教員の残業時間は平均どれくらい?国の調査で見る実態と減らすための道

教員の残業時間は平均どれくらい?国の調査で見る実態と減らすための道
執筆:NIJIN 採用チーム/読了目安:15分
教員の残業時間の平均は、国の調査では「時間外在校等時間」という物差しで示されます。文部科学省の令和7年度の調査では、公立学校の教諭の1か月の平均は、小学校で約31時間、中学校で約40時間でした(令和6年度の状況)。持ち帰りの仕事は、この数字に入っていません。

この記事は、文部科学省と国立教育政策研究所の公表資料、法律の原文を実際に読み、そこに書いてある数字だけで「平均」を整理します。数字を掛けたり引いたりした推計や、モデルケースは載せません。そのうえで、時間を減らすための道と、それでも変わらないときの選択肢を並べます。

この記事で分かること
  • 「残業時間」と、調査で使われる「在校等時間」「時間外在校等時間」の違い
  • 教員勤務実態調査(令和4年度)確定値の、1日・1週間の在校等時間と持ち帰り時間
  • 月45時間・年360時間の上限と、その範囲に収まっている教諭の割合
  • 長くなる理由(業務の内訳)と、TALIS 2024の国際比較
  • 残業代が出ないしくみ(給特法)と、教職調整額の引き上げの予定
  • 個人・学校でできること、相談先、変わらないときの3つの道

1教員の残業時間は平均どれくらい?先に結論

毎日遅くまで残っていると、「自分だけなのか、みんなこうなのか」を確かめたくなります。先に、国の資料に書いてある数字をまとめます。どれも公立学校の「教諭」の数字です。

  • 1か月の平均:時間外在校等時間は、小学校で約31時間、中学校で約40時間、高等学校で約33時間です(文部科学省の令和7年度調査。令和6年度の状況)。
  • 1日の平均:平日の在校等時間は、小学校10時間45分、中学校11時間1分です(教員勤務実態調査・令和4年度の確定値。10・11月)。
  • 1週間の平均:在校等時間は、小学校52時間47分、中学校57時間24分です(同じ調査)。正規の勤務時間は1週間38時間45分とされています。
  • 持ち帰り:平日1日あたり、小学校37分、中学校32分です。在校等時間とは別に数えられています。
  • 上限との関係:国の指針の上限は月45時間・年360時間です。月45時間以下の教諭は、小学校77.8%、中学校60.5%でした。

この先は、言葉の意味から順に見ていきます。

2「残業時間」と「在校等時間」「時間外在校等時間」の違い

教員の残業時間の平均が気になりながら、夕方の職員室で机に向かう20代の先生(イメージ)
学校に残っている時間は、国の調査では「在校等時間」という物差しで測られています(イメージ)。

「教員 残業時間 平均」と調べても、国の資料に「残業時間」という言葉はほとんど出てきません。公立学校の先生には、会社員と違う決まりがあるからです。

公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)は、先生を正規の勤務時間を超えて勤務させるのは「政令で定める基準に従い条例で定める場合に限る」としています(第6条)。あわせて、時間外勤務手当と休日勤務手当は支給しないと定めています(第3条第2項)。

けれども実際には、授業の準備や成績の処理などで、正規の勤務時間の外にも学校で仕事をしています。その時間をつかむために使われているのが、次の言葉です。

言葉意味気をつけたい点
残業時間ふだんの会話や検索で使う言葉。決まった勤務時間のあとに働いた時間のこと国の調査や法律では、この言葉で数字は出ていない
在校等時間教員勤務実態調査などで使われる、学校で業務をしている時間の物差し。正規の勤務時間の分も含む「在校等時間=残業時間」ではない。1日10時間45分は、勤務時間を含めた長さ
時間外在校等時間学校の教育活動に関する業務を行っている時間として外形上把握できる時間から、正規の勤務時間を除いた時間(改正法の附則第3条第2項。くわしくは指針で定める)ふだん言う「残業時間」にいちばん近い。上限の月45時間・年360時間はこの時間のこと
持ち帰り時間家などに持ち帰って仕事をした時間調査では在校等時間とは別に集計されている
正規の勤務時間条例で決まっている勤務時間。調査の資料では1週間38時間45分
在校等時間正規の勤務時間も含めて、学校で業務をしている時間
時間外在校等時間在校等時間のうち、正規の勤務時間の外の分。「残業時間」に近い
持ち帰り時間家などでの仕事。上の時間とは別に数える
4つの言葉の関係(法律と調査資料をもとに編集部が整理)。

この記事の決まり:在校等時間から勤務時間を引いて「残業は月◯時間」と計算することはしません。資料に書いてある値だけを、どの物差しの数字かを添えて紹介します。

出典:e-Gov法令検索「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」laws.e-gov.go.jp

3国の調査で見る平均|1日・1週間・持ち帰り

文部科学省の「教員勤務実態調査(令和4年度)」は、小学校1,200校、中学校1,200校、高等学校300校に勤めるフルタイムの常勤の先生を対象に、令和4年の8月・10月・11月の連続する7日間を調べたものです。速報値のあと、確定値が公表されています。

1日あたり・1週間あたりの在校等時間(教諭、10・11月)

教諭の在校等時間小学校(平成28年度→令和4年度)中学校(平成28年度→令和4年度)
平日の1日あたり11時間15分 → 10時間45分11時間32分 → 11時間1分
土日の1日あたり1時間7分 → 36分3時間22分 → 2時間18分
1週間あたり57時間29分 → 52時間47分63時間20分 → 57時間24分

「教諭」には主幹教諭・指導教諭を含みます。高等学校の教諭は、参考値として平日10時間6分、土日2時間14分です。文部科学省は、前回より減ったものの「依然として長時間勤務の教師が多い状況」とまとめています。

1週間の分布を見ると、小学校は50〜55時間未満の人が30.3%でもっとも多く、中学校は55〜60時間未満が20.3%、50〜55時間未満が20.2%でした。平均のまわりに、短い人も長い人も広がっています。

持ち帰り時間(教諭、10・11月)

令和4年度・1日あたり在校等時間持ち帰り時間2つの計
小学校・平日10時間45分37分11時間23分
中学校・平日11時間1分32分11時間33分
小学校・土日36分36分1時間12分
中学校・土日2時間18分49分3時間7分

平日の持ち帰り時間は、平成28年度(小学校29分、中学校20分)より少し増えています。学校にいる時間が短くなっても、仕事が家に移っただけなら、楽にはなりません。自分の時間を見るときは、持ち帰りも合わせて数えることが大切です。

平均を読むときの3つの注意

  • 時期で変わります。上の数字は10・11月のものです。8月の勤務日の在校等時間は、小学校8時間4分、中学校8時間26分で、10・11月より短くなっています。
  • 人で変わります。調査の分析では、小中学校とも「年齢が若い」「担任する学級の人数が多い」「担当する授業のコマ数が多い」「教務主任」「学年主任」「校務分掌の数が多い」教諭の在校等時間が長い、とされています。
  • 調査は令和4年(2022年)のものです。その後の状況は、次の章の調査で確かめられます。

出典:文部科学省「教員勤務実態調査(令和4年度)【確定値】について(概要)」mext.go.jp(PDF)/「教員勤務実態調査(令和4年度)【確定値】」mext.go.jp(PDF)

4月45時間・年360時間の上限と、1か月の平均

給特法第7条にもとづいて、文部科学大臣は、先生の業務の量の管理などについての指針を定めています。この指針の上限時間は、1か月の時間外在校等時間が45時間、1年間が360時間です(文部科学省が教育委員会向けに示した計画のひな型に、国の指針で定める上限時間として書かれています)。

では、どれくらいの先生がその範囲に収まっているのでしょうか。文部科学省は毎年、全国の教育委員会に調査をしています。令和8年3月に公表された令和7年度の調査(令和6年度の状況)の結果です。

教諭の時間外在校等時間(令和6年度)小学校中学校高等学校
1か月の平均約31時間約40時間約33時間
月45時間以下の割合77.8%60.5%72.6%
月45時間超〜80時間以下の割合20.9%32.1%21.8%
月80時間超の割合1.3%7.4%5.6%
年360時間以下の割合約53%約36%約52%
小学校の教諭77.8%
中学校の教諭60.5%
高等学校の教諭72.6%
時間外在校等時間が月45時間以下の教諭の割合(令和6年度)。前の年度より、どの学校種でも増えています。

月45時間以下の割合は、令和5年度より小学校で2.4ポイント、中学校で2.9ポイント増えました。一方で、年360時間以下の人は小学校で約半分、中学校で約3分の1にとどまります。1年を通して見ると、上限を超える人のほうが多い学校種もあります。

この調査は教育委員会が把握している時間をまとめたもので、持ち帰りの仕事は入っていません。1か月の平均が30時間を超える教育委員会は、小・中・高で50%以上を占めるとも書かれています。平均は、自治体によっても大きく違います。

出典:文部科学省「令和7年度教育委員会における学校の働き方改革のための『見える化』調査結果」mext.go.jp/同「調査結果の概要」mext.go.jp(PDF)/「業務量管理・健康確保措置実施計画(例)」mext.go.jp(PDF)

5なぜ長くなるのか|調査が示す業務の内訳

教員の残業時間が長くなる理由のひとつ、放課後の教室でノートの丸つけをする先生の手元(イメージ)
授業のあとに、準備・成績処理・事務が重なります。何が長いのかを知ることが、減らす第一歩です(イメージ)。

時間が長くなるのは、先生の手際が悪いからではありません。教員勤務実態調査の確定値には、平日の1日が何に使われているかが載っています(教諭、10・11月、令和4年度)。おもな項目を抜き出します。

平日1日あたりの業務小学校中学校
授業(主担当)4時間13分3時間16分
授業準備1時間16分1時間23分
生徒指導(集団)59分54分
朝の業務41分44分
成績処理25分36分
学年・学級経営19分27分
部活動・クラブ活動3分37分
事務(その他)15分17分
保護者・PTA対応6分9分

授業そのものに、小学校で4時間あまり、中学校で3時間あまり。そこに、朝の業務、給食や清掃などの集団への指導、授業の準備、成績の処理が重なります。

調査は、1週間の在校等時間が「50時間未満」の教諭と「60時間以上」の教諭も比べています。差が大きかったのは、小学校では「授業準備」「学校行事」、中学校では「部活動・クラブ活動」「授業準備」「学年・学級経営」でした。中学校の土日は、部活動・クラブ活動が1日あたり1時間29分を占めています。

こうした働き方がなぜ続いてきたのかという背景は、教員はブラックすぎる?調査データで見る実態と理由でくわしく扱っています。部活動の負担は部活動顧問の負担とこれからの選択肢、保護者対応は保護者対応ストレスの記事をご覧ください。

6国際比較|TALIS 2024で見る日本の先生の仕事時間

海外と比べるとどうでしょうか。OECDの国際教員指導環境調査(TALIS)2024には、55か国・地域が参加しました。日本では2024年2〜3月に、小学校約200校と中学校約200校の校長と先生が答えています。

常勤教員の1週間あたりの時間日本(小学校)参加国平均(小学校)日本(中学校)OECD平均(中学校)
仕事時間の合計52.1時間40.4時間55.1時間41.0時間
授業23.2時間24.9時間17.8時間22.7時間
授業準備等7.8時間7.4時間8.2時間7.4時間
事務業務4.5時間2.7時間5.2時間3.0時間
課外活動0.2時間1.3時間5.6時間1.7時間

日本の仕事時間の合計は、前回の2018年調査(小学校56.1時間、中学校59.1時間)より、小中学校とも約4時間減りました。それでも、国立教育政策研究所の資料は「前回に引き続き参加国中で最長」としています。

注目したいのは中身です。授業の時間は国際平均より短いのに、合計は長い。事務業務と、中学校の課外活動が長いことが目立ちます。

なお、TALISの「仕事時間」は、先生本人が「直近の通常の1週間に、仕事に合計でおよそ何時間従事したか」を答えたもので、週末や夜間の仕事も含みます。3章の在校等時間とは測り方が違うので、そのまま比べることはできません。小学校の平均は12か国・地域、中学校は27か国・地域のものです。

出典:国立教育政策研究所「我が国の教員の現状と課題 – TALIS 2024結果より –」nier.go.jp(PDF)

7残業代は出ない?給特法と教職調整額、2025年の改正

「これだけ残っているのに、残業代は出ないのか」。公立学校の先生については、2章で見たとおり、給特法が時間外勤務手当と休日勤務手当を支給しないと定めています。そのかわりに支給されるのが「教職調整額」です。

2025年(令和7年)に給特法が改正され、教職調整額の基準は、給料月額の100分の10に改められました(第3条第1項。幼稚園は100分の4)。ただし、いきなり10%になるわけではありません。附則で、次のように段階が決められています。

改正の前給料月額の4%
令和8年(2026年)1月〜12月5% ←いまはここ
令和9年6%
令和10年7%
令和11年8%
令和12年9%
令和13年1月〜法律の本則どおり10%
教職調整額の率の移り変わり(給特法 第3条第1項と附則第2項。実際の額は条例で定める)。

文部科学省は、これを「教職調整額の水準を4%から令和12年度までに10%に引き上げ」と説明しています。

大切なのは、教職調整額は、残った時間に応じて増える手当ではないという点です。率が上がっても、時間そのものは減りません。そこで改正法は、時間を減らすことも決めています。

  • 政府は令和11年度までに、1か月の時間外在校等時間を平均30時間程度に減らすことを目標にする(改正法の附則第3条)。そのために、先生1人あたりの授業時数を減らす、支援する人材を増やす、部活動の地域での展開を進める、などの措置をとる
  • 教育委員会は、指針に即して、業務量の管理と健康の確保についての計画を定め、毎年度、実施の状況を公表する(第8条。令和8年4月から)
  • 公立中学校の1学級の人数の標準を、令和8年度から35人に引き下げるよう措置をとる(附則第4条)

私立学校や国立大学の附属学校の先生には、給特法は当てはまりません。この記事では私立学校の時間外の扱いは確かめていないため、勤務先の就業規則を読み、分からない点は事務の担当や労働基準監督署に確かめてください。

出典:e-Gov法令検索「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」laws.e-gov.go.jp/文部科学省「教師の処遇改善」のページmext.go.jp

学校の外の教育の仕事を、まず見てみるいまの働き方を見直す前に、外にどんな仕事と時間の使い方があるのかを知っておくと、考える材料が増えます。
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8残業時間を減らすためにできること|個人・学校・相談先

教員の残業時間を見直そうと決め、明るいうちの帰り道で夕空を見上げる30代の先生(イメージ)
自分の時間を数字で知り、だれかに相談することから、帰る時間は少しずつ変えられます(イメージ)。

制度が変わるのを待つあいだにも、できることはあります。ただ、先生一人の工夫だけで解決できる量ではないことも、調査の数字が示しています。個人・学校・相談先の3つに分けて整理します(編集部の整理です)。

仕事と家のことの両立がむずかしいと感じる人へ、タツロー校長(NIJIN代表)が「毎日を楽しむ3つのやり方」を話している動画です。時間の使い方を見直すヒントとして紹介します。

【仕事家事育児できない】共働きで両立が難しい人へ、毎日を楽しむ3つのやり方▶
▶ タツロー校長|【仕事家事育児できない】共働きで両立が難しい人へ、毎日を楽しむ3つのやり方

個人でできること

  1. 自分の数字を知る 出退勤の記録で、自分の1か月の時間外在校等時間を確かめます。持ち帰りの時間は記録に入らないので、自分でメモしておきます。
  2. 長い仕事を1つ決める 5章の表と見比べて、自分は何が長いのかを見つけます。全部を一度に減らそうとしないことです。
  3. 数字で相談する 「忙しい」ではなく「先月は◯時間で、△△に時間がかかっている」と伝えると、管理職も動きやすくなります。

調査では、時間管理の意識が高まったと答えた教諭ほど、在校等時間が短い傾向がありました。ただしこれは、管理職が働き方改革を進めている学校で起きやすいとも分析されています。本人の心がけだけの話ではありません。

学校でできること

確定値の分析には、学校の体制で時間が変わることも載っています。

  • 教員業務支援員が配置されている学校は、配置されていない学校に比べ、学校全体の1日あたりの「事務その他」などの時間が、小学校で約6時間、中学校で約7.5時間短い
  • 学校徴収金の徴収・管理に教職員が関わらない方法をとっている学校の学級担任は、平均より平日5日あたり42分短い
  • 中学校の土日は、部活動指導員を活用した場合、活用しない場合より在校等時間が短い

相談先

調査は、在校等時間が長い教諭ほど、また年齢が若い教諭ほど、心理的なストレスの状況が相対的に悪いことも示しています。眠れない、朝に体が動かないといった状態が続くときは、時間を減らす工夫より先に、休むことと受診を考えてください。

休むことを考えるときは、教員の休職ガイドも参考にしてください。

9それでも変わらないときの3つの道

できることをしても、時間が変わらないこともあります。そのとき、道は「我慢する」か「辞める」かの2つだけではありません。3つを同じ重さで並べます。どれが正しいということはありません。

道どんな形か合いやすいとき最初の一歩
学校に残るいまの学校で、学年・分掌・部活動の持ち方を変えながら続ける長さの原因が、担当の重なりなど変えられるところにあるとき来年度の希望を、数字を添えて面談で伝える
学校を変える異動を希望する。ほかの自治体や私立学校に移る学校や自治体による差が大きいと感じるとき教育委員会が公表する在校等時間の状況や計画を見る
学校の外にも関わる教員を続けながら学校の外の学びの場に関わる。または、外の仕事に移るやりたい教育に使う時間が、いまの形では増やしにくいとき外の仕事を見比べる。兼業の決まりを確かめる

4章で見たように、時間は自治体によって大きく違います。「教員を続けるかどうか」と「いまの学校で続けるかどうか」は、分けて考えられます。もやもやの整理には教員はこのままでいいのか、判断の軸は教員を辞めるか迷う先生へが役に立ちます。

残る道を支える、先生どうしの学びの場

NIJINには、いま学校で働く先生のための場もあります。授業てらすは、小学校の先生が授業力を磨くオンラインコミュニティで、プロ講師の授業を見る、自分の授業を見せる、少人数で語り合う、の3つが柱です。中学校てらすは、全国の中学校教員が集まるオンラインの教員コミュニティで、学級経営・特別活動・授業づくりの実践を現役の先生と学び合います。

一人では決めきれないとき

先生キャリアコーチの面談の様子
NIJINの事業先生キャリアコーチ教員のキャリア転換に特化した、伴走型のコーチングです。「辞めるか、続けるか。その前に、体験する。」を掲げ、コーチング・メンタリング・キャリアダイブの3つのプログラムで、強みを知り、実際の働き方を体験します。教員を続けるか、新しい道へ進むかは、自分で選びます。先生キャリアコーチを見る →

公式サイトのよくある質問には、転職するか決めていない段階でも相談でき、無理に転職をすすめることはないこと、平日の夜や土日など学校勤務に合わせて日程を調整できること、秘密を守って対応することが書かれています。

学校の外で、自分のやりたい教育をするという道

3つ目の道の一つとして、NIJINを紹介します。NIJINは、不登校や学校が合わない小中学生が学ぶ「NIJINアカデミー」などを運営する会社です。募集ポジション一覧には、たとえば「NIJINアカデミーの先生(メタバースクラス担任)」が載っています。インターネット上の校舎で8人の少人数クラスの担任をする仕事で、完全在宅、週3日からです。必須の時間帯(月・水・木または火・水・金の10時〜11時と、水曜12時からの会議)が示されています。

時間の話をしてきた記事なので、正直に書きます。採用サイトには、在宅の業務委託の場合「決まった時間に、決まった場所で」という感覚がほとんどなく、自由な分だけ自分で環境をつくる主体性が必要だ、と書かれています。契約は業務委託が中心で、報酬は担当する仕事と稼働時間で決まります(給与の目安は月20万円〜70万円。フルコミットの場合)。公立学校とはしくみが違い、時間が短くなると約束されているわけではありません。私立学校の先生や子育て中の方などが、副業・兼業で関わっているとも書かれています。

公立学校の先生が報酬を得て学校の外の仕事をする場合は、任命権者の許可などの決まりがあります(地方公務員法第38条、教育公務員特例法第17条)。くわしくは教員・教師の副業はできる?を、外の仕事の全体像は教員の転職先はどこがある?をご覧ください。

長時間労働に悩み、学校の外へ進んだ人の声

市川芳彦さんのインタビュー記事の写真

市川 芳彦さん(よっちゃん)

小学校・中学校・特別支援学校の教員として10年間勤務/NIJINアカデミーのメタバース担任

「教員の長時間労働や古くから続く慣習に疑問を感じ、苦しむ時期もありました。『この限られた世界で一生を終えてよいのだろうか』と自問することが増え、自分自身の生き方や働き方を見つめ直すようになりました。」

市川さんのインタビューを読む

市川さんは同じインタビューで、教員の仕事には大きなやりがいを感じていたとも話しています。退職を決めたのは、スノーボードで世界を目指す息子さんの挑戦を、家族として支えたいと考えたからでした。いまは、パソコンとインターネットがあれば子どもたちとつながれる働き方を「公立学校を持ち運べる」と表現しています。時間の長さだけでなく、その時間を何に使いたいのかが、道を選ぶ軸になると分かる言葉です。

10よくある質問

教員の残業時間は、平均で月に何時間ですか?
文部科学省の令和7年度調査(令和6年度の状況)では、教諭の1か月の時間外在校等時間の平均は、小学校で約31時間、中学校で約40時間、高等学校で約33時間です。持ち帰りの仕事は入っていません。自治体による差も大きいとされています。
「在校等時間」と「残業時間」は同じですか?
同じではありません。在校等時間は、正規の勤務時間の分も含めて学校で業務をしている時間です。そこから正規の勤務時間を除いたものが「時間外在校等時間」で、ふだん言う残業時間に近い物差しです。
教員の1日の在校等時間は、平均どれくらいですか?
教員勤務実態調査(令和4年度)の確定値では、教諭の平日1日あたりの在校等時間は、小学校10時間45分、中学校11時間1分です(10・11月)。平成28年度の調査より、それぞれ30分ほど短くなっています。
教員の残業の上限は、何時間ですか?
国の指針で定める上限時間は、時間外在校等時間が1か月45時間、1年間360時間です。令和6年度に月45時間以下だった教諭は、小学校77.8%、中学校60.5%、年360時間以下は小学校で約53%、中学校で約36%でした。
教員に残業代は出ないのですか?
公立学校の先生については、給特法が時間外勤務手当と休日勤務手当を支給しないと定めています。かわりに教職調整額が支給されます。私立学校などの先生には給特法は当てはまらないため、就業規則を確かめてください。
教職調整額は、いつから何%になりますか?
2025年の法改正で、基準は給料月額の10%になりました。ただし附則で段階があり、令和8年は5%、その後は1年ごとに1ポイントずつ上がり、令和13年1月から10%です。実際の額は自治体の条例で決まります。
日本の教員の仕事時間は、海外と比べて長いですか?
TALIS 2024では、日本の常勤教員の1週間の仕事時間は小学校52.1時間、中学校55.1時間で、参加国中で最長でした。前回より約4時間減っています。授業の時間は国際平均より短く、事務業務や課外活動が長いのが特徴です。
高校の教員の残業時間は、平均でどれくらいですか?
文部科学省の令和7年度調査(令和6年度の状況)では、高等学校の教諭の1か月の時間外在校等時間の平均は約33時間です。月45時間以下の人は72.6%、月80時間を超える人は5.6%でした。教員勤務実態調査(令和4年度)では、高等学校の教諭の平日の在校等時間は、参考値で10時間6分です。自治体や学校によって差があります。

11まとめ|平均を知ったら、次は自分の数字を

最後に、確認リストにします。

  • 「残業時間」に近い物差しは「時間外在校等時間」だと分かった
  • 国の平均(教諭の1か月:小学校 約31時間、中学校 約40時間)と、上限(月45時間・年360時間)を確かめた
  • 自分の1か月の時間外在校等時間と、持ち帰りの時間を数えた
  • 何の仕事が長いのかを1つ見つけ、数字を添えて相談する相手を決めた
  • 残る・学校を変える・外にも関わるの3つを並べて、時間を何に使いたいかを書き出した

平均より長いからといって、あなたの力が足りないわけではありません。平均より短いからといって、しんどさが軽いわけでもありません。数字は、自分を責めるためではなく、次の一歩を選ぶために使ってください。

学校の外にも、子どもと向き合う仕事があります。
少人数のクラスで、一人ひとりの「やってみたい」に伴走する仕事です。

エントリーする → まず仕事の内容を知りたい方はNIJINの採用サイトで募集職種を見るか、募集ポジション一覧をご覧ください。

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本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の勤務時間の扱い、手当、健康状態についての判断を示すものではありません。勤務時間や手当は勤務先の管理職・教育委員会(私立は学校法人)へ、体や心の不調は医療機関や公式の相談窓口へご相談ください。数字と制度は2026年10月14日に公式資料で確認したものです(教員勤務実態調査は令和4年度の確定値、時間外在校等時間の割合と平均は令和6年度の状況、TALISは2024年調査、給特法は記事作成時点の条文)。言葉の整理の表と図、個人でできること、3つの道の表は編集部による整理です。
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