学習塾の教室を、不登校の子どもたちの日中の居場所に|NIJIN

学校に通うことが難しい子どもたちの数は、この10年余りで大きく増え続けています。かつては一部の特別な事情とされていた「不登校」は、今やどの学校・どの地域でも起こり得る、決して珍しくない状況になっています。そうした子どもたちにとって、日中安心して過ごせる「居場所」があるかどうかは、その後の育ちに大きく関わってきます。この記事では、不登校児童生徒数の推移や国の政策動向といったデータをもとに、学習塾の教室を日中の居場所として活かす取り組みの意義について整理します。

目次

  1. 増え続ける不登校の子どもたち
  2. 「学校に行けない」は特別なことではない
  3. 教育機会確保法が示す「学校以外の場」の重要性
  4. 日中の居場所がもたらす効果|出席認定・満足度データから
  5. 学習塾だからこそできる居場所づくり
  6. 居場所づくりで大切にしたい視点
  7. あわせて読みたい|NIJINで挑戦する仲間の声
  8. まとめ

増え続ける不登校の子どもたち

不登校の子どもたちの数は、統計を追うほどにその増加ペースの速さが浮かび上がってきます。

346,482人・11年連続増加 文部科学省の調査によると、令和5年度の小中学校における不登校児童生徒数は346,482人(小学生130,370人、中学生216,112人)にのぼり、11年連続で増加しています。前年度の299,048人と比べて48,285人増加しており、10年前の令和元年度(119,617人)と比較すると約2.9倍に膨れ上がっています。不登校を含む長期欠席者は493,440人と、約50万人規模に達しています。

出典:文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について」https://www.mext.go.jp/content/20250410-mext_kyoiku01-000041658_03.pdf

一つの学年に例えると、40人学級であれば1クラスあたり複数人が不登校という状況が珍しくない計算になります。この数字は、特定の家庭や子どもだけの課題ではなく、社会全体で受け止めるべき規模に達していることを示しています。

「学校に行けない」は特別なことではない

不登校というと、以前は「本人や家庭に何か特別な問題がある」という見方をされがちでした。しかし現在の教育機会確保法の考え方は、それとは異なります。

ポイント:教育機会確保法の趣旨説明資料では、不登校について「問題行動ではなく、どの児童生徒にも起こり得るもの」と明確に位置づけています。支援の目標も「登校」という結果のみに置くのではなく、子どもの「社会的自立」を重視する考え方へと転換しています。

出典:文部科学省「教育機会確保法の基本的な考え方」 https://www.mext.go.jp/content/20231018-mxt_syoto02-000021384_001010.pdf

「無理に学校に戻す」のではなく、「その子に合った学びと育ちの場を用意する」という考え方が、国の政策としても明確に打ち出されているのです。

教育機会確保法が示す「学校以外の場」の重要性

教育機会確保法第13条では、「不登校児童生徒が学校以外の場において行う多様で適切な学習活動の重要性」が明記されています。また第3条第5号では、国・地方公共団体・民間団体等の「密接な連携」が規定されており、フリースクールをはじめとする民間施設との相互協力・補完を進めることが求められています。

文部科学省が令和5年3月31日に策定した不登校対策の総合パッケージ「COCOLOプラン」でも、学校の外にある公的機関や民間施設で相談・指導を受けた場合について、一定の要件のもとで学校長の判断により出席扱いとする仕組みが整理されています。国全体として、学校以外の場を子どもの学びの選択肢として正式に位置づけていく方向性が明確になっていると言えます。

日中の居場所がもたらす効果|出席認定・満足度データから

実際に、学校以外の居場所を利用した子どもたちや保護者の声からは、その効果を裏づけるデータが見えてきます。

子どもの96.3%、保護者の98.6%が肯定的評価 フリースクール全国ネットワークの調査によると、フリースクールに通った子どもの96.3%(「よかった」88.9%+「まあよかった」7.4%)、保護者の98.6%(「よかった」89.5%+「まあよかった」9.1%)が肯定的な評価をしています。また、出席として認定されている割合は86.9%(2003年比+23.5pt)、学校との情報交換を実施している割合は90.5%(2003年比+10.5pt)と、学校との連携も着実に進んでいます。

出典:フリースクール全国ネットワーク「フリースクール等に関する調査」(2022年実施・2023年報告)をもとにした報道等 https://www.stepup-school.net/news/detail/3496

「学校に行けない」という状況そのものが問題なのではなく、「安心して過ごせる場所がない」という状況こそが問題であり、その場所さえあれば、多くの子どもと保護者が前向きな変化を実感できるということが、このデータからも読み取れます。

学習塾だからこそできる居場所づくり

こうした居場所づくりの担い手として、学習塾という存在には独自の強みがあります。

  • すでに教室という物理的なスペースを持っており、新たな居場所を一からつくる必要がない
  • 子どもと接することに慣れた講師陣がいる
  • 保護者との信頼関係が既に構築されているケースが多い
  • 夕方以降しか稼働していなかった教室を、日中の居場所として活かせる

学力指導を目的とした場ではなく、あくまで「安心して過ごせる居場所」としての役割を担うことになるため、塾としての指導スタイルとは異なる関わり方が求められますが、それでも教育に関わってきた事業者だからこそ提供できる価値は大きいと言えます。

居場所づくりで大切にしたい視点

大切にしたい視点:居場所づくりにおいて最も大切なのは、「学校に戻すこと」をゴールにしないという姿勢です。子ども自身のペースを尊重し、興味のあることに取り組める環境を用意すること。そして、在籍校との情報共有を丁寧に行い、出席扱いなどの制度を必要な子どもが利用できるようにしておくこと。この2つが、居場所としての信頼を積み重ねていくための土台になります。

あわせて読みたい|NIJINで挑戦する仲間の声

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まとめ

不登校児童生徒数は11年連続で増加し、令和5年度には346,482人という規模に達しています。教育機会確保法は不登校を「どの児童生徒にも起こり得るもの」と捉え、学校以外の場での学びの重要性を明確に示しています。実際にフリースクールなどの居場所を利用した子ども・保護者の9割以上が肯定的な評価をしており、居場所があることの効果は数字にも表れています。教室・指導ノウハウ・保護者との信頼関係を持つ学習塾だからこそ、日中の空き時間を子どもたちの新しい居場所へと変えていくことができます。

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