教員2年目で辞めたいと思ったときに|続ける・移る・離れるの3つの道

教員2年目で辞めたいと思ったときに|続ける・移る・離れるの3つの道
執筆:NIJIN 採用チーム/読了目安:17分
教員2年目で「辞めたい」と感じるのは、甘えではありません。初任者研修という支えが1年で終わり、分掌や学年の仕事が増える年だからです。道は「続ける・移る・離れる」の3つ。体の不調が続くときは休むことを先に、そうでなければ時期と手続きを並べてから選べば間に合います。

この記事では、教育公務員特例法の条文、文部科学省の「教員勤務実態調査(令和4年度)」と「公立学校教職員の人事行政状況調査(令和6年度)」、実在する自治体の採用選考の日程をもとに、2年目ならではの事情を整理します。「辞めるのが正解」と言う記事ではありません。3つの道を、時期と手続きつきで比べます。

眠れない、食べられない、朝に体が動かない、涙が止まらない。そんな状態が続いている方は、道を比べる前に、医療機関や相談窓口を頼ってください。厚生労働省の「こころの耳電話相談」(0120-565-455)などの窓口を6章にまとめています。

この記事で分かること
  • 1年目と2年目で、法律上の立場と支えがどう変わるか(初任者研修・条件付採用)
  • 2年目がしんどくなりやすい理由と、若い先生についての国の調査の数字
  • いまの学校で続ける場合に、何を・だれに・どう相談するか
  • 他の自治体の採用試験を受け直すときの出願時期と、2年目が気をつけたい受験資格
  • 休む・辞めるを考えるときの相談先と、3つの道の比較表・1年の暦

1教員2年目で辞めたいと思ったら|先に結論

2年目になれば少しは楽になると思っていた。それなのに、4月から仕事は増え、聞ける人は減り、気づけば去年よりしんどい。そんな場所に立っているのではないでしょうか。

先に結論をお伝えします。

  • 2年目のほうがしんどいのは、仕組みから見て自然なことです。初任者研修は「採用の日から1年間」。指導教員がつく期間が終わり、同時に仕事を任される年だからです。
  • 道は「辞めるか、我慢するか」の2つではありません。①いまの学校で続ける、②移る(他の自治体や校種の採用試験を受け直す、私立・講師、学校の外の教育の仕事)、③離れる(休む・辞める)の3つがあり、それぞれに動ける時期があります。
  • 順番があります。体の不調が続いているなら、まず休むこと。そうでなければ、原因を分け、時期と手続きを並べてから選べば間に合います。

初任・1年目の方は教員を辞めたい初任の先生へを、20代の転職全般は教員から転職|20代で辞めても大丈夫?と若手の先生のキャリアチェンジをご覧ください。ここでは「2年目ならでは」に絞ります。

21年目と何が変わるのか|2年目がしんどい3つの理由

教員2年目で辞めたいと感じ、夕方の職員室で一人パソコンに向かう20代の先生(イメージ)
2年目は、聞ける相手が減るのと同時に、任される仕事が増えやすい年です(イメージ)。

「1年目より2年目がしんどい」という感覚には、理由があります。法律と国の調査で確かめられることを順に見ていきます。

理由① 初任者研修という支えが、1年で終わる

公立学校の新任の先生には、教育公務員特例法第23条にもとづいて初任者研修が行われます。期間は「採用の日から1年間」。初任者には、所属する学校の教員の中から指導教員が命じられ、職務に必要なことについて指導と助言を受けます。文部科学省は研修の例として、校内研修を週10時間以上・年間300時間以上、校外研修を年間25日以上と示しています。

つまり1年目は、「分からないことを聞く相手」と「学ぶための時間」が、制度として用意されていた年でした。2年目になると、この枠組みが外れます。その後の支え方は自治体や学校によって違います。「急に放り出された」と感じるのは、あなたが弱いからではなく、支えの形が変わったからです。

出典:e-Gov法令検索「教育公務員特例法」laws.e-gov.go.jp/文部科学省「初任者研修」mext.go.jp

理由② 条件付採用の1年が終わり、「一人前」として任される

もう一つ、1年で区切りがつくものがあります。条件付採用の期間です。地方公務員の条件付採用は通常6か月ですが、公立学校の教諭などは、教育公務員特例法第12条で1年とされています。この1年を終えて、正式採用になります。

2年目のあなたは、正式採用された先生です。学校から見ると「仕事を任せられる人が1人増えた」ということでもあります。分掌が増える、行事の担当が回ってくる。仕事が増えたと感じるのは、立場が変わったことの裏返しです。

理由③ 若い先生・分掌の多い先生ほど、時間が長くなりやすい

文部科学省の「教員勤務実態調査(令和4年度)」では、教諭の平日1日あたりの在校等時間は小学校10時間45分、中学校11時間1分でした。どんな先生の時間が長いかの分析では、次の特徴が挙げられています。

在校等時間が長い教諭の特徴(小・中学校共通) 「年齢が若い」「担任学級児童生徒数が多い」「担当授業コマ数が多い」「教務主任」「学年主任」「校務分掌数が多い」

「年齢が若い」と「校務分掌数が多い」。2年目は、この2つが重なりはじめる年です。同じ資料は、「若手教師への支援」や「受け持つ校務分掌数の軽減」が効果的だとまとめています。帰りが遅いのは、あなたの段取りが悪いからとは限りません。長くなりやすい立場にいる、ということです。

出典:文部科学省「教員勤務実態調査(令和4年度)【確定値】について(概要)」mext.go.jp(PDF)。「教諭」には主幹教諭・指導教諭を含みます。

1年目と2年目の違い(まとめ)

項目1年目2年目
身分条件付採用(公立の教諭などは1年)正式採用
研修初任者研修(採用の日から1年間)法律で決まった初任者研修は終わり。その後は自治体・学校ごと
聞ける相手指導教員が命じられる自分から頼る相手を決める必要がある
任される仕事学級や授業が中心になりやすい分掌・行事・学年の仕事が増えやすい(学校による)
他の自治体の受け直し現職向けの選考は「初任者研修の修了」などを条件にする例がある条件を満たすかどうかを、受験先の要項で確かめられる時期

身分と研修は教育公務員特例法第12条・第23条による整理です。受け直しの条件は5章で説明します。

3数字で見る、若い先生のいま

「辞めたいと思うのは自分だけではないか」。そう感じている方に、国の調査の数字を3つお見せします。一人ではないと知ってもらうための数字です。

20代の先生の心理的ストレスは、ほかの年代より高い

教員勤務実態調査によると、心理的ストレスを評価する6つの質問の合計(0〜24点。高いほどストレスが高い)の平均は、次のとおりでした。

年齢小学校の教諭中学校の教諭
20歳台6.77.0
30歳台6.66.5
40歳台5.85.9
50歳台5.85.7

出典:文部科学省「教員勤務実態調査(令和4年度)【確定値】について(概要)」mext.go.jp(PDF)(10・11月の集計)

小学校・中学校とも、20歳台がいちばん高い結果です。一方で、管理職が働き方改革を進めており、自分の時間管理の意識も高まったと考える教諭は、ストレスの状況が相対的に良いことも示されました。同じ2年目でも、学校の進め方で状態は変わるということです。

精神疾患で休職した20代の先生は1,310人

1,310人令和6年度に精神疾患で病気休職となった、公立学校の20代の教育職員。20代の在職者の0.86%にあたります。令和2年度は844人(0.57%)でした。全年代では7,087人(全教育職員の0.77%)です。

出典:文部科学省「令和6年度公立学校教職員の人事行政状況調査について」mext.go.jp/同「精神疾患による病気休職者の学校種別・性別・職種別・年代別状況」mext.go.jp(PDF)

1年目のうちに学校を離れる先生も、増えている

条件付採用の1年のあいだに正式採用とならなかった人の数も公表されています。多くは本人からの依願退職です。

令和4年度に採用された人 637人(採用者の1.94%)
令和5年度に採用された人 791人(採用者の2.29%)
令和6年度に採用された人 897人(採用者の2.56%)
条件付採用の期間に正式採用とならなかった公立学校の教員の数。令和6年度の897人のうち、依願退職は885人(病気によるもの358人〔うち精神疾患321人〕、自己都合などその他505人)。棒の長さは人数の比です。

出典:文部科学省「令和6年度公立学校教職員の人事行政状況調査」3-2 条件付採用 mext.go.jp(PDF)

1年目を乗り切ってここまで来たこと自体が、当たり前ではありません。

2年目の先生だけを取り出した退職者数や離職率は、今回確認した国の公表資料では見つけられなかったため、この記事には載せていません。

4道①続ける|いまの学校で負担を減らす・異動を希望する

教員2年目で辞めたいと悩み、放課後の空き教室で先輩の先生に担当の相談をする若い先生(イメージ)
担当を書き出してから相談すると、調整できるものが見えやすくなります(イメージ)。

最初の道は「続ける」です。我慢して続けるのではなく、負担の形を変えて続けるという意味です。

担当を書き出して、具体的に相談する

  1. 書き出す。担任している学級の人数、週のコマ数、持っている分掌と行事の担当、部活動。去年から増えたものに印をつけます。
  2. つらさを分ける。時間の長さなのか、特定の仕事(保護者対応、分掌の一つ、部活動)なのか、人間関係なのか。原因で相談先が変わります。
  3. 相手を決めて話す。学年主任、教務主任、教頭・副校長、校長。「大変です」ではなく、「2年目になってこの3つが増えました。どれかを調整できませんか」と伝えます。
  4. 校内で動かなければ、校外の窓口へ。任命権者である教育委員会の相談窓口や、公立学校共済組合の相談(6章)を使えます。

国の資料が「若手教師への支援」「校務分掌数の軽減」を効果的だと書いていることは、相談の根拠になります。職員室の人間関係がつらさの中心にある方は、職員室の人間関係がつらい先生へも参考にしてください。

「聞ける相手」を自分でつくり直す

指導教員という「聞いてよい相手」がいなくなったなら、自分で決め直すことができます。校内なら、去年の指導教員や同じ学年の先輩に「月に1回、15分ください」と頼む。校外なら、同じ校種の先生が集まる場に入る方法があります。

小学校の先生には、NIJINが運営する授業てらすがあります。小学校教員が授業力を磨くオンラインコミュニティで、授業動画を見る、自分の授業を見てもらう、少人数で語り合うといった学び方ができます。中学校の先生には、全国の中学校教員が集まるオンラインの教員コミュニティ中学校てらすがあり、学級経営や授業づくりの実践を先生どうしで学び合っています。公式サイトによると、LINEオープンチャットは無料、有料会員は月額1,650円(税込)です。

異動を希望する

「この仕事は続けたいが、この学校がつらい」という場合は、異動の希望も選択肢です。ただし、何年目から対象になるか、希望をいつ・どう出すかは自治体ごとに決まっており、一律には書けません。管理職との面談のときに、「異動を希望する場合は、いつまでに、何を出せばよいですか」と聞いてみてください。

「そもそも自分はこの仕事に向いていないのでは」と感じている方は、「教員に向いてない」と感じたらの記事で、原因を3つに分ける方法を紹介しています。

5道②移る|採用試験の受け直し・私立や講師・学校の外の教育

教員2年目で辞めたいと考え、休日に自宅の机で他の自治体の採用試験の受け直しを調べる先生(イメージ)
受け直しは、受けたい自治体の実施要項で受験資格と出願の締め切りを確かめるところから(イメージ)。

2つめの道は「移る」です。教育の仕事は続けながら、働く場所を変える道です。まず、採用試験の受け直しから説明します。

他の自治体の採用試験を受け直す

地元に戻りたい、別の自治体で働きたい。現職の先生に向けた選考を設けている自治体があります。公式ページで確かめられた例を挙げます。

自治体(選考の年度)現職の先生向けの区分出願の時期試験・発表の時期
大阪府(令和9年度)現職教諭対象の選考。大阪府内の公立学校を除く現職教諭が対象で、第1次選考と第2次選考の一部が免除2026年3月6日〜4月17日第1次の筆答6月13日、第2次の結果発表9月25日(予定)
神戸市(2027年度・特別選考)他自治体現職教員区分(現職の正規教員)。校種・教科ごとに若干名2026年8月25日〜10月13日個人面接・実技11月16日〜21日、合格発表12月25日
福岡県(令和9年度)現職教員特別選考(県外実施・関東会場)。小学校・中学校・特別支援学校2026年9月1日〜9月24日試験11月8日

出典:大阪府「令和9年度大阪府公立学校教員採用選考テストの実施について」pref.osaka.lg.jp/神戸市「2027年度教員採用選考試験における特別選考の実施」city.kobe.lg.jp/福岡県「現職教員特別選考(県外実施)」pref.fukuoka.lg.jp。記事作成時点の公表内容で、出願が終わっているものも含みます。

受け直しの窓口は、春に出願して夏に受ける日程と、秋に出願して冬に結果が出る特別選考の、少なくとも2つの時期にあります。

2年目が気をつけたい受験資格|「継続して1年以上」と「初任者研修の修了」

現職向けの選考には、条件がつくことがあります。北九州市は教職経験者特別選考(現職正規教員)の受験要件として、現在正規教員であること、初任者研修を修了していることなどを挙げ、令和7年度に実施する選考から、要綱の文言を「出願時点で、現自治体又は学校法人等に継続して1年間以上の勤務経験(休職、育児休業等の期間を除く。)がある者」と明確にしました。背景として、同市の資料は、複数の自治体を転々とする正規教員が見られるようになったことを挙げています。

出典:北九州市教育委員会「北九州市公立学校教員採用候補者選考試験の受験要件等の明確化に伴う実施要綱の一部改正について」city.kitakyushu.lg.jp(PDF)

2年目の先生にとって大事な点です。

  • 「いつの時点で1年以上か」は自治体ごとに違う。出願時点で数える例では、春の出願と秋の出願で、同じ2年目でも結果が変わることがあります。
  • 休職や育児休業の期間を除いて数える例がある。休んだ期間がある方は、とくに要項を確かめてください。
  • 条件に合わなくても、一般の区分で受けられることがある。その場合は試験の免除がないため、準備の量が変わります。

受けたい自治体が決まったら、その年度の実施要項で、受験資格・試験の免除・出願の締め切りを先に確かめてください。

受け直す前に知っておきたい2つのこと

1つめは、移った先での身分です。教育公務員特例法第12条第2項は、正式任用されている公立学校の教員が、同じ都道府県内の公立学校に引き続き任用される場合などについては、条件付採用の規定を適用しないと定めています。別の都道府県や指定都市へ移る場合の扱いは、受験先の教育委員会に確かめておくと安心です。

2つめは、いまの学校への伝え方と時期です。所属長への報告が必要か、合格したらいつ退職の意思を伝えるかは、勤務先と受験先の決まりによります。退職金の考え方は教員の退職金はいくら?の記事にまとめています。

校種を変える・私立へ移る・講師として働く

校種を変える道もあります。多くの場合は採用選考を受け直すことになり、条件は受験先の要項で決まっています。

私立学校は学校法人ごとに採用が行われ、条件も学校によって違います。講師として働く形を選ぶ先生もいます。募集や条件は各教育委員会・学校法人の公式ページで確かめてください。収入や雇用の安定も変わるため、何を軽くしたいのかを決めてから比べるのがよいでしょう。

学校の外の教育の仕事へ移る

オルタナティブスクールやフリースクール、教育系の企業など、学校の外にも教育の仕事があります。8章で紹介します。全体像は教員の転職ガイドも参考にしてください。

学校の外にも、教育の仕事はあります在宅で子どもと関わる先生、1対1の専任サポートなど、NIJINの募集職種を一覧で見られます。
募集職種を見る →

6道③離れる|休む・辞める

3つめの道は「離れる」です。休むことと辞めることは、別のものとして考えてください。

まず「休む」|体のサインが出ているとき

眠れない、食べられない、朝に体が動かない、日曜の夜に涙が出る。こうした状態が続くときは、まず医療機関に相談してください。休養が必要かどうかは、医師が判断します。疲れきった状態で人生の大きな決断をしない。これが、いちばん大事な順番です。

働く人の「こころの耳電話相談」(厚生労働省) 働く方やそのご家族が相談できる電話窓口です。電話番号は 0120-565-455(フリーダイヤル)。受付は平日17:00〜22:00、土曜・日曜10:00〜16:00(どちらも終了10分前まで。祝日・年末年始を除く)。非通知の電話は受け付けていません。受付時間は公式ページで確認を。

出典:厚生労働省 こころの耳「働く人の『こころの耳電話相談』」kokoro.mhlw.go.jp

公立学校の先生が加入する公立学校共済組合は、組合員とその被扶養者に向けて、電話・面談によるメンタルヘルス相談、Web相談(こころの相談)、LINEを使ったメンタルヘルス相談、教職員電話健康相談24などの窓口を案内しています。

休む制度には、年次有給休暇、病気休暇、病気休職があります。期間や給与の扱いは自治体ごとに決まります。流れは教員の休職ガイドにまとめています。休むことは逃げではなく、制度として用意された手段です。

國吉樹里さん(じゅりたろう)のインタビュー記事の写真

國吉 樹里さん(じゅりたろう)

公立中学校の保健体育の教員として7年間勤務/NIJINアカデミー メタバース担任

「退職後もしばらくは一日中布団から起き上がれない日が続き、人生に絶望していた時期もあります。」「そこから少しずつ元気を取り戻し、犬のアパレルで働いたり、子どもが生まれたりする中で、「やっぱり教育がしたい」という気持ちに気づきました。」

國吉さんのインタビューを読む

國吉さんは同じインタビューで、教員時代について「朝から晩まで働く中で、自分のやりたい生活ができない苦しさや、学校という場所で働き続けることへの違和感を感じるようになり」、心身の不調から療養休暇を取ったと話しています。休んで、離れて、時間をかけて教育に戻ってきた人です。いったん離れても、教育に戻る道は閉じません。

「辞める」|時期と手続きを先に確かめる

辞めることは、逃げではありません。ただ、次の3つは先に確かめてください。

  • いつ辞めるか。年度末か、年度の途中か。年度途中でも退職はできますが、手続きは公立の正規教員・臨時的任用の先生・私立学校の先生で違います。くわしくは教員は年度途中で退職できる?の記事へ。
  • だれに、いつまでに伝えるか。申し出の期限は自治体ごとに違うので、管理職か任命権者の教育委員会に確かめてください。
  • お金。当面の生活費、退職手当、次の仕事が決まるまでの期間。退職金の記事で考え方を確かめられます。

73つの道を比べる|比較表と2年目の1年の暦

ここまでの3つの道を、1枚の表に並べます。

道具体的な形良いところ気をつけたいところ動く時期の目安最初の一歩
①続ける担当・分掌の調整を相談する。校内外に聞ける相手をつくる。異動を希望する身分と収入が変わらない。経験を積み上げられる学校や管理職によって変わり方に差がある。体の不調があるときは無理をしない相談はいつでも。異動の希望は自治体が決める時期に担当を書き出し、相談する相手を1人決める
②移る他の自治体・校種の採用選考を受け直す。私立・講師。学校の外の教育の仕事先生・教育の仕事を続けながら、場所と条件を変えられる受験資格(在職の長さ、初任者研修の修了など)がある。働きながらの準備になる。移った先が合うとは限らない春に出願・夏に試験の日程と、秋に出願・冬に発表の特別選考がある(自治体による)受けたい自治体の今年度の実施要項を開く
③離れる休む(年休・病気休暇・病気休職)。辞める(年度末・年度途中)心と体を守れる。立ち止まって考える時間ができる辞める場合は収入と安定の形が変わる。申し出の期限がある休むのは不調を感じたらすぐ。辞める時期は手続きを確かめてから医療機関や相談窓口に話す。退職の手続きを管理職に聞く

3つの道は、選んだら戻れないものではありません。①を試しながら②の要項を調べる。③で休んでから①に戻る。行き来できる道として持っておいてください。

2年目の1年の暦|いつ、何が動くか

5章の選考日程をもとに、2年目の1年を並べます。時期は自治体と年度で違うため、目安として見てください。

時期学校で起きやすいこと3つの道でできること
3〜4月新しい学級・分掌が決まる。初任者研修が終わり、任される仕事が増える②春に出願する採用選考の締め切り(例:大阪府は3月6日〜4月17日)。①増えた担当を書き出す
5〜7月行事と授業が重なり、疲れがたまりやすい①管理職・学年主任に担当の相談。②第1次の試験(例:大阪府は6月13日)。③不調が続くなら受診
8月夏季休業。まとまった時間がとれる②第2次の試験。秋の特別選考の公表(例:神戸市は8月10日)。学校の外の仕事を調べる
9〜10月2学期。行事が多い②秋の特別選考の出願(例:神戸市8月25日〜10月13日、福岡県9月1日〜24日)。夏の選考の結果(例:大阪府9月25日予定)
11〜12月成績処理、来年度の話が出はじめる②特別選考の試験・発表(例:福岡県11月8日、神戸市の発表12月25日)。①異動の希望、③年度末の退職は、申し出の期限を管理職に確認
1〜3月学年のまとめ、引き継ぎ決めた道の手続きと引き継ぎ

採用選考の日程は5章の出典による例です。異動の希望や退職の申し出の時期は自治体ごとに違うため、月を書いていません。

8学校の外で、自分のやりたい教育をするという選択肢

学校の外で教育に取り組む道を選んだ一人として、元公務員(教員)の校長が自分のキャリアを話している動画です。

【起業に学歴いる?】不登校・元公務員から起業家になったタツロー校長に問う▶
▶ タツロー校長|【起業に学歴いる?】不登校・元公務員から起業家になったタツロー校長に問う

「子どもと関わることは好き。でも、いまの働き方では続けられない」。そう感じたなら、学校の外の教育も見てみてください。選択肢の一つとしてNIJINを紹介します。

NIJINは2022年4月に創業した教育の会社で、不登校の小中学生を主な対象とするオルタナティブスクール「NIJINアカデミー」などを運営しています。ミッションは「人を責めず、仕組みを創る。」。採用サイトに載っている働き方は、次のとおりです。

  • 在宅で働ける仕事が多い。NIJINアカデミーの先生(メタバースクラスの担任)は完全リモートで、週3日から。
  • 1対1で子どもに関わる専任サポートは、オンラインで週1日から。
  • 副業・兼業で関わる人もいる。私立学校の教員、子育て中の人、ほかの会社で働く人が参加している。
  • 役割ごとに仕事と報酬が決まるジョブ型。毎週水曜の12時に、全員がオンラインで集まる。

良いことだけではありません。同じページには、契約は業務委託が中心で、報酬は担当と稼働で変わること、大企業のような完成された保証はまだなく、自分で環境をつくる主体性が要ることも書かれています。公立学校の安定とは性質が違い、収入が上がる、楽になる、と約束できる道ではありません。時間と場所と、やりたい教育を自分で設計したい人に向く道です。条件は募集ポジション一覧で確かめてください。なお、公立学校の先生の兼業には決まりがあります。現職教員の副業のルールもご覧ください。

青田梨沙さん(あおたり)のインタビュー記事の写真

青田 梨沙さん(あおたり)

神奈川県の公立中学校で英語科の教諭として3年間勤務/NIJINアカデミー メタバース担任、企業連携・営業

「中学校教員を退職し、美容業界の会社で働いていたとき、教員としての経験を少しでも生かしたいと思い、NIJINに参画しました。」「難しさを感じることもありますが、企業や社会と関わることで、教員として働いていた頃よりも、社会や仕事について深く、広く理解できるようになりました。」

青田さんのインタビューを読む

青田さんは、教員を3年で離れ、別の業界で働いてから教育に戻ってきた人です。若いうちに学校を出ても、教員の経験は消えません。

辞めるかどうか決めていない段階で、話を整理したいとき

何がつらいのか、何をしたいのか。一人で考えて堂々めぐりになるなら、だれかと話しながら整理する方法があります。

先生キャリアコーチの面談の様子
NIJINの事業先生キャリアコーチ教員のキャリア転換に特化した、伴走型のコーチングです。コーチング・メンタリング・キャリアダイブの3つのプログラムがあり、転職を決めていない段階でも無料相談から始められます。公式サイトには、累計200名以上のキャリア支援実績とあります。先生キャリアコーチを見る →

この事業の代表を務める森川陸さんは、川崎市の公立中学校で社会科の教員として3年間働いた元先生です。インタビューでは「私は教員一年目の頃から、学校と社会が大きく分断されていることに違和感を感じていました。」と話しています(森川さんのインタビュー)。

9決める前に確かめたい5つのこと

どの道を選ぶにしても、決める前に5つだけ確かめてください。

① 体は大丈夫か不調が続くなら、決断より先に受診と休養。大きな決断は回復してから
② 何がつらいのか時間・特定の仕事・人間関係・やりたい教育との差。原因を分ける
③ 学校が変われば解けるか担当の調整や異動、別の自治体で変わるなら、①②の道が有力
④ 何をしたいのか「離れたい」だけでなく「何をしたいか」を一つ言葉にする
⑤ 時期とお金出願の締め切り、退職の申し出の期限、当面の生活費を数字で確かめる
決める前の5つの確認。①が整っていないときは、②以降を急がないでください。

2年目の方にとくにお伝えしたいのは③です。つらさには、「この仕事そのもの」から来るものと、「この学校の、この年の担当」から来るものが混ざっています。辞めるかどうかの前に、「場所が変われば解けるつらさか」を一度考えてみてください。解けそうなら、続ける道と移る道が残ります。

気持ちの整理には、教員はこのままでいいのかの記事も役に立ちます。

2年目の経験を、応募先に伝える整理例

転職を検討していても、「2年しか働いていないから何も書けない」と結論を急ぐ必要はありません。勤務年数と、担当した仕事の中身は別の情報です。学校の外の求人を見る場合は、次のように、経験を小さく分けて整理してみてください。表は記入の考え方を示す例で、すべての先生が経験していることを前提にしたものではありません。

実際に担当した仕事思い出す工夫確かめて書くこと
授業・教材準備理解の違いに合わせて説明や教材を変えた場面対象、変更した内容、確かめられる反応
行事・学年の仕事期限から逆算し、ほかの人と進めた場面自分の担当範囲と、調整した内容
子どもや保護者への対応状況を整理し、同僚と共有した場面個人情報を含めずに説明できる行動

伝え方の例は、「まだ経験が浅いですが頑張ります」で終わらせず、「担当した授業では、理解が難しい箇所を確認し、説明資料を作り直しました。応募先でも相手の状況を確かめながら伝え方を調整したいと考えています」のように、行動と応募先で生かしたいことをつなぐ形です。実際に行っていない工夫や、確認していない成果の数字を足す必要はありません。

この整理は、すぐ退職するためだけの作業ではありません。今の学校で担当を相談するときにも、自分が担っている仕事を具体的に伝える材料になります。応募書類まで進める場合は、教員の職務経歴書の基本項目と例文で、経験を文章にする順番を確認できます。

10よくある質問

教員2年目で辞めたいと思うのは、甘えですか?
甘えではありません。法律で決まった初任者研修は採用から1年間で、2年目は指導教員という支えが外れ、任される仕事が増える年です。国の調査でも、年齢が若い教諭ほど在校等時間が長いことが示されています。
2年目で他の自治体の採用試験を受け直すことはできますか?
できます。現職の先生に向けた選考を設けている自治体もあります。ただし、「出願時点で、いまの自治体に継続して1年以上の勤務経験がある」「初任者研修を修了している」といった受験資格を定めている例があります。条件は自治体と年度で違うため、受けたい自治体の実施要項で確かめてください。
受け直しは、いつから準備を始めればいいですか?
春に出願して夏に受ける日程なら、3〜4月には出願が締め切られる自治体があります(例:大阪府の令和9年度選考は3月6日〜4月17日)。秋に出願する特別選考もあります(例:神戸市は8月25日〜10月13日)。前の年度の要項を見て、出願の月を先に確かめておくと動きやすくなります。
3年は続けたほうがいい、と言われました。本当ですか?
「3年」という年数に、法律上の決まりがあるわけではありません。体の不調が続いているなら、年数より健康が先です。年数ではなく、体の状態、つらさの原因、場所が変われば解けるかどうかで考えてみてください。
2年目の途中で辞めることはできますか?
年度の途中でも退職はできます。ただし、手続きや申し出の期限は、公立の正規教員か、臨時的任用の先生か、私立学校の先生かで違います。退職の前に、病気休暇や休職の制度が使えないかも確かめておくとよいでしょう。
辞めるかどうか決めていません。だれに相談すればいいですか?
体の不調があるときは医療機関へ。働くうえでの悩みは、管理職や先輩、教育委員会の窓口、公立学校共済組合の相談、「こころの耳電話相談」などを使えます。これからの働き方を整理したいときは、教員のキャリアを専門にしたコーチングを使う方法もあります。

11まとめ|2年目の「辞めたい」は、道を並べる合図

教員2年目で「辞めたい」と感じるのには、理由があります。初任者研修は採用から1年間。条件付採用も1年。支えが外れ、正式採用の先生として仕事を任される最初の年が、2年目です。あなたのしんどさは、気のせいでも、甘えでもありません。

道は3つあります。負担の形を変えて続ける。他の自治体や学校の外へ移る。休む、あるいは辞めて離れる。それぞれに動ける時期と手続きがあり、行き来もできます。

体のサインが出ているなら、まず休む。そうでなければ、担当を書き出し、要項を開き、期限を確かめる。どの道を選んでも、子どもの前に立ってきた経験は、次の場所で生きます。

時間と場所と、やりたい教育を自分で選ぶ。
学校の外にも、先生として働く道があります。

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本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の勤務条件や健康状態についての判断を示すものではありません。法律や手続きは勤務先・任命権者の教育委員会などの公式の窓口へ、体調は医療機関へご相談ください。数字と制度は記事作成時に公式資料で確認したものです(教員勤務実態調査は令和4年度、人事行政状況調査は令和6年度、採用選考は令和9年度・2027年度選考)。受験資格と日程は毎年変わるため、最新の実施要項で確かめてください。
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