください。
7向いている人・合いにくい人
オルタナティブスクールは、学校より自由に見えます。けれども、自由な分だけ、自分で決めることが増えます。
向いている人
- 一人ひとりの子どもに、じっくり時間を使いたい
- 自分の得意や「好き」を授業にしたい
- 決まった型がない中で、自分で考えて動ける
- 保護者と近い距離で話すことをいとわない
合いにくいかもしれない人
- 毎月の収入が決まっていることを最優先にしたい
- 仕事の範囲が、はっきり分かれているほうが安心
- 大きな組織の制度や研修を重視したい
- 誰かが決めてくれるのを待ちたい
合いにくい点に当てはまっても、関われないわけではありません。学校に勤めながら、週末だけ、あるいはボランティアとして関わる、という入り方もあります。
8学校に勤めながら関わるには
いまの学校を辞めずに、オルタナティブスクールに関わりたい先生もいるでしょう。その場合に確かめることは2つです。
- 兼業の決まり:公立学校の先生が報酬を得て別の仕事をするには、許可が必要になることがあります(地方公務員法 第38条、教育公務員特例法 第17条)。決まりは自治体ごとに違います。私立学校の先生は、勤務先の就業規則を確かめてください。
- 時間が合うか:スクールの多くは、平日の日中に開いています。学校の勤務と重なる時間帯は関われません。夜や週末にできる役割があるかを、スクールに聞いてみましょう。
くわしくは現職の先生の副業と兼業の条件にまとめています。無償のボランティアでも、勤務先への届け出が必要かどうかは、念のため確かめておくと安心です。

9応募から採用、働き始めるまで
選考の進み方はスクールによって違いますが、体験や実習をはさむところが多くあります。NIJINアカデミーの先生の場合は、次の5つの段階です。
NIJINアカデミーの先生|選考の流れ
応募の前に用意しておきたいのは、「なぜ学校の外で教育を続けたいのか」を自分の言葉で話せることです。学校を悪く言う必要はありません。学校で大切にしてきたことと、その先でやってみたいことを、つなげて話せれば十分です。
10よくある質問
オルタナティブスクールの先生になるのに、教員免許は必要ですか?
オルタナティブスクールの求人は、どこで探すのがよいですか?
オルタナティブスクールに正社員の求人はありますか?
給料は、学校の先生と比べてどうですか?
在宅で働けるオルタナティブスクールはありますか?
学校での経験は、評価されますか?
特定の教育法の資格がないと、働けませんか?
地方に住んでいても、働けますか?
オルタナティブスクールの求人に応募する前に、何を確かめればよいですか?
オルタナティブスクールの先生には、どんな人が向いていますか?
11まとめ|「どんな教育をしたいか」から探す
- オルタナティブスクールには、「学校」として認められた型と、民間の学びの場の型がある
- 教員免許は、前者では必要、後者では法律上は必須ではない
- 求人は、スクールの公式サイトが中心。求人サイトでは言葉を変えて検索する
- 働く形(雇用か業務委託か)と、報酬の決まり方を必ず確かめる
- 学校に勤めながら関わるときは、兼業の決まりを確認する
求人を条件だけで比べるより、「どんな教育をしたいか」に合うスクールを探すほうが、長く続けられます。気になるスクールが見つかったら、見学や体験から始めてみてください。
転職全体の進め方は教員の転職ガイド(転職先・進め方・時期)、働くのではなく自分で場を開く道はフリースクールの開業に資格は必要?で整理しています。
子どもの「好き」から始まる学びを、一緒につくりませんか。
NIJINアカデミーの先生を募集しています。
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本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の転職・キャリア選択の結果や収入を保証するものではありません。制度・統計・募集の内容は変わることがあります。法律・税金・社会保険・健康に関わることは、勤務先の教育委員会や学校、ハローワーク、年金事務所、医療機関などの公式の窓口でご確認ください。NIJINの募集条件は、各募集ページの記載が最新です。
- 学校教育法(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000026
- 教育職員免許法(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000147
- 文部科学省「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)について」 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1387008.htm
- 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要(不登校抜粋版)」 https://www.mext.go.jp/content/20251106-mxt_jidou01-000045738_3.pdf
- 文部科学省「令和6年度調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422178_00006.htm
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(令和元年10月25日) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155.htm
- 厚生労働省 ハローワークインターネットサービス https://www.hellowork.mhlw.go.jp/
- 厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32105.html
- 厚生労働省 フリーランスの取引に関する案内 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00002.html
- 地方公務員法(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000261
- 教育公務員特例法(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000001
- NIJIN 採用サイト「NIJINアカデミーの先生」 https://nijin.co.jp/recruit/nijinacademy-teacher/


