この記事では、NIJINで働く元教員の公開インタビューの言葉をもとに、辞めて得たもの・手放したものを並べます。そのうえで、辞めてよかったと感じやすい条件、辞める前に確かめたいこと、戻る道までを整理します。「辞めるのが正解」とも「続けるのが正解」とも決めつけません。
目次
- 教員を辞めた人が「得た」と語るもの、「手放した」と語るもの(公開インタビューより)
- 辞めてよかったと感じやすい人に共通する3つの条件
- 辞める前につくっておきたい、自分だけの物差し(チェックリスト)
- 辞めずに働き方を変える道と、辞めたあとに教員へ戻る道の実例
1「教員 辞めてよかった」と検索する先生が、本当に知りたいこと
「教員 辞めてよかった」「教員 辞めたら幸せ」と検索するとき、知りたいのは他人の感想そのものではないはずです。知りたいのは、「自分が辞めたら、よかったと思えるのか」ではないでしょうか。
インターネットには、「辞めて人生が変わった」という声も、「辞めて後悔した」という声もあります。どちらも本当です。ただ、どちらも「その人の物差し」で測った結果です。時間を大切にしたい人と、子どもの成長に立ち会うことを大切にしたい人とでは、同じ出来事の意味が変わります。
そこでこの記事では、体験談を「よかった・悪かった」で終わらせず、得たものと手放したものに分けて見ていきます。紹介するのは、NIJINで働く元教員が、公開されているインタビューで語った言葉です。作り話や、出どころの分からない体験談は使いません。

2元教員の声から見る「得たもの」
まず、辞めたあとに「得た」と語られているものを3つに分けて紹介します。
① 自分の生活と、働く場所の自由

よっちゃんさん
小学校・中学校・特別支援学校の教員として10年間勤務 → 家族の夢を支えるために退職 → NIJINアカデミーの先生
息子さんのスノーボードへの挑戦を家族として支えたいという思いから、10年間勤めた公立学校を退職しました。いまの働き方について、こう話しています。「『公立学校を持ち運べる』と感じるほど場所に縛られない働き方は、家族の夢と教育への情熱を両立したい私にとって、まさに理想の環境でした。」インタビュー記事を読む
学校は、決まった時間に決まった場所にいることが前提の仕事です。そこから離れると、暮らす場所や一日の使い方を自分で決められるようになります。家族の事情がある人にとって、これは大きな変化です。
② 子どもと向き合う、別の形

廣井 裕子さん
通称:にけ/公立中学校の教諭を4年間 → 世界一周 → NIJINアカデミー メタバース担任・社会共創担当
にけさんは、いまの仕事を続けたい理由をこう語ります。「学校という枠組みや大人の評価を気にする必要はありません。一人の人として子どもたちと関われる。保護者の方とも深くつながれる。そして、一緒に子どもの成長を喜び合える。その積み重ねが何よりのやりがいです。」インタビュー記事を読む
辞めた人が得たものは、「教育から離れた自由」だけではありません。「教育に、別の形で関われるようになった」ことを挙げる人もいます。
③ 「やっぱり教育がしたい」という確信

あおたりさん
神奈川県の公立中学校で英語科教諭を3年間 → 美容業界の会社へ転職 → NIJINに参画
学校以外の広い世界を経験したいと考えて退職し、民間企業で働いたあおたりさん。NIJINアカデミーで子どもと関わったときのことを、こう振り返ります。「教員を辞めてから感じることのできなかった、子どもの成長に心を大きく動かされる感覚を思い出しました。そして、改めて『教育がやりたい』と思うようになりました。」インタビュー記事を読む
一度離れたからこそ、自分が何を大切にしているかが分かった。これも、辞めて得たものの一つです。離れてみなければ分からないことがあります。
3元教員の声から見る「手放したもの」
得たものだけを並べるのは公平ではありません。同じインタビューの中に、手放したものも語られています。
① 子どもの成長に毎日立ち会う時間
あおたりさんの言葉を、もう一度読んでみてください。「教員を辞めてから感じることのできなかった」とあります。民間企業で働いていた間、子どもの成長に心を動かされる感覚は、手元にありませんでした。学級担任として毎日同じ子どもたちと過ごす時間は、学校の先生だからこそ持てるものです。
② 心と体が回復するまでの時間
公立中学校で7年間勤めたあと、心身の不調から休職・退職を経験した國吉樹里さん(通称:じゅりたろう)は、退職直後をこう語っています。「退職後もしばらくは一日中布団から起き上がれない日が続き、人生に絶望していた時期もあります。」
辞めた翌日から楽になる人ばかりではありません。じゅりたろうさんは、そこから少しずつ元気を取り戻し、「やっぱり教育がしたい」という気持ちに気づいて、在宅でできる教育の仕事を探しました(インタビュー記事)。「辞めてよかった」と言えるまでに、時間がかかることがあります。
③ 安定した身分と、決まった収入
公立学校の先生は、公務員としての身分と、毎月決まった給与があります。学校の外の働き方は、形によって収入の決まり方が大きく違います。たとえばNIJINアカデミーの先生は業務委託で、報酬は担当する仕事の組み合わせと稼働時間で決まります。募集ページに載っている給与の目安は月20万円〜70万円(フルコミットの場合)で、在宅で週数日なら月5万円程度から始めることもできます。週3日からの働き方です。ほかの仕事と組み合わせる人もいます。
収入がどうなるかは、選ぶ働き方と家計の事情で変わります。この記事では「増える」とも「減る」とも言いません。辞める前に、自分の場合の数字を確かめることが欠かせません。
出典:NIJIN採用サイト「NIJINアカデミーの先生」nijin.co.jp/recruit/nijinacademy-teacher/
4【比較表】得たものと手放したものを並べる
4人の歩みを並べる
まず、2章と3章で紹介した4人の歩みを、本人がインタビューで語っていることだけで並べます。同じ「辞めた」でも、きっかけも、得たものも、かかった時間も違います。
| 人 | 学校での経験と、その後 | 辞めて得たと語っていること | 手放した・時間がかかったと語っていること |
|---|---|---|---|
| よっちゃんさん | 小学校・中学校・特別支援学校で10年 → 家族の夢を支えるために退職 → NIJINアカデミーの先生 | 場所に縛られない働き方。家族の夢と、教育への思いの両立 | インタビューでは触れていません |
| にけさん | 公立中学校で4年 → 世界一周 → NIJINアカデミー メタバース担任・社会共創担当 | 学校の枠組みや大人の評価を気にせず、一人の人として子どもや保護者と関われること | インタビューでは触れていません |
| あおたりさん | 公立中学校の英語科で3年 → 美容業界の会社 → NIJINに参画 | 「やっぱり教育がやりたい」という確信 | 民間企業にいた間、子どもの成長に心を動かされる感覚がなかった |
| じゅりたろうさん | 公立中学校で7年 → 心身の不調から休職・退職 → 在宅でできる教育の仕事へ | 「やっぱり教育がしたい」という気持ちへの気づき | 退職後しばらくは起き上がれない日が続き、元気を取り戻すまで時間がかかった |
4人に共通しているのは、辞めたあとも、形を変えて教育に関わっていることです。一方で、「辞めてよかった」と言えるまでの道のりは、すぐの人もいれば、時間がかかった人もいます。
観点ごとに並べる
次に、ここまでの声を観点ごとに一枚の表にまとめます。右の列は、あなた自身が書きこむための問いです。
| 観点 | 辞めて得やすいもの | 辞めて手放しやすいもの | 自分への問い |
|---|---|---|---|
| 時間・場所 | 働く場所と時間を自分で決める余地 | 決まった時間割がつくる生活のリズム | 自分で予定を組むほうが力を出せるか |
| 子どもとの関わり | 少人数・オンラインなど別の関わり方 | 学級担任として毎日過ごす時間、行事 | どんな関わり方のときに一番うれしいか |
| お金・身分 | 働き方を組み合わせる自由 | 公務員としての身分、毎月決まった給与 | 毎月いくら必要か。何か月もつか |
| 仲間 | 学校の外の人とのつながり | 職員室の同僚、同期 | 一人で進める時間が長くても平気か |
| 心と体 | 回復のための時間 | (すぐには戻らないこともある) | いまは決められる体調か |
| 自分の軸 | 「何がしたいか」を考え直す機会 | 「先生」という分かりやすい肩書き | 肩書きがなくても、やりたいことは何か |
5「辞めてよかった」と感じやすい3つの条件
インタビューを読み比べると、辞めたことを前向きに語る人には共通点があります。
条件1:辞める理由が「〜から離れたい」だけでなく、「〜がしたい」もある
よっちゃんさんには「家族の夢を支えたい」、あおたりさんには「学校以外の広い世界を経験したい」という理由がありました。離れたい気持ちだけで動くと、離れたあとに何をすればよいかが残ります。小さくてもよいので、向かう先を一つ持っておくと、辞めたあとの時間が意味を持ちます。
条件2:手放すものを、先に知っている
後悔は、「知らなかった」から生まれやすいものです。収入、身分、子どもと過ごす時間。何を手放すかを先に知ったうえで選んだ人は、同じ苦労を「自分で選んだもの」として受けとめられます。辞めたあとに悔やみやすい点は、教員を辞めた後に後悔する?の記事で整理しています。
条件3:教育との関わりを、ゼロにしない道を知っている
今回紹介した4人は、全員が一度学校を離れ、別の形で教育に戻っています。「辞める=教育をやめる」ではないと知っているだけで、決断の重さは変わります。

上の動画では、学校司書だった方が開いたフリースクールの様子を見ることができます。学校を離れたあとも、別の形で子どもと関わる道の一つです。
6辞める前に、自分の物差しをつくる
他人の「よかった」は、あなたの答えになりません。次の項目を紙に書き出して、自分の物差しをつくってみてください。
- 教員の仕事で、いちばんうれしかった場面を3つ書ける
- いちばんつらい場面を3つ書き、それが「学校の仕組み」「いまの職場」「仕事の量」のどれから来るかを分けた
- 辞めたあとに「したいこと」を、仮でもよいので一つ言える
- 毎月の生活費と、収入がなくても暮らせる月数を計算した
- 退職の時期・退職手当・保険と年金の手続きを、窓口で確かめた
- 戻りたくなったときの道(採用選考の条件)を、志望する自治体の要項で見た
- 家族やパートナーと、お金と時間の変化について話した
- 体調が落ち着いているときに考えている
全部にチェックがつかなくても、辞めてはいけないわけではありません。ただ、チェックがつかない項目は、辞めたあとに不安として出てきやすいところです。迷いの整理には、教員を辞めるか迷っている先生への記事も使えます。
7辞めずに「得たいもの」を手に入れる道もある
表の「得やすいもの」の中には、辞めなくても手に入るものがあります。
- 学校の外の仲間:校外の学びの場に参加する。NIJINの授業てらすは小学校の先生が授業力を磨くオンラインコミュニティ、中学校てらすは全国の中学校教員が集まる無料のコミュニティです。
- 自分の軸を考え直す時間:公立学校の先生には、大学院で学ぶための休業(大学院修学休業)や、自己啓発等休業といった制度があります。対象や条件は法律と自治体の条例で決まるため、所属の教育委員会に確認してください。
- 働く環境の変化:異動や校種の変更で、つらさの中心が変わることがあります。
辞めるかどうかは、これらを試してから決めても遅くありません。試したうえで「それでも外へ出たい」と思えたなら、その気持ちは確かなものです。

8辞めたあとに、戻る道・続ける道
教員に戻る道
退職したあとに、もう一度教員になる道もあります。たとえば東京都教育委員会は、都の公立学校で正規教員の経験がある方に向けて「カムバック採用」を行っています。令和8年度に実施する選考の案内では、3年以上の勤務経験などの要件を満たす方は第一次選考が免除されるとされています。条件は年度や自治体で違うため、志望する自治体の最新の実施要項で確認してください。
また、文部科学省によると、教員免許更新制は令和4年(2022年)7月1日に発展的に解消されています。
出典:東京都教育委員会「東京都教員経験者向け カムバック採用案内」東京都公立学校教員採用ポータルサイト/文部科学省「教員免許更新制」mext.go.jp
学校の外で教育を続ける道
NIJINには、元教員が多く働いています。学校の外で教育を続ける働き方の例を、公式の募集内容から紹介します。
| 働き方 | 主な条件(公式の募集内容より) | くわしく見る |
|---|---|---|
| NIJINアカデミーの先生 | 在宅・週3日から。給与の目安は月20万円〜70万円(フルコミットの場合。担当する仕事と稼働時間による) | 募集ページ |
| リアル教室の教室長 | 週1日から、9〜16時の間で5時間。教員免許は不要。生徒1人あたり月額13,200円の支給が基本。開校視察費88,000円(税込) | 募集ページ |
| ボランティア | 無償。まず関わってみたい人向け | 募集ページ |
どの働き方も、収入や成果を約束するものではありません。条件の詳細は、各募集ページで確認してください。辞めたあとの仕事の選び方は、教員を辞めたあとの仕事の記事でも紹介しています。

9よくある質問
教員を辞めた人は、みんな「辞めてよかった」と思っていますか?
教員を辞めたら幸せになれますか?
辞めて後悔しやすいのは、どんなときですか?
教員を辞めると、収入は下がりますか?
辞めたあとに、教員へ戻ることはできますか?
教育が好きなまま辞めても、いいのでしょうか?
辞めるか決められないときは、どうすればいいですか?
辞めずに、得たいものを手に入れる方法はありますか?
学校の外で教育を続けるには、どんな働き方がありますか?
10まとめ|「よかった」は、あとから自分でつくるもの
教員を辞めてよかったかどうかは、辞めた瞬間には決まりません。辞めて得たものと手放したものを、自分の物差しで比べ、選んだ道を歩く中で、少しずつ「よかった」になっていきます。
同じことは、残る道にも言えます。続けてよかったと思えるかどうかも、これからの自分がつくっていくものです。
残ることも、外へ出ることも、どちらも立派な選択です。先生として子どもと過ごした時間は、どの道を選んでもなくなりません。
辞める前のお金は教員の退職金はいくら?勤続年数ごとの早見表、次の仕事の探し方は教員の転職ガイド(転職先・進め方・時期)と教員の転職が難しいと言われる3つの理由と進め方で整理しています。まだ迷いの段階なら、「教員はこのままでいいのか」を言葉にする5つの問いかけから読んでみてください。
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- NIJIN採用サイト 社員インタビュー nijin.co.jp/recruit/category/staff-interview/
- NIJIN採用サイト「NIJINアカデミーの先生」nijin.co.jp/「リアル校の教室長」nijin.co.jp
- 東京都教育委員会「東京都教員経験者向け カムバック採用案内」(東京都公立学校教員採用ポータルサイト)kyoinsaiyopr.metro.tokyo.lg.jp
- 文部科学省「教員免許更新制」mext.go.jp
- 文部科学省「大学院修学休業制度」mext.go.jp
- 地方公務員法 第26条の5(自己啓発等休業)(e-Gov法令検索)laws.e-gov.go.jp
- 授業てらす jugyoterrace.nijin.co.jp/中学校てらす msterrace.nijin.co.jp/先生キャリアコーチ senseicoach.nijin.co.jp


