高校教員を辞めたいと感じたら|進路指導・部活の負担と次の道の探し方

高校教員を辞めたいと感じたら|進路指導・部活の負担と次の道の探し方
執筆:NIJIN 採用チーム/読了目安:15分
高校教員を辞めたいと感じるのは、力が足りないからではありません。高校には、進路指導、教科の専門性、部活動、単位と卒業の判断など、高校ならではの重さがあります。そして高校は、学校によって働き方が大きく変わります。辞める前に「何が重いのか」を分けると、選べる道が増えます。

この記事は「辞めましょう」とすすめる記事ではありません。文部科学省の調査や法律の条文をもとに高校の事情を整理し、残る道・移る道・外へ出る道・両方に関わる道を同じ重さで並べます。

この記事で分かること
  • 国の調査で見る、高校の先生の平日・土日の在校等時間(小学校・中学校との比べ方)
  • 進路指導・教科・部活動・単位の判断・学校ごとの違い・異動という、高校ならではの6つの事情
  • 進学に力を入れる学校、指導が難しい学校、定時制・通信制、私立で変わる重さと手応え
  • 辞めたい理由ごとの、学校の中と外での打ち手
  • 残る・移る・外へ出る・両方に関わる4つの道と、高校の先生の経験が生きる場所

1高校教員を辞めたいと感じたら|先に結論

教科を教えるのが好きで高校の先生になった。それなのに、放課後は面談と部活動、夜は調査書と推薦書、週末は大会の引率。授業の準備は、いつも最後に回っている。そんな毎日の中で「教員 辞めたい 高校」と検索した方もいるでしょう。

先に結論をお伝えします。

  • 辞めたいと感じるのは、先生として失格だからではありません。国の調査でも、高校の先生の土日の在校等時間は中学校と同じくらい長く、その中心は部活動だと示されています。
  • 高校の「しんどさ」は、学校によって中身が違います。受験指導が重い学校もあれば、生徒指導が重い学校もあります。国の調査も、高校は課程や学科が分かれていて、勤務の実態がそれぞれ異なると注記しています。
  • だから、高校の先生には「辞める」の手前に「移る」という道があります。学校を移る、課程を変える、学校の外へ出る、続けながら外にも関わる。どれを選んでも、確かめたうえで自分で選んだのなら、それが答えです。

辞めたい理由を校種を問わずに整理したい方は「教員を辞めたい」と思ったらを、辞めるかどうかの決め方を知りたい方は教員を辞めるか迷う先生へをご覧ください。この記事は「高校ならではの事情」に絞って考えます。

2データで見る|高校の先生の働く時間

「高校は小中学校より楽だ」と言われて、つらさを口に出しにくい先生もいます。まず、国の調査で確かめます。

文部科学省の教員勤務実態調査(令和4年度)は、小学校1,200校、中学校1,200校、高等学校300校に勤めるフルタイムの常勤の先生を対象に行われました。次の表は、10・11月の教諭の1日当たりの在校等時間です(時間:分)。

教諭の1日当たりの在校等時間小学校中学校高等学校(参考値)
平日10:4511:0110:06
土日0:362:182:14

資料は高校について、平日の在校等時間は小学校や中学校より短いこと、土日は小学校より長く中学校と同程度であること、そして土日は部活動の時間が長いことをまとめています。

土日の在校等時間:小学校の教諭0:36
土日の在校等時間:中学校の教諭2:18
土日の在校等時間:高等学校の教諭(参考値)2:14
高校の先生の土日の在校等時間は、中学校とほぼ同じ長さです(教員勤務実態調査 令和4年度・10・11月)。
平日10:06・土日2:14平日だけを見れば小中学校より短くても、休みの日に学校にいる時間は中学校と変わりません。「高校は楽」とひとくくりにはできないことが、数字から分かります。

もう一つ大事なのは、高校の数字が「参考値」とされている理由です。資料は、高校は小中学校と違って課程(全日制・定時制・通信制)や学科(普通科、専門学科など)が複数に分かれ、先生の勤務の実態もそれぞれ異なるため、概要をつかむ目的で限定的に調べた、と注記しています。平均の数字と自分の毎日が合わなくても、不思議ではありません。

出典:文部科学省「教員勤務実態調査(令和4年度)【速報値】について」mext.go.jp

3高校の先生がしんどくなる、高校ならではの6つの事情

教員を辞めたいと感じ始めた高校の先生が、放課後の職員室で書類を前に手を止めている場面(イメージ)
進路指導の書類、部活動、授業の準備。高校ならではの仕事が重なる時期は、だれでも苦しくなります(イメージ)。

長時間勤務や保護者対応は、どの校種にもあります。ここでは、高校だからこそ重くなりやすいことを6つに分けます。

① 進路指導進学も就職もある。面談、調査書、推薦書、面接練習が秋に重なる
② 教科の専門性深く教えるほど準備に時間がかかるのに、準備が後回しになる
③ 部活動土日の在校等時間の中心。大会や遠征がある
④ 生徒指導と単位・卒業の判断進級や卒業に関わる判断と、生徒の人生が近い
⑤ 学校による違い課程や学科、学校の状況で、仕事の中身が別物になる
⑥ 異動の幅次にどんな学校へ行くかで、働き方が大きく変わる
高校ならではの6つの事情。1つだけの人もいれば、いくつも重なっている人もいます。

① 進路指導|進学と就職、両方の出口を支える

高等学校学習指導要領(平成30年告示)の総則は、生徒が主体的に進路を選べるよう、学校の教育活動全体を通じて、組織的かつ計画的な進路指導を行うことを求めています。高校の進路指導は、担任や進路指導の担当だけでなく、学校全体の仕事です。

そして、出口は一つではありません。令和7年度の学校基本調査では、高校などの卒業者の進路は次のとおりでした。

卒業後の進路卒業者に占める割合先生の仕事の例(編集部の整理)
大学・短期大学への進学61.4%受験に向けた授業と講習、調査書、推薦書、志望理由書や面接の指導
専門学校への進学14.4%学校選びの相談、出願書類の確認
就職13.8%求人票の確認、応募書類の指導、面接練習、企業とのやり取り

就職には、全国でそろえた日程があります。厚生労働省の発表では、令和9年3月に卒業する高校生の場合、企業から学校への求人申込みと学校訪問の開始が7月1日、学校から企業への応募書類の提出開始が9月5日(沖縄県は8月30日)、企業の選考と内定の開始が9月16日です。夏から秋にかけて、進学の出願準備と就職の応募が同じ時期に進みます。「秋がいちばん苦しい」と感じる先生が多いのは、こうした重なりがあるからだと考えられます。

② 教科の専門性|深く教えたいのに、準備の時間がない

学校教育法第50条は、高校の目的を「高度な普通教育及び専門教育を施すこと」と定めています。教育職員免許法では、高校の免許状は国語、地理歴史、公民、数学、理科、情報、農業、工業、商業など、教科ごとに授与されます。高校の先生は、教科の専門家として採用されています。

だからこそ、「教材研究にいちばん時間を使いたいのに、いちばん後回しになる」ことが苦しさになります。教科が好きな人ほど、ここで気持ちがすり減ります。

③ 部活動|土日の時間の中心

2章のとおり、高校の先生の土日の在校等時間は部活動が中心です。スポーツ庁と文化庁のガイドライン(令和4年12月)は中学校を主な対象としていますが、「学校部活動」の部分は高校段階にも原則として適用するとしています。基準は、学期中は週当たり2日以上の休養日を設けること、1日の活動時間は長くとも平日2時間程度、学校の休業日は3時間程度とすることです。

ただ、高校では大会や遠征の規模が大きくなり、経験のない競技を受け持つこともあります。顧問の負担そのものについては「教員辞めたい」中学校・高校の先生へ|部活動顧問の負担でくわしく扱っています。

④ 生徒指導と、単位・卒業の判断

高校には、義務教育と違う重さがあります。学習指導要領の総則には「単位の修得及び卒業の認定」という項目があり、単位を認めるか、卒業を認めるかを学校が判断します。欠席が増えた生徒、学校を続けるか迷う生徒と向き合うとき、先生の判断は生徒のこの先に直接つながります。

⑤ 学校による違いが大きい

学校教育法は、高校に全日制のほか定時制(第53条)と通信制(第54条)の課程を置けると定めています。学科も普通科や専門学科に分かれます。同じ「高校の先生」でも、勤める学校によって、仕事の中身は別の職業のように変わります。4章でくわしく見ます。

⑥ 異動の幅が大きい

公立学校の先生は、その学校を所管する教育委員会が任命します(地方教育行政の組織及び運営に関する法律 第34条)。県立高校なら、都道府県の教育委員会です。⑤のとおり学校ごとの違いが大きいぶん、異動は働き方を大きく変えます。不安のもとにもなりますが、「辞めずに環境を変えられる」幅が広いということでもあります。異動の範囲や年数の決まりは、自治体ごとに違います。

出典:文部科学省「高等学校学習指導要領(平成30年告示)」mext.go.jp(PDF)/「学校基本調査-令和7年度 結果の概要-」mext.go.jp/厚生労働省「令和9年3月新規高等学校等卒業者の就職に係る採用選考期日等を取りまとめました」mhlw.go.jp/スポーツ庁・文化庁「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」mext.go.jp(PDF)/e-Gov法令検索「学校教育法」laws.e-gov.go.jp/「教育職員免許法」laws.e-gov.go.jp/「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」laws.e-gov.go.jp

4学校のタイプで変わる|重くなりやすいことと手応え

ここからは、編集部による整理です。学校の良し悪しを比べるものではありません。どの学校にも重さと手応えの両方があり、合う・合わないは先生によって違います。

学校のタイプ重くなりやすいこと手応えになりやすいこと
進学に力を入れる学校講習や補習、模試の分析、受験の結果への期待教科を深く教えられる。生徒の伸びが見えやすい
進路が多様な学校・専門学科進学と就職の指導が同時に進む。実習や資格、企業とのやり取り社会とつながる学びをつくれる。生徒の「働く」を支えられる
指導が難しい学校(いわゆる教育困難校)授業が成り立ちにくい日がある。生徒指導、家庭や関係機関との連絡が多い一人の生徒の変化に深く関われる。福祉や地域と組む力がつく
定時制・通信制年齢も事情もさまざまな生徒に合わせる。勤務の時間帯が全日制と違うことがある学び直しを支えられる。一人ひとりのペースに合わせられる
私立生徒募集や広報の仕事がある学校も。異動が少ない学校では、人間関係が長く続く学校の方針に共感できれば、同じ場所で長く積み上げられる

指導が難しい学校で、限界を感じている先生へ

授業を始めること自体に力を使い切り、「自分は教師に向いていない」と感じる日があるかもしれません。けれど、それはあなたの授業力だけの問題ではありません。生徒の背景には、学習のつまずきや家庭の事情など、一人の先生では動かせないことが重なっています。一人で抱える仕事ではないと、まず自分に言ってあげてください。学年や生徒指導の担当、養護教諭、スクールカウンセラーなどと分け合うこと、そして異動の希望を具体的に伝えることは、逃げではなく正当な手立てです。

公立と私立で違うこと

給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)は、第2条で対象を公立の学校と定めており、公立の高校も含まれます。第3条は、教育職員に教職調整額を支給し、時間外勤務手当と休日勤務手当は支給しないと定めています。私立の高校はこの法律の対象ではありません。勤務時間、手当、部活動の扱いは学校法人ごとに違うため、就業規則と契約の内容を確かめてください。

出典:e-Gov法令検索「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(第2条・第3条)laws.e-gov.go.jp

5自分の「辞めたい」を分ける|チェックと打ち手

高校の教員を辞めたい理由を整理するため、休日の自宅でノートに書き出している30代の先生の手元(イメージ)
何が重くなっているのかを書き出すと、学校の中でできることと、移る・外へ出るときの見方が分かれてきます(イメージ)。

「辞めたい」の中身は、人によって違います。この1か月をふり返って、当てはまるものに印をつけてみてください。点数を出すものでも、状態を判定するものでもありません。印がついたところが、いま重くなっているものの手がかりです。

  • 授業の準備に使いたい時間が、ほかの仕事で消えている(教科)
  • 面談・書類・面接練習が重なる時期に、休めた記憶がない(進路指導)
  • 土日のどちらも、部活動で学校や会場にいた週が続いた(部活動)
  • 生徒の進級や卒業、生活の問題を、一人で抱えていると感じる(生徒指導)
  • いまの学校の方針や雰囲気と、自分のやりたい教育が合わない(学校との相性)
  • 次の異動先や、この先10年の姿が思い描けない(先の見通し)

印がついた項目ごとに、打てる手は変わります。

重くなっているもの学校の中でできること学校を移る・外へ出るときの見方
教科受け持つ科目の数や分掌を、面談で具体的に伝える。教材を教科で共有する教科を深く教えられる場か、教科をこえて生徒と関わる場か、自分が望むほうを確かめる
進路指導書類や面接練習を学年・教科で分担する。型をつくって使い回す進路の相談に乗ること自体が好きなら、それは次の仕事で強みになる
部活動休養日の基準を顧問どうしで確かめる。顧問の持ち方を管理職に相談する部活動のない働き方、時間を自分で決められる働き方を知る
生徒指導記録を残し、学年・担当・専門職と分け合う少人数や1対1で関われる場を知る
学校との相性異動の希望を、理由と一緒に伝える課程(定時制・通信制)や設置者(公立・私立)を変える道を調べる
先の見通し校内外の先輩に、10年後の働き方を聞く学校の外で働く元教員の話を聞く

「やりたい教育ができない」が中心にある方は、やりたい教育が学校でできない先生へもあわせてご覧ください。

眠れない、食欲がない、朝になると体が動かないといった状態が続いているときは、整理より先に、体と心を守ることを優先してください。この記事は、状態を見分けたり判断したりするものではありません。医療機関のほか、公立学校共済組合の健康相談事業(組合員と被扶養者向け)や、厚生労働省の働く人のメンタルヘルスのポータルサイト「こころの耳」に相談窓口の案内があります。受付の時間や利用のしかたは、それぞれの公式サイトで確かめてください。休むための制度は教員の休職ガイドにまとめています。

出典:公立学校共済組合「心と体の健康情報」kouritu.or.jp/厚生労働省「こころの耳」kokoro.mhlw.go.jp

高校教員の経験を、応募先の業務と照らす比較表

「教育に関われる仕事」という括りだけで探すと、今の負担が次の職場でも続くことがあります。転職先の名前より、日々の業務と役割を比べましょう。高校で担ってきた仕事から、続けたいことと減らしたいことを分けると、求人の確認点が具体的になります。

下の表は仕事選びの整理例です。特定の職種なら必ず負担が軽い、勤務時間が短いという意味ではありません。同じ業種でも担当や契約によって異なるため、募集要項と面接で確認します。

高校での経験生かしたいことの例応募先で確かめること
進路相談本人の希望と選択肢を一緒に整理する面談の件数・担当範囲・相談を引き継ぐ相手
教科指導・教材研究難しい内容を段階に分けて説明する授業と教材制作の比率・準備時間の扱い
部活動・行事活動を企画して関係者と進める休日対応の有無・担当者数・代わりに入る体制
生徒・保護者対応異なる希望を聞いて対話する連絡できる時間帯・判断者・緊急時の連絡先

面接での確認例:「授業準備にじっくり取り組める環境を希望しています。授業以外に担当する業務と、教材を準備する時間の取り方を教えていただけますか」。負担を避けたい理由だけで終わらず、自分が力を使いたい場面を添えると、働き方のすり合わせにつながります。

面談後は「確認できた事実」「自分の希望」「まだ分からないこと」を別々にメモしてください。たとえば「休日対応は少なそう」は印象です。「月に何回、どの業務で発生するか」は未確認として残します。答えが曖昧なら、選考の次の段階で確認してから判断できます。

すぐに転職を決めず、校内で担当の調整を相談する、別の学校を調べる、学校の外の仕事内容を知る、といった小さな行動でも構いません。つらいときに、比較表を完成させることまで自分に課す必要はありません。

応募先へ伝える経験は、職務経歴書の例文、その仕事を選ぶ理由は志望動機の書き方で整理できます。

6高校の先生が選べる4つの道と、経験が生きる次の場所

高校の教員を辞めたいと悩んだ時期を経て、生徒の進路の相談に笑顔で耳を傾ける20代の先生(イメージ)
進路の相談に乗る力は、学校の中でも外でも生きる、高校の先生の強みです(イメージ)。

高校の先生が選べる道は、大きく4つあります。どれが正しいということはありません。5章で分かった「重くなっているもの」に照らして選びます。

道どんな形か合いやすいとき気をつけること最初の一歩
残るいまの学校で、担当や分担を変える重さの原因が、分掌・学年・部活動など担当に近いところにあるとき分担の決め方は学校ごとに違う来年度の希望を、面談で具体的に伝える
移る異動する。定時制・通信制へ移る。公立と私立のあいだで移る教えることは好きで、いまの学校との相性が苦しいとき異動の決まりは自治体ごと。私立は学校ごとに条件が違う異動希望の出し方と時期を確かめる。求人を見比べる
外へ出る退職して、学校の外の仕事に就く学校というしくみの中では、やりたいことが増やしにくいとはっきりしたとき収入や働き方の安定は、公立学校と性質が違う学校を離れた人の話を聞く。仕事を見比べる
両方に関わる教員を続けながら、学校の外の学びの場にも関わる辞めるかどうかを決める前に、外の仕事を確かめたいとき報酬を得る場合は、兼業の決まりがある管理職に兼業の決まりを確かめる

移る|高校ならではの、幅のある選択肢

小中学校と比べて、高校は「移る」の中身が広いのが特徴です。生徒一人ひとりのペースに合わせて関わりたい方には、通信制という道もあります。仕事の内容や必要な免許は通信制高校の教員になるには?で整理しています。

外へ出る|高校の先生の経験が生きる場所

高校の先生が毎日していることは、学校の外では「専門性」として見られます。次の表は編集部の整理です。

高校で積んだ経験言いかえると生きやすい場所の例
進路面談、志望理由書や面接の指導相手の話を聞き、強みを言葉にして、次の一歩を一緒に決める力高校生・若者の進路やキャリアを支える仕事、通信制高校やサポート校
教科の授業づくり専門的な内容を、相手に合わせて分かりやすく組み立てる力教材づくり、オンラインの授業、研修の企画
就職指導、企業や大学とのやり取り学校の外の人と調整し、生徒と社会をつなぐ力企業や地域と組むプロジェクト型の学び、探究の支援
生徒指導、欠席が続く生徒との関わり事情のある10代と、あきらめずに関係をつくる力不登校の子や通信制で学ぶ生徒に伴走する仕事
部活動や行事の運営目標を決め、チームを動かし、安全を守る力教室やスクールの運営、イベントの企画

転職先の全体像は教員の転職先はどこがある?にまとめています。

両方に関わる|続けながら、外を確かめる

公立学校の先生が報酬を得て学校の外の仕事をする場合は、決まりがあります。地方公務員法第38条は、任命権者の許可を受けなければ、報酬を得て事業や事務に従事してはならないと定めています。教育公務員特例法第17条は、教育に関する他の職や事業に、本務に支障がないと任命権者が認める場合に従事できると定めています。始める前に、必ず管理職に確かめてください。私立の先生は、勤務先の就業規則を確かめます。くわしくは教員は副業できる?をご覧ください。

出典:e-Gov法令検索「地方公務員法」laws.e-gov.go.jp/「教育公務員特例法」laws.e-gov.go.jp

どの道か決めきれないとき

4つを並べても、一人では決めきれないことがあります。話しながら整理する方法もあります。

先生キャリアコーチの面談の様子
NIJINの事業先生キャリアコーチ教員のキャリア転換に特化した、伴走型のコーチングです。「辞めるか、続けるか。その前に、体験する。」を掲げ、コーチング・メンタリング・キャリアダイブの3つのプログラムで、強みを知り、実際の働き方を体験します。教員を続けるか、新しい道へ進むかは、自分で選びます。先生キャリアコーチを見る →

公式サイトには、「転職したいが、教員以外で働くイメージがわかない」「教員の仕事は嫌いじゃないが、このままでいいのか迷っている」といった悩みが例としてあげられています。特徴として、教員から民間企業へ移った人との面談があることも紹介されています。よくある質問には、転職するか決めていない段階でも相談でき、無理に転職をすすめることはないこと、平日の夜や土日など学校勤務に合わせて日程を調整できること、秘密を守って対応することが書かれています。

学校の外の教育の仕事を、まず見てみる高校生に伴走するニジ高の先生、少人数のクラスを持つ先生、1対1で伴走する先生など、NIJINの募集職種と働き方を確かめられます。
募集職種を見る →

7学校の外で、高校生と関わるという道

4つの道を並べたうえで、「学校の外で、自分のやりたい教育をする」選択肢の一つとして、NIJINを紹介します。元高校教員の声も紹介します。

学校が合わなかった生徒が、学ぶ場所が変わってどう変わっていったのか。タツロー校長との対談を動画で紹介します。

【校長×生徒対談】自分は社会不適合だと思っていた不登校生徒が、今では目を輝かせて夢を語る理由▶
▶ タツロー校長|【校長×生徒対談】自分は社会不適合だと思っていた不登校生徒が、今では目を輝かせて夢を語る理由

NIJINは、不登校や学校が合わない小中学生が学ぶ「NIJINアカデミー」などを運営する会社です。その高等部として生まれたのが、通信制高校サポート校のNIJIN高等学院(ニジ高)です。公式サイトによると、次のような場です。

  • 1クラス8人の少人数クラス。オンラインが中心で、メタバース校舎と、希望制のキャンパス通学があります。
  • 高校卒業資格は、在籍する通信制高校から。サポート校であるニジ高そのものは卒業資格を出さず、毎日の学びと居場所を担当します。全日制・通信制のどちらに在籍していても、組み合わせて通えます。
  • 「豪華な講師陣」ではなく「ひとりひとりに向き合う教師」。企業や地域と関わるプロジェクトを通じて、生徒の「好き」を育てることを大切にしています。

募集ポジション一覧には「ニジ高(NIJIN高等学院)の先生」が載っています。通信制高校に通う生徒にフルリモートで伴走し、クラス会議やマイプロジェクトを通じて、生徒の「やってみたい」を支える仕事です。時間はフレックス、契約は業務委託で、副業・兼業でも関われると書かれています。くわしい条件はニジ高の先生の募集ページで確かめてください。

良いことだけではありません。仕事は業務委託が中心で、報酬は担当する仕事と稼働で決まり、人によって変わります。採用サイトにも、自分で環境をつくる主体性が必要で、大企業のような完成された保証はまだない、と書かれています。部活動や校務分掌の形は変わりますが、仕事が楽になるとは約束できません。公立学校に在職したまま関わりたい方は、6章の兼業の決まりを先に確かめてください。

高校の先生から、学校の外へ移った人の声

あいあいさんのインタビュー記事の写真

あいあいさん(田中 亜衣さん)

公立高校の教員を経て/NIJINアカデミーのメタバース・リアル教室と、ニジ高の担任を兼任

「もし今、『このままでいいのかな』って少しでも思ってるなら、その感覚を無視しないでください。学校の外にも、教育はあります。」

あいあいさんのインタビューを読む

プロフィールによると、あいあいさんは高校教員として働く中で、学校に来られている子だけを見ている感覚に苦しくなり、学校の外の学びに関心を持つようになりました。いまの仕事については、生徒がどうありたいのか、どうなりたいのかという部分で、学校の先生だったころよりも関われていると話しています。

一方で、決まった指導法のない中を手探りで進む毎日であること、メールや事務作業は苦手で追い込まれる日もあることも、同じインタビューで率直に話しています。外へ出た先が楽なわけではなく、重さの種類が変わるのだと分かる言葉です。

8よくある質問

高校教員を辞めたいと思うのは、自分だけでしょうか?
高校の先生のうち何割が辞めたいと考えているかを示す公的な数字は、この記事では確かめられていません。ただ、国の調査では、高校の教諭の土日の在校等時間は中学校と同程度に長いことが示されています。負担を感じること自体は、不思議なことではありません。
「高校は小中学校より楽」と言われ、つらいと言い出せません。
教員勤務実態調査(令和4年度)では、高校の教諭の平日の在校等時間は小中学校より短い一方、土日は中学校と同程度でした。平均と比べず、自分の学校の実情で考えてください。
指導が難しい学校に勤めていて、もう限界です。辞めるしかありませんか?
辞める前に、一人で抱えていることを学年や担当、専門職と分け合うこと、異動の希望を具体的に伝えることができます。体調に変化があるときは、医療機関や相談窓口への相談を先にしてください。そのうえで外へ出る道を選ぶのも、一つの答えです。
部活動の顧問がつらいとき、どうすればよいですか?
国のガイドラインは、週当たり2日以上の休養日などの基準を示し、高校の学校部活動にも原則として適用するとしています。まずは学校の活動方針を確かめ、顧問の持ち方を管理職に相談してください。顧問を断れるかどうかは、この記事では判断を示しません。
私立高校の教員も、同じように考えてよいですか?
考え方の順番は同じです。ただし、給特法は公立学校が対象で、私立は対象ではありません。勤務時間や手当、兼業の扱いは学校法人ごとに違うため、就業規則と契約の内容を確かめてください。
高校の先生の経験は、学校の外でも生かせますか?
生かせる場面は多くあります。進路面談で培った聞く力、教科を分かりやすく組み立てる力、企業や大学と調整する力などです。ただし、収入や働き方は仕事によって変わります。6章の表で、自分の経験を言いかえてみてください。
辞めずに、学校の外の仕事を試すことはできますか?
公立学校の先生が報酬を得る場合は、地方公務員法第38条や教育公務員特例法第17条の決まりがあり、任命権者の許可を受けるか、任命権者に認められることが必要です。始める前に管理職に確かめてください。

9まとめ|高校の先生だからこそ、道は広い

高校教員を辞めたいと感じるのは、あなたの力や熱意が足りないからではありません。最後に、この記事の内容を確認リストにします。できるところから1つずつ進めてみてください。

  • 高校の先生の土日の在校等時間は、中学校と同じくらい長いことを数字で確かめた
  • 高校ならではの6つの事情のうち、自分はどれが重いかを選んだ
  • チェックで、重くなっているものを見つけた
  • 残る・移る・外へ出る・両方に関わるの4つを並べて、最初の一歩を1つ決めた
  • 自分の経験を、学校の外でも通じる言葉に1つ言いかえた

学校に残っても、学校を移っても、外へ出ても、どれも正解です。大切なのは、何が重いのかを確かめて、自分で選ぶことです。

学校の外にも、高校生と向き合う仕事があります。
少人数のクラスで、一人ひとりの「やってみたい」に伴走する仕事です。

エントリーする → まず仕事の内容を知りたい方はNIJINの採用サイトで募集職種を見るか、募集ポジション一覧をご覧ください。

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本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の勤務条件や健康状態についての判断を示すものではありません。体調は医療機関や相談窓口へ、異動・兼業・退職の手続きは勤務先や任命権者の教育委員会(私立は勤務先の学校法人)へご相談ください。数字と制度は記事作成時に公式資料で確認したものです(教員勤務実態調査は令和4年度の速報値、学校基本調査は令和7年度、就職の日程は令和9年3月卒業者のもの)。6つの事情、学校のタイプ別の表、チェック、経験の言いかえは編集部による整理です。
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